コーチングの勉強
1投稿者:まりや  投稿日:2003/03/09(日)23:09:31
コーチへの道
230投稿者:『質の高いコーチング』  投稿日:2004/11/07(日)22:46:25
●質の高いコーチングを実現するために必要なものは何ですか?
〜プレコーチングの徹底〜
私はコーチングを始める前に、クライアントと十分なプレコーチングの
時間を持つようにしています。ほとんどの場合は面談で、1時間半から
2時間使います。時にはそれでは足りなくて電話でプレコーチングを
続けることもあります。コーチングとは何かを理解するために、
コーチングに何を期待しているかをハッキリさせるために十分な時間を
取ります。

〜アセスメントの使用〜
さらに、学習スタイル、タイプ分け、リーダーシップ、
コミュニケーションなどに関するアセスメントも使います。
最近では360度フィードバックのシステムを開発し、コミュニケーションや
リーダーシップについて、クライアントの上司や部下からフィードバックを
受け、それらをテーマにコミュニケーションを交わします。
コンピューターとインターネットを用いたシステムで、短期間に情報を
収集できるため、時間差のない、新鮮なフィードバックを受けることが
できます。私も自分で試しましたが、とても参考になりました。
231投稿者:『質の高いコーチング』  投稿日:2004/11/07(日)22:48:43
〜エバリュエーションプラン〜
コーチングによる成果を計るための基準をクライアントとコーチが
お互いに確認するようにもしています。コーチングや研修についての
ROI(Return On Investment)がよく話題に上がります。実際に投資に
見合うリターンが無ければ、コーチを雇う意味が無いわけです。
ですから、エバリュエーションプラン(Evaluation Plan)をつくって
コーチングに臨んでいます。

 〜最後に〜
ともすると、コーチングは単にクライアントとのコミュニケーション
技術のように考えられています。しかし、実際には、アセスメント、
TIPS、リサーチ、360度フィードバック、ホームワーク、
エバリュエーションプランなどが用いられています。また、
クライアントがいつでも、コーチングのプロセスを振り返ることが
できるように、コーチとしてのセッションログも大事にしています。
質の高いコーチングを実現するためには、クライアントも何を実現
しようと思っているのか、何を変えようと思っているか、
それらについてできるだけ具体的にすることだと思います。
232投稿者:『最もシンプルで強力な質問』  投稿日:2004/11/11(木)11:04:57
Aさんは東京近郊の総合病院で病理部長を務めています。Aさんは
部下との関係はすこぶる良好。しかし上司にあたる院長とうまが
合いません。コーチングの中でAさんからよく出てくる言葉は
「院長は話にならない」「あの院長がいる限りだめだ」「今の
プロジェクトがうまくいかなかったら院長を糾弾する」「院長の
せいで自分の仕事が思うように進まない」「他責」の言葉の
オンパレードなのです。私はAさんに質問しました。
「院長とどういう関係を作りたいのですか?」「ことあるごとに
ぶつかってしまうので、今のままでは自分の仕事も思うように進まない。
別に仲良くしたいとは思わないが、自分の仕事がもう少し自由に
出来るようになったらいいとは思います」「どうしたらそれが
実現できると思いますか?」「院長がいる限り難しいんじゃないかな?」
「もしAさんに出来ることがあるとしたらどんなことでしょうか?」
「こっちから歩み寄るということですかねー?」「Aさんから
歩み寄るってどういうことですか?」「こちらから話しかけるとか、
出張に行ったらお土産買ってくるとか・・・」「なるほど。それを
やったらどうなると思いますか?」「多少は違うんじゃないですかね。
でもそんなことをするのは媚びるようで僕のプライドが許さないな」
「プライドと仕事のしやすさとどちらをとりますか?
Aさんが今出来る最善の選択は何ですか?」
233投稿者:『最もシンプルで強力な質問』  投稿日:2004/11/11(木)11:05:56
「ふむ、難しい質問だ。少し考えさせてください」

 1週間後、自分の仕事をうまくいかせるために、
 いかに院長との関係を改善するか、
 その戦略をつくることがAさんのコーチングのテーマになりました。
 もちろん、プライドは脇に置いて。

 コーチングは「自責」の立場に立って行われます。
 「自責」とは今の状況は自分がつくりだしているという立場に立つことです。
 自分が悪いという意味ではありません。
 今の状況は自分がつくり出しているのだから、
 その状況は自分で変えていくことが出来るという考え方です。

 「あなたが今できる最善のことは何ですか?」

 この質問は、どんな状況の相手に対しても、
 最もシンプルで強力な質問だといえるでしょう。
234投稿者:「国際コーチ連盟2004年大会に参加して」  投稿日:2004/11/18(木)02:29:32
今年の国際コーチ連盟(ICF)の大会が11月3日から
6日にかけてカナダのケベックシティで行われました。
各国から参加者数が1100人。全米中で行われる各種カンファレンスの
参加者数が減っているといわれる中、これだけの人数が集まったことに
大会運営委員会は手放しの喜びようでした。これもひとえに、
「国際」コーチ連盟の名前どおり、世界各国からの参加者が増えた
こともいえるでしょう。ICFの大会のキーワードは
「コーチングのグローバル・フォーラム」。Internationalという
名前のとおり、国際的な集まりの場であるのですが、本当の意味での
ICFでのグローバリゼーションは始まったばかりだと感じます。
私がICFの大会に行き始めたのは、5年前。その頃のコーチたちと
いえば、アメリカ人、白人。それが唯一のコーチの姿でした。
3年前初めて参加したICFの理事のミーティングでは、私がいた
せいか、委員長のボベットが「これはインターナショナルメンバー
にとっても・・・」という言葉をよく口にしました。私はそのとき
思わず「あなたは、アメリカのコーチを念頭において話している。
日本のコーチには、必ずしも当てはまるわけではない」
と言ったことを覚えています。そのとき、一瞬会議の雰囲気が
シーンと凍りついたものです。そのことについて、今回集まった
ときにボベットはこう言いました。
235投稿者:「国際コーチ連盟2004年大会に参加して」  投稿日:2004/11/18(木)02:31:43
「3年前のケイコのあの言葉は私のターニングポイントになった。
私は自分の基準でしかものを見ていなかった」委員長を退いた
ボベットは、今、ICFのグローバルコミッティの主催者として
活躍しています。会場では「チョイス」というコーチ専門雑誌の
編集長とも話をしました。「記事にインターナショナルな内容も
組み込みたい・・・」と。そのときも、「あの、あの国ではこう、
この国ではこう、というストーリーはあまり興味ないの。
興味あるのは、どういうコーチがいて、どういうコーチングが
行われているのか、そのモデルの多様性なのよ」と伝えていました。
インターナショナルを意識するというのは、区別化することではなく、
多様性を発見することなんだなあ、と話しながらしみじみ感じました。
そんなことに気づくことができるのも、ICFという
プラットフォームにいるからと、来年のことを楽しみに思いました。
今年は、十数名の日本からの参加者がいらっしゃいました。
来年は、日本から発信するコーチングのモデルを紹介する年に
したいと思っています。来年の大会は11月9日〜12日に
カルフォルニア州サンホゼで開催されます。
カレンダーにチェックしてぜひ、参加しましょう。
236投稿者:「可能性を拓く」  投稿日:2004/11/25(木)01:53:20
11月の初旬にカナダのケベックで開催されたICFの大会で、
とても素晴らしい講演に出会いました。普段から様々な人の
講演を聴きますが、これまで聴いた中で間違いなくベスト3に
入る講演でした。講演者の名前はベン・ザンダー。
ボストンフィルハーモニーの指揮者です。テーマはリーダーシップ。
彼はフィルハーモニーの指揮者を務める傍ら、音楽学校も
経営しています。フィルハーモニーの演奏には、いつも50席程、
音楽学校の生徒を招けるように席を用意しています。ある時、
フィルハーモニーのコンサートにヨーロッパからゲストピアニストを
呼びました。前評判は非常に高く、チケットはあっという間に完売。
当日は演奏前から会場は大変な熱気に包まれていました。
いよいよこれから開始という時に、高揚した気持ちでザンダーが
観客席を見上げると、音楽学校の生徒がいるはずの席が半分ほどしか
埋まっていません。多少気になりながらもザンダーは指揮を始めました。
大成功で終わった演奏後、ザンダーはスタッフに聞きました。
「うちの生徒はどうしたんだ?」帰ってきた答えは
「どうもショッピングモールに遊びにいったらしいです。」
ザンダーは、頭に一気に血が駆け上るのを感じました。
チケットを手に入れたくても手に入れらない人がたくさんいる中で、
せっかく空けてあるシートを無駄にして、ショッピングセンター。
237投稿者:「可能性を拓(ひら)く」  投稿日:2004/11/25(木)01:58:30
彼は収まりきらない気持ちを抱えたまま家に帰りました。
家で奥さんにそのことを話すと、コーチでもある彼女は
言ったそうです。「リーダーには常に3つの選択肢があるのよ。
相手に妥協すること、相手にフラストレーションを感じて怒りを
投げつけること、そして相手の可能性を拓くこと。あなたは
どれを選択するの?」ザンダーは考えました。明日生徒に
何と言ったらいいのだろうかと。そして、次の日。
コンサートをすっぽかした生徒を前にして彼はいいました。
「君たちは昨日コンサートに来ずにショッピングモールに行く
ことを選んだ。でもそれは全くもって私の責任であって、
君たちの責任ではないんだ。今回のコンサートがいかに
君たちのキャリアにとって意義深く大事なことであるかを、
私は伝え切れなかったのだから。許してほしい。本当に
申し訳ないことをした。」それ以降、その生徒たちは、
かつてないほど熱心に音楽の習得に努めたということです。
もちろんコンサートをサボることは二度とありませんでした。
相手の可能性を拓くということの可能性について、
深く考えさせられた講演でした。
238投稿者:「もしも、ウサギにコーチがいたら」  投稿日:2004/12/01(水)22:29:20
『もしもウサギにコーチがいたら』という拙著に
こんなフレーズがあります。「もしも私がコーチなら、
ウサギ君の苦手な泳ぎを教えて、弱みの克復なんかさせない。
それよりは、彼の高速90度ターンに磨きをかける」。
ここは、自分でも好きなフレーズです。
今年のオリンピックの前に、オリンピック強化選手に
話を聞く機会がありました。そのとき、私が一番
知りたかったのは、オリンピックの選手と、県大会に
出る選手とでは何が一番違うのか、という点です。
それについて、一人の選手がこう話してくれました。。
「自分も、ついこの間までオリンピックなんて考えても
いませんでした。でも、チャンスがあって、ヨーロッパ遠征
に出かけたときに、世界クラスの選手と一緒に泳ぐ機会があって、
そのとき、『手が届くんだ』と思ったんです。オリンピックが
見えたんです。」県大会で活躍する選手も、オリンピックの選手も
実は、体格や体力にそう違いはないのかもしれません。
しかし「視点」が変わったとたん、練習の質も、目標も、
泳ぎの質も変わりました。世界を見るようになってから、
全部変わったと思います。
239投稿者:「もしも、ウサギにコーチがいたら」  投稿日:2004/12/01(水)22:29:52
今度、ウサギをコーチすることがあったら、世界に
視点を向けられるようなコーチングをしたいものです。
気をつけていなければならないのは、コーチが無意識に、
自分のサイズにクライアントを合わせてしまおうとする
ことだと思います。
240投稿者:1対1面談  投稿日:2004/12/05(日)13:03:51
目標管理制度の中で、上司と部下が一緒になって一年を見つめ直し、
来年の目標を立てる面談の時間はとても大切で次への成果も期待できる。
定期的に時間を作ることが難しい会社でも年に一度くらいは個人面談を
設定して欲しい。面談を設定し、上司と部下が向かう段階となった時、
どんなことに注意をしたらよいのか?今回は、そんな時のヒントを
紹介したい。
《場所の設定》
皆さんが個人面談を設定する時、どの場所を選ぶだろうか。
場所の設定は面談の成果に直結する大切な要素のひとつであり、
その選定は慎重に行って欲しい。社長室、上司の部屋、応接室、
会議室、休憩所や喫茶店などがその候補に上がる。先ず確認して欲しい。
設定した場所は、上司と部下とどちらのテリトリーとなっているだろうか。
もし、上司のテリトリーで面談を行うとしたら、部下がどこまで自分を
開放して話しをしてくれるか少々疑問が残る。上司のテリトリーに
一歩足を踏み入れた部下は、体が緊張し、敵陣に突入する部隊のように
防衛本能が働いた話しになる可能性が高い。来年の目標を話し会い、
社が前に進むため、上司と部下が膝を割って話し合うことができる様、
今年は部下のテリトリーに上司が出向いて面談して欲しい。
241投稿者:1対1面談  投稿日:2004/12/05(日)13:04:38
《座る位置》さあ、部下のテリトリーに上司が出向きました。そこは、
会議室か喫茶か、部下の机なのかもしれない。その時、上司である
あなたはどのような配置で座るのだろうか。正面に向かいあう、
斜め横に座る、同じ方向に向かって真横に座るなどが考えられる。
正面に向かい合う位置を『敵対位置』と呼んでいる。正面に相対して
話しをしている場面を想像すると労使交渉を思い出してしまう。
交渉、そう、自分の考えを相手に認めさせようとお互いが自分を
押し通している姿だ。これに対して、斜め横や真横の位置を
『友好位置』と呼んでいる。恋人同士がカウンターで話をしている姿、
横顔を見たり、視線を外に外したり、話の進み具合に応じて自然に
自由な動きができる。上司との会話には、斜め位置をお勧めしたい。
場所や位置だけをとっても面談の成果が左右されることがある。
242投稿者:『エニアグラム』  投稿日:2004/12/05(日)13:05:19
エニアグラムの起源は、2千年前といわれています。エニアグラムは、
人が持つ「動機」よって9つのタイプに分ける性格類型論です。自分と
向き合い、自分を理解して、はじめて他人を理解することができます。
セミナーでは自分のタイプを知るとともに、タイプ別の特徴を理解します。
特徴を知ることで、他の方が起こす行動の源を理解し、より良い
コミュニケーションを実現するキッカケを提供致します。エニアグラムは、
企業の中で、研修・教育や採用に、コーチングや研修講師に、家庭や
社会などの様々な場面で役に立ちます。講師の言葉を借りると、
【自分の「無意識に表れる言動や動機」を知っていることで、より
ニュートラルでいらることに役立つ】【相手のもつ「価値観」や陥りがちな
「囚われ」を把握しやすい】【個人の特性というより、タイプの特性と
捉えることで、自分と異なる他人を受け入れやすくなる】など、学ぶ
ことのメリットがあります。
243投稿者:1対1の面談  投稿日:2004/12/05(日)23:19:33
 今月も、一対一の面談のヒントをお届けしたい。
部下のテリトリーに出向いて、友好位置に座るところ
まではできたのだが・・それだけでは部下の本当の声を
聞きだすまでは至らない。上司から掛ける言葉によって
せっかくのセットアップも無に帰してしまう。
《なぜ》・・今年の成果を振り返るときに「なぜ」と
質問する上司がいる。「なぜ売り上げ目標の80%しか
届かなかったのか」「なぜ、○○社とのコンペに負けたのか」
一見質問のようだが、失敗を責められているように聞こえる。
質問の形をした詰問になっているところに注目して欲しい。
これでは、部下は前向きな発言をせず、ひたすら言い訳に走る
ことになる。その理由は、自分に向けられた責任を他に転嫁
したい、自分が犯人でないことを証明したいのだ。エネルギーを
言い訳作りに注ぐのを、上司のサポートで取り除いて欲しい。
《なに》・・エネルギーを前向きなものに注ぐためにも「なに」
ということばをお勧めする。「なにがあったら100%が達成
できたと思う」「コンペに勝つにはなにが必要だったのだろうか」
部下はいろいろなアイデアを話し始めるに違いない。部下が本当の
声を話すことから、新しい目標と行動が生まれてくる。「なに」が
使い難い場合「どうしたら」も同じ効果があるのでお試しいただきたい。
244投稿者:「3分間で話を伝えるエキスパートたち」  投稿日:2004/12/20(月)21:47:07
前回、ケベックシティで行われた国際コーチ連盟の大会の様子を
お伝えしましたが、今日はその続報です。1300人のコーチが
世界各国から集まる大会ですから、素晴らしいコーチに数多く
出会うまたとない機会です。私たちはいつも、宿泊するホテルの
部屋にコーチを招待し、ミニ・プログラムをしてもらったり、
情報交換のためのパーティを開催したります。
余談ですが、パーティで日本酒を振舞うと、とても喜ばれます。
さて、今年は、スィートルームを一室押さえました。そして、
日本からテレビクルーよろしくビデオカメラを担いで行きました。
実は、コーチ・トゥエンティワンでは毎年、電話会議システムを使って
海外のコーチによるプログラム「ゲスト・コーチシリーズ」を
行っています。「日本にいながら海外留学」ではないですが、
海外の一流コーチを電話会議に招待して、通訳つきで話を聞くのです。
豊富な経験を聞くのはとても刺激的です。2005年は、この
シリーズを毎月開催する予定で、その講師となる人たちの
「プロモーション・ビデオ」を撮影することを企画しました。
そして、会場で「何時何分に集合」と声をかけました。
この撮影にかかる時間はひとり3分ほどなのですが、向こうの
コーチたちの言葉を簡易にまとめる能力の高さには、脱帽します。
245投稿者:「3分間で話を伝えるエキスパートたち」  投稿日:2004/12/20(月)21:48:31
ぶっつけ本番にもかかわらず、言いたいことをクリアに言い切る。
使う言葉も明快で、コミュニケーションのプロであることを
感じさせます。ほとんど1回でオーケーです。

・専門家をコーチする方法
・コーチの認定を取得するための戦略
・コーチとしての必要なスキル

をはじめ、シリーズとして来年スタートしますので、
楽しみにお待ちください。

さて、実はこの撮影にはあるエピソードがあります。
撮影用の照明を借りたいと、ホテルのコンシェルジュに
依頼しました。そのコンシェルジュは担当者にすぐ電話して
相談してくれたのですが、(フランス語で)何かもぞもぞ話して
いる模様。どうやら「そんなこと聞けないわよ」と言っている
ようです。ちょっと躊躇した後に、彼女は申し訳なさそうにこう
聞いてきました。「その撮影の目的は何ですか?」
後でわかったことですが、どうやら、ポルノグラフィーではない
ことを確認したかったとのこと。それは確かに言いにくいですよね。
246投稿者:「ピアノのコーチ」  投稿日:2004/12/23(木)05:32:37
11月に37歳になりました。誕生日を記念して、何か新しいことを
スタートしたいと思い、ピアノを始めることに決めました。
「コーチ」は弊社に契約社員として勤めているSさんに
お願いすることにしました。Sさんは音大卒で、普段は何人かの
生徒さんにピアノを教えながら、日中は弊社で働いてくれています。
どちらかと言えばもの静かに淡々と仕事をこなすタイプです。
ピアノの「コーチ」としてもきっとどこまでも清楚に可憐に教えて
くれるのだろうと思っていました。ところがレッスンを始めてすぐに
その予想が全く外れたことがわかりました。「コーチ」としての彼女は
どこまでもアクティブで、躍動感があって、そして楽しそうなのです。
教え方もまさに「コーチング」でした。第一回目のセッション。
彼女はまず、全てこちらに選ばせました。「何を弾きたいですか?」
「ねこふんじゃった」みたいな基本曲からやるのかと思っていた私は、
少し驚いて「何でもいいんですか?」「はい!弾きたいものを
おっしゃってください!」結局「冬のソナタ」の挿入曲「My Memory」
を選びました。譜面を見ていると、「どこから弾きたいですか?」
「えっ、最初からじゃないんですか?」「そんなことないですよ。
弾きたいところからやりましょう!」前奏ではなく、いきなり
さびの部分から始めました。まずはちょっと退屈な基礎、それから
応用と思っていたわけですが、いきなりクライマックスがやってきました。
247投稿者:「ピアノのコーチ」  投稿日:2004/12/23(木)05:37:32
もう気分はペ・ヨンジュン。どんどん自分のモチベーションが高まって
いくのがわかります。譜面の読み方などでわからないところがあって
質問すると、本当に楽しそうに、にこにこしながら、「なんでそう
書いてあるんだと思いますか?」決して答えてはくれません。「ん〜。」
答えられないでいると、「じゃあ3択にしますね!」最後の最後まで
こちらに探り当てさせます。それがゲームをしているようでとても楽しい。
答えがあっていたり、ちょっとでも弾けると「素敵!」彼女のほめ言葉の
バリエーションはこれだけです。もう頻繁に「素敵!」本当に楽しそうに
全身を使って「素敵!」照れくさいような、嬉しいような。でも繰り返し
聞いていると、がんばってまたその言葉を聞きたいという気持ちが
自分の中に生まれてくるから不思議です。「これ難しい!」とこちらが
言えば、満面の笑みで間髪入れずに「簡単です!」「時間がかかるね
これ。」といえば「すぐですよ!」ネガティブな発言はことごとく
ポジティブな表現に変換されていきます。セッションが終わったときには、
「今日は楽しかったです!」を本当に楽しそうに連発してくれました。
それを聞くとこちらの楽しさもさらに増幅されます。30分間のピアノの
レッスンは本当にとても楽しいものでした。
248投稿者:「ピアノのコーチ」  投稿日:2004/12/23(木)05:38:08
私の年代の女性は小さい頃にピアノを習っていたという人がとても
多いわけですが、「ピアノ?小さい頃習ったけど辞めたわ。
友達もみんなそうだった。弾けないと怒るのよねピアノの先生。
楽しくないのよ。それでだいたいいやになってやめちゃうのよ。」
Sさんみたいな先生がもっとたくさんいたら、今頃日本には
ピアノの演奏者があふれていたかもしれません。
249投稿者:「信頼はトレーニング」  投稿日:2005/01/07(金)01:20:18
私が学生の頃は、よく忠犬ハチ公の前で人と待ち合わせをしました。
ほかには東京駅の銀の鈴とか、銀座のソニービルの前。待ち合わせと
いうのは今思えば結構ドキドキするものでした。私は時間にうるさい方
でしたから5分ぐらい前に行って待つ方なのですが、待っている間
というのは、いろいろなことを思うものです。時間になっても相手が
来なかったりすると5分ぐらいはいいのですが10分15分となると
いたたまれなくなります。やがて申し訳なさそうな顔をしてやってくる
友達をつい怒ってしまうのは、心配して心が固まったのがとけて甘えたい
ような気持ちだったんでしょうか?最近は待ち合わせに遅れたって大丈夫
です。携帯電話がありますから。「ごめんごめん、あと5分でつくからね」「今どこ?」「渋谷だよ」なんてね。携帯電話ができて、とても便利に
なりました。ほとんどの人が持っていて、今やメールまで使えるように
なりました。でもですね、携帯電話のせいかどうかはわかりませんが、
待ち合わせで相手は本当に来るんだろうかと気をもみながらも「きっと
来るに違いない」という相手を「信じる」気持ちは失われたように思います。
人を信用するのは能力です。相手が信用できる人間かどうかを見分けるのも
能力なら、来ると信じるのも能力なんです。だまされないことは大事ですが
信じるのも大事です。確かに期待を裏切られることが多く、夢も色あせる
毎日です。しかし、人を信じる練習をしなければ、人とチームを組んで
何かを実現するという醍醐味を味わうこともないでしょう。
250投稿者:「気分よく、ご機嫌に、快適に」  投稿日:2005/01/13(木)02:28:28
私の義理の父は、伊豆高原の永住型別荘地に一軒家を構え、夫婦二人で
悠々自適の生活を送っています。官庁勤めだった父は官舎に生活する
傍らで、貸し別荘として伊豆高原に家を建て、綿密な人生設計の基に
定年とともに移り住みました。芝生の庭、柴犬、家庭菜園、遠くに
海を見ることのできるお風呂はもちろん温泉、というすばらしい
セカンドライフをすごしています。父の送る生活は、私にとって、
とても分りやすい理想の老後でした。ところが、定住を始めてしばらく
のうちはよかったのですが、2年経ち、3年経ち・・・と時間の経過
とともに少しずつ気難しい感じが増しているのです。ちょっとした
ことで怒りだしたり、些細なことで不機嫌になってしまう。セカンド
ライフを楽しんでいるようにはあまり見えません。私の自宅の隣には
叔父が住んでいます。叔父と義理の父は二人とも66歳。同じ歳です。
叔父はプラスチックの精密接着という特殊技術を持ついわば職人です。
自宅に小さな工場を持ち、いまだに現役で働いています。収入はそれ程
多いわけではありません。その上、見た目には変化のあまりありそうに
ない精密接着という地味な仕事を中学卒業以来、50年間も続けている
のです。「仕事が好きなわけじゃないけど、お金が無いからやめられない」
「頼まれるからしかたない」と口では愚痴りながらも、にこにこしながら
溌剌と暮らしています。細かい作業やルーティンワークの苦手な私にとって
叔父の仕事やライフスタイルはとうていモデルとはいえません。しかし、
251投稿者:「気分よく、ご機嫌に、快適に」  投稿日:2005/01/13(木)02:28:50
愚痴をいいながらも毎日を楽しそうに生活しているその姿はどこか心
魅かれるものがあるのです。父と叔父との差はいったい何なのだろうか?
気分よく、ご機嫌に、快適に生きるためには何が必要なのか?
これまで私は、義理の父のような生活にずっとあこがれていました。
ところが父の不機嫌さを目の当たりにして、自分にとってはいったい
何が大切なのかを考えさせられる年末年始となったのです。義理の父は
完全にリタイアしています。叔父は細々ながらも仕事を続けている。
どうもこの辺がポイントのような気がしてなりません。私は今年で
47歳になります。あっという間に、自分の老後がちらちらと頭を
かすめるような歳になりました。コーチ・トレーニング・プログラムの
参加者の中には、リタイア後の第二、第三の仕事としてコーチという
仕事を選び、活躍している方が大勢います。これまでのキャリアや
人生経験をそのまま活かすことができる。自分のペースで仕事をする
ことができる。頭が働いて会話ができれば何歳になってもできる。
人に対して貢献できる。というような特徴を持つコーチという仕事は、
リタイア後の仕事としてうってつけです。私には、義理の父のような
綿密な人生設計はありませんし、叔父のような特殊技能を持っている
わけでもありません。しかし、幸いにして私はコーチという仕事を
選んでいます。自分の将来を考えたとき、コーチという仕事にいち早く
出会えたことは、本当に恵まれていることだ思うのです。
252投稿者:「どこにでも飛び込んでくるコーチたち」  投稿日:2005/01/24(月)01:31:50
昨年、ケベックで行われた国際コーチ連盟の大会に来ているコーチたちを
部屋に呼び、プロモーションビデオの撮影をしたことをお伝えしましたが、
いよいよその「ゲストコーチシリーズ」が2月からスタートします。
このプロジェクトを進めるにあたって、パム・リシャードさん(国際
コーチ連盟の2005年度の副代表)が大いに力を貸してくれました。
パムは、アメリカコーチ・ユニバーシティの設立時からのメンバーで
副社長も務めた人です。彼女に「来年ゲストコーチとして、日本の
コーチたちに75分間のオンラインクラスをやってくれる人を
集めてほしい」と伝えたところ、ヒラヒラとドレープのある服を
なびかせながら会場を巡り、(彼女はそういう服が好きなのです)、
次の日には5人集めて、撮影会場に連れてきてくれました。
また、大会が終わった後も声をかけ続けてくれ、8人のコーチによる
プログラムが決定しました。(今後も増える予定です)
彼らと仕事するととても面白いのは、メールの使い方。このような
プロジェクトができると、彼女はお互い知ってる人も知らない人も
かまわず、一緒に同報メールで情報を送ってしまうのです。
253投稿者:「どこにでも飛び込んでくるコーチたち」  投稿日:2005/01/24(月)01:32:14
「日本で、こういう感じのトピックで75分の内容でやりたいのですが、
協力してください。詳しくはKeikoに聞いて!」こういうノリです。
もちろん、パムに対する信頼度が高い、という前提があるのでしょうが、
こちらからアプローチすると、一人一人実に誠実に対応してくれます。
私としては、会ったこともない人たちなのですが、最初から「Hi,Keiko!」
とまるで、古くからの知り合いのよう。クラス運営に必要な資料や写真
などを送ってくれるようにリクエストすると、すばやく送ってくれます。
この経験は、7年前の、コーチ・トゥエンティワンの設立時のことを
思い出させます。ご存知、デービッド・ゴールドスミス氏と弊社の社長の
伊藤守が「コーチングって何?」とメールでやりとりをしたとき、
お互いのことをほとんど知らないにもかかわらず、「日本に来て
コーチングの研修をやってくれないか」とリクエストしたところ、
すぐに「飛行機の切符をとりました」という返事をもらって、仰天
したことを思い出します。使い古されている言葉ですが、「パイオニア
精神」というものを感じます。彼らは、いつでも自分が必要とされれば
飛び込んでいく。それが絶大なる信頼感を得るのだな、ということを
実感します。
254投稿者:「2つの育成手法」  投稿日:2005/01/29(土)01:05:16
育成手法の一つの大別の仕方は、それが「弱み克服型」であるか
「強み伸長型」であるかです。企業の管理職にコーチングの研修を
していると、受ける質問のほとんどは、「うちの部下が○○ができない
んだけれどもどうしたらいいでしょうか?」という類の質問です。
彼、彼女の弱みを克服させたいということですね。
「うちの部下は○○がいいところなんですが、 どうやったら
もっと伸ばしてあげられるでしょう?」という質問を受けることは
滅多にありません。どちらの手法が優れているということでは
ありませんが、日本では、学校でも、職場でも、家庭でも、
弱み克服型のスタンスが取られることが多いようです。
先日、私の知人と話していたときのことです。彼の家では、
アメリカ東部の中学校に息子さんを入れることにし、家族でそこに
移り住むことにしました。どんな学校なのかと聞くと、なんでも
好きなこと得意なことしかやらせない学校だと言います。
カリキュラムも一切なくて、子どもがやりたいと言ったことだけを
支援し、教育する。やりたいことこそがその子の強みであり、
それしかやらせない。それを謳う学校は多いけれど、そこはそれが
徹底しているんだ、と。彼は高揚した面持ちで続けました。
「実は先月、親の面接があってアメリカまで行ったんだけど、聞かれた
質問はひとつだけなんだよ。『息子さんのことを信頼してますか?』
255投稿者:「2つの育成手法」  投稿日:2005/01/29(土)01:05:35
って聞くんだ。『もちろん!』って答えたら、今度は『あなたは完全に
息子さんを信頼していますか?』って聞くわけ。『完全にっていうのは
どういうことだ?』って尋ねたら、こんな話をしてくれたんだ」
・・・・・あるとき、一人の生徒がいた。彼は釣りが好きで、釣り
ばっかりやっていた。入学して1年、毎日釣りをやり続けた。
それでも両親は子どもを信頼しようと、何も言わなかった。
2年目になっても、相変わらず釣りしかしない。さすがに両親も
心配になって、学校の先生に尋ねた。「うちの子は大丈夫でしょうか?」
先生は答えた。「完全に信頼しているって言いましたよね」3年目。
やはり来る日も来る日も釣りは続いた。両親はもう彼の教育については、
半ば諦めていた。4年目に入ったある日、その子は何の前触れもなく
ぱたっと釣りをやめた。そして写真に興味を持ち始めた。学校は彼のために
予算を取って、立派な暗室を校内につくった。さらに、写真を本当に
極めるには数学の知識が必要になるため、学校は彼に数学の個人
チューターをつけた。数年後、彼は大変著名な写真家として、世界を
股に駆けて活動するようになった。・・・・・
この学校は、スポーツ、芸術、ビジネス、医療、各界に著名人を
輩出しているとのことです。一概に全ての場合に、こうした手法が
いいと言えるわけではないと思いますが、弱み克服型の育成スタンス
に慣れた日本人にはなかなか刺激的な話でした。
256投稿者:「銀色のコーチ」  投稿日:2005/02/04(金)06:31:53
カナダのトロントに住んでいる、私のコーチの年齢は73歳。
彼はとてもエネルギッシュで、コーチングに情熱を傾けています。
私とのコーチングセッションで、毎回のように「君と話すのは
とても楽しい」と言ってくれます。彼に一度、コーチとしての
資質についてたずねたことがあります。彼は即座に「経験」と
答えました。彼は最初ボートのローイングのコーチをしていました。
そして、次に企業のマネージャークラスのコーチになりました。
彼は、マネージャークラスへのコーチングと、エグゼクティブへの
コーチングはまるで違うと言います。マネージャーに対しては
コーチが教育する部分が多くある。しかしエグゼクティブになると、
エグゼクティブ自身の話す時間が多くなる。どちらもコーチングでは
ありますがやはりエグゼクティブのコーチをするようになるためには
充分な知識、経験が必要だと言います。彼はすでにビジネスコーチ
として20年近いキャリアをもっています。充分な経験を持ちながら
も、知識欲は旺盛で、私のコーチングについても興味をもって
いろいろ質問をしてきます。また、読書量も豊富で、毎回のように、
私にも本を紹介してくれます。彼から紹介された本を読むのも、
コーチングを受ける楽しみのひとつです。
257投稿者:「銀色のコーチ」  投稿日:2005/02/04(金)06:33:06
さて、私は今、シルバーエイジ(何歳からそう呼ぶのか定かでは
ありません。たぶん50歳以上)の方にコーチングを学んでもらう
プロジェクトに着手しています。これまで蓄積された経験や知識を
整理し、それを後進の成長に役立てる。後進をコーチする能力を
身につけ、若い人たちの成長に役立ちたいと思っている人たちに
向けてのプログラムをつくっている最中です。彼らがもっている
知識や経験が埋もれてしまうのはとても惜しいことです。ともすると
若い人たちはシルバーエイジの方々を敬遠しがちですが、それは、
コミュニケーションの機会がうまくもてないだけなのではない
でしょうか。コーチ・トゥエンティワンのコーチ・トレーニング・
プログラムには、50歳以上の方の参加が毎年増えており、この
機会に、彼らと一緒に、どうしたら後進に対して貢献できるか?
ということについて、研究したいと考えています。また、シルバー
エイジのコーチのネットワークを広げて、それそのものも楽しみたい。
貢献できる場や機会があることは、素敵なことだと思います
258投稿者:「花を咲かせる」  投稿日:2005/02/10(木)03:44:41
私はお酒が大好きで、20才を過ぎて父親と晩酌をするように
なってからこの歳までの20数年間、殆ど毎日お酒を飲んでいます。
10年ほど前から、定期的に人間ドックに行くようになりました。
そのたびにお医者さんから言われることは決まっています。
「太りすぎ、脂肪肝、血圧高め」「体重を落としなさい」
「休肝日をもうけなさい」その場では神妙に、はいはい、
わかりました、とは答えます。内心は今のままではまずいとは
わかっているのですが、かといって実際にダイエットするとか、
禁酒するとかいうように実際の行動に移したことはありませんでした。
昨年末の人間ドックでも血圧が高いことを指摘され、看護師さんから
詳しい説明を受けました。看護師さんは50歳半ばぐらいのきびきび
した女性です。私は机と椅子二つがやっと入るくらいの小さな個室に
通されました。「毎日日本酒を2合、10年間飲み続けると、血圧が
上昇することは医学的に証明されています。もしこのまま飲み続けると
高血圧の治療が必要になるのは確実だし、脳溢血や心筋梗塞などの
リスクも高まります。体重を落として、お酒は減らしましょう。」
ふんふんそうですか、わかってます。私は心の中で思いました。
そのセリフは毎回言われてますから。看護師さんは一息ついて、
それまで下を向いて話していた顔を上げて、今度は私の目を見ながら、
ぐっとこちらに迫ってくくるようなトーンで話しはじめました。
259投稿者:「花を咲かせる」  投稿日:2005/02/10(木)03:45:15
「桜井さん、これからじゃないですか。いままでも十分活躍してきたと
おもうけれど、40歳後半から50代。仕事がおもしろくなって本当に
活躍するのはこれからですよ。やりがいはこれからですよ。いままでは
種まき。やっとこれから桜井さんにとって本当の花が咲いて実になる
んじゃないですか。これからが楽しいんですよ。だから最高の
健康状態をつくって、毎日気分よく働かなきゃ!」今まで、
お医者さんや看護師さんから、このまま行くといかにひどい目に
あうか、という話は嫌というほど聞きましたが、楽しい未来に
ついて言われたのは初めてのことだったと思います。多少お説教
じみて聞こえはしましたが、看護師さんとの短いやりとりの間に、
いきいきと楽しそうに人生を過ごしている自分自身の映像が
目の前にパーッと広がりました。そのビジョンは、私の行動を
確実に変えました。今年に入ってから、体重と血圧のコントロールに
励んでいます。やっていることは、起床時、就寝時に体重と血圧を
計って記録すること。そして、20年以上続けていた晩酌をやめました。
体重は1ヶ月で約4キロ、血圧は5〜10mhg近く下がってきています。
どうも、私にとっての行動の源は、ネガティブな脅迫ではなく、
明るいビジョンの広がりにあるようです。
260投稿者:「ケイコーゥ、プリーズ」  投稿日:2005/02/18(金)12:44:12
昨年から今年にかけて、コーチ・トゥエンティワンのオフィスでよく、
こんな風にスタッフから声かけられます。「平野さーん、”ケイコーゥ、
プリーズ”という電話が来ています。代わっていいですかー」と。
この1年間で顕著な傾向として、外国の人からの問合せが増えたことが
上げられます。先日は、私が理事を務めていた国際コーチ連盟(ICF)の
副理事クリスティーンの紹介で、という男性から電話を受けました。
その人は関西に在住し、コーチとコンサルタントをやっているとのこと。
コーチ・トゥエンティワンとコラボレートして仕事ができないかという
オファーでした。その後、丁寧に英語と日本語で書かれた事業計画書が
送られてきました。次の日は外国に本部がある教育機関の人が尋ねて
きました。コーチングについてのカリキュラムについて相談。
コーチングを学ぶ場を広げたいので、コーチングのパイオニアと組んで
何かできないか模索したいというものでした。また、アメリカ商工会議所
が出している刊行書のライターから、コーチングのトレーニングスクールに
関する取材も受けました。個人からの問合せでも、コンサルタントの
ご主人と一緒に来日した人(本人も元コンサルタント)が、コーチングを
本格的に勉強したい、日本で英語によるコーチングの教育機関はないか、
と訪ねてきました。
261投稿者:「ケイコーゥ、プリーズ」  投稿日:2005/02/18(金)12:44:47
紹介で私のことを聞いてくる人は別として、いったいどこで、
私の名前を知ったのかと聞くと、国際コーチ連盟(ICF)の
コーチ照会サービスを利用しているとのこと。これは、国際コーチ連盟の
メンバーになると登録することができ、私は8年前から利用していますが、
こんなにも多くの人の問合せを受けるのは、最近になってからです。
ICFでは、何年も前から「グローバル化」というキーワードを掲げつつ
もこれまでは、実のところアメリカ国内のコーチたちの集団でした。
しかし最近、本当の意味でのグローバル化が進んでいるのだ
ということを実感します。今年もサンホセで第10回目の国際コーチ連盟
の大会(11/9〜11/12)が行なわれます。どうやら今年は歴史的に最大級の
ものになる予感。2000人集まることが予測されており、今から
盛り上がっています。さて、今朝もまた外国から電話が一本。
それも、朝ミーティングを予定していたイローナからです。「ケイコー、
ごめんなさい。今日の電話ミーティングはキャンセルさせてください。
今カナダは大雪で、サーバが全部ダウンしたの。この電話もかろうじて
つながっているの・・・ブツッ」昨年のトルネードのケース
(2004.10.6配信号)でもそうでしたが、海外がぐっと身近に感じられる
毎日です。
262投稿者:「敗戦の将」  投稿日:2005/02/23(水)20:37:16
企業の営業会議のオブザーブをさせていただくことがあります。
肯定的な雰囲気、活発な議論、迅速な決定、、より生産的な
会議にするためにどんな点が改善できるのかを知るためです。
オブザーブをしていて気がつくのは、明らかに2つのタイプの
営業会議があるということです。ひとつはそこに参加している
メンバーが萎縮し、発言を控え、互いにあまり関心を示さない会議。
もうひとつは、メンバーがリラックスしていて、果敢に意見を言い、
お互いをサポー トしあっている会議。営業会議に関していうと、
中間というのをあまり見たことがありません。どちらかです。
何がこの違いを生み出しているのか。幾つか要因はありますが、
最近ある企業の会議を見ていて、「ああこういうことか」と思った
ことがあります。要するに「盛り上がらない営業会議」というのは
「敗戦の将」を責めているわけです。「大阪は今月なんでこんな
数字だったんだ!」「なんで言われた通りにキャンペーンを実施
できなかったんだ!」参加者の目線は下へ下へと落ちていく。
それに対して「盛り上がる営業会議」では、「敗戦の将」を決して
責めずに、新たな目標設定を、その場で促している。
「3月のキャンペーン、どんな風に成功させようと思っている?」
「いつまでに、どれくらい新人のスキルを伸ばそうと考えている?」
263投稿者:「敗戦の将」  投稿日:2005/02/23(水)20:37:33
これはこれで厳しいアプローチだと思いますが、参加者は決して
下を向きません。「盛り上がる営業会議」をリードしていたある
複写機メーカーの支社長に、いつもこんな風に会議を運営している
のかと聞きました。支社長曰く「過去は変えられませんけど、
未来は変えられますから。だから部下に聞くのは徹底してこれから
どうするのかということだけです。過去は数字を見ればわかるわけ
ですし。」「仮に誰かをつるしあげたとしますよね。その人間は
必ず営業所に帰って自分の部下をつるし上げます。つるし上げの
連鎖が起こるわけです。そうすればあっという間に支社の雰囲気は
悪くなります。」この支社は現在全国9支社の中で、断トツで
トップの成績を上げています。塩野七生さんの「ローマ人の物語」
(新潮文庫)によると、ローマ帝国が比類なき大帝国を築き上げ
られたひとつの理由は、戦いに敗れた指揮官を決して責めなかった
ことにあるようです。責めれば軍が萎縮する。萎縮は自由な発想と
勇気を戦士たちから奪う。あなたの会社では「敗戦の将」を
どのように扱っているでしょうか?
264投稿者:「マッチさせる。そして似合う」  投稿日:2005/03/03(木)13:04:41
ご存知のようにアメリカの経営者は業種をまたいで就任します。
昨日まで、清涼飲料水の社長だった人が、次の日には
コンピューター会社の社長になる。コンサルタントが、
家電メーカーの社長になる。こうしてみると、社長には
社長として求められるコンピタンシーのあることがわかります。
在籍する会社における経験や業績によって決定されるわけではなく
社長としての能力で、評価され、判断されます。それは、
マネージャーも同じです。経験、業績と、マネジメントの
能力はまた別のものです。コーチの仕事の一つは、
社長やマネージャーのコンピタンシーを明らかにし、
その役割にいち早くマッチさせることにあります。
また、個々の特性を明確にし、役割を身につけるプロセスを
見つける、つまり、オーダーメードで役割を身につけられる
ようにします。たとえ、そこにコンピタンシーリストがあっても、
生身の人間が袖を通し、フィットさせることができなければ意味が
ありません。最終的には、オーダーメードの役割を着て、それが
似合う必要があります。
265投稿者:「マッチさせる。そして似合う」  投稿日:2005/03/03(木)13:05:33
コーチングは、クライアントと共にリストを作り、それを身に
つけたときの状態をビジュアライズし、それによってもたらされる
もの、失うかもしれないものを予測します。また、身につけた後、
その機能性について、振り返る時間ももちます。最終的に、役割を
装着自由な状態にして、コーチングセッションは終わります。通常、
ひとつの役割、たとえばマネージャーの役割をこなせるようになるのに
1年半以上かかると報告されています。(ハーバード大学における調査)
それを短縮させること。また、役割をより自由にこなすことが
できるようにすること。これらはコーチングのテーマとして、
しばしば扱われるものです。
266投稿者:「コーチング・アップ」  投稿日:2005/03/14(月)05:02:58
10年近く前のことです。私は今とは別の会社で横浜支社長という
立場で働いていました。あるとき、東京の本社から25歳の女性
スタッフが転勤してきました。彼女は明るく前向きでとても優秀、
一緒に仕事をするのが楽しみになるようなすばらしいスタッフでした。
私は彼女を多くのプロジェクトに参加させました。彼女もその期待に
応えてのびのびと仕事をこなしているように見えました。一緒に
働くようになって3ヶ月程経ったころ、夕方のオフィスで、彼女から
唐突に声をかけられました。
「桜井さん、話したいことがあるんですが、ちょっといいですか?」
二人きりで話すために、オフィスからエレベーターホールに出ました。
立ったままで向かい合うと、彼女はぽつぽつと話し始めました。
「桜井さんは、最初は一緒に盛り上げてくれるけど、あとは
ほったらかしで冷たい。最後は全部私に押し付けて、ずるいです。」
私にとっては、うまくいっていると思っていた部下から
思いもかけぬ話をされて、その瞬間はショックで何を言われている
のかよくわかりませんでした。しかし、それがきっかけとなって、
私と彼女とのコミュニケーションの量は飛躍的に増えていきました。
私たちは、お互いが理解するまでとことん話すようになり、
それとともに彼女はより多くの仕事をこなすようになっていったのです。
267投稿者:「コーチング・アップ」  投稿日:2005/03/14(月)05:03:55
彼女は、自ら私に働きかけることで、自分の働きやすい環境を
作り出したのです。後日、部下から上司に対するこのような働きかけを
コーチング・アップと呼ぶことを知りました。キャリア・アップして
いく人は、少なからずコーチング・アップを行っているものです。
能力の高い人は、仕事ができるだけではなく、コーチングアップも
うまいのだと思うのです。つい先日のことです。部下の一人から、
メールが来ました。メールのタイトルは、「今思っていること」
なんだろうと思って、少しどきどきしながら、メールを開きました。
そのメールには、私の仕事の指示の仕方などについての
フィードバックとリクエストが書かれていました。メールの最後は
次のような言葉で締めくくられていました。「私は、桜井さんに
適当にぞんざいに扱われている感じがします。」ガーン!
268投稿者:「コーチング・アップ」  投稿日:2005/03/14(月)05:04:20
10年前以上のショックです。部下の顔が思い浮かびました。
どんな気持ちでこのメールを書いたのだろうか?毎日どんな
気持ちで仕事をしているのだろうか?自分にとっては、
最も良い関係で働いていると思っている部下だったのですが、
あらためて、これまでのコミュニケーションについて
見なおすことになりました。頭の中で考えがぐるぐると回り、
その夜はあまり眠れませんでした。翌朝にかけて、私は二つの
ことを決めていました。まずは、時間を取ってこの部下と
とことん話すこと。部下が気持ちよく、より高い生産性を
あげられるような状態を作り出そうと思いました。そして、
自分のトレーニングのために「マネジメント・プログラム」の
コーチを受けること。私は、昔も今も、コーチング・アップの
うまい部下に囲まれているようです。
269投稿者:「リタイアメント・コーチ」  投稿日:2005/03/17(木)11:35:36
毎年、コーチングの仕事で来日する旧友コーチの家を訪問するため、
今サンタフェに来ているのですが、アメリカに来る飛行機の機内誌に
コーチについての興味深い記事が載っていたので
今回はそれを紹介します。

アメリカでは、「リタイアメント(退職)」というものは、
日本における定年退職とはまた一味違った「お祝い」「新しい
人生の出発点」として、特別な意味合いを持っています。
特に裕福な層にとっては夫婦で旅行三昧、ヨットで世界一周など
まさにこれからがハッピーな人生の始まりというニュアンスで
語られることも多いのです。しかし、バリバリのビジネスピープル
にとって、仕事を離れるのは、今までの地位、仕事、同僚、友達、
アイデンティティ、日常的な慣習のすべてを後に残し、新たな出発を
するということ。リタイアメント後、ぽっかり空いた穴を埋めるのは、
そう簡単なことではないようです。そこで、今「リタイアメント・
コーチ」の存在が注目されています。リタイアメント・コーチは別名
「アダルト・メンター」と呼ばれ、これからの人生を再デザインする
メンターとして捉えられているようです。
270投稿者:「リタイアメント・コーチ」  投稿日:2005/03/17(木)11:36:18
記事の中には、自分が経営
していたIT企業を大手に売り、バラ色のリタイアメントを送る
つもりが、四苦八苦・・・というケースで次のようなコメントが
紹介されていました。「コーチは、様々な課題を提供してくれる
ことで私がもともと持っていた情熱を再認識し、人生を再プラン
する際の大きな手助けになった。コーチはボランティア活動、家族
との新たなかかわり、趣味など私のゴールを明確にし、それに沿った
活動をデザインさせたのです。また、ビジネスの経験を活かし、
かつての同僚のメンターとしての仕事も始めることもできました。
自分ひとりでも同じことはできたと思いますが、おそらく3年
かかったと思います。コーチのおかげで半年でこれを実現する
ことができました。」

現在、日本でも退職後に仕事や人生の先輩として、「コーチ」
として活躍している人は増えていますが退職後の人をコーチする
というマーケットも、今後日本で大きく発展するだろうということを
期待させられる記事でした。リタイアメントコーチ・・・まさに、
人生再出発のスピードアップに大きな役割を果たすだろうと思います。
271投稿者:「一部上場企業社長の不満」  投稿日:2005/03/23(水)21:04:16
ある一部上場企業の社長のコーチングを始めました。一部上場企業の
社長のコーチングをするのは私にとって初めての経験です。いつもと
違った気負いを自分に感じながら最初のセッションに臨みました。
社長は話し始めました。「とにかくさ、うちの社員は人に感謝しよう
という気持ちが足りないんだよ!管理職も部下を育成しようと
気概に欠けるし!」50半ばのその社長は、社員に対する不満を
突然ぶちまけ始めました。正直に言って、これには面食らいました。
一流私立大学卒の一部上場企業の社長。知的な雰囲気を漂わせる
その面持ち。タイムマネジメント、ビジョンの構築といった
「前向きなテーマ」がまず口をつくのだろうと予想していたからです。
しばらく社長の話を聞いた後、切りかえしました。「でも、会社で
起こることの全ての責任は、なんだかんだいって社長にありますよね。
もし、あえて、全ては自分が引き起こした、という立場に立てば
どんな風に考えられますか?」一般的にインテリの社長はこの類の
質問を受けると、ふと我に返り冷静に状況を分析し始める、、、
はずでした。ところが、「俺のせいじゃなでしょ!だめなやつは
だめなんだよ!やるだけやってだめならいい人間を他から連れてくる。
それだけだよ!違う?」こちらも思わず反応してしまいました。
272投稿者:「一部上場企業社長の不満」  投稿日:2005/03/23(水)21:06:24
「よく、そんなことで上場企業の社長やってられますね!」それからの
30分は、なんとか「自責」にしようとする私と、「他責」に逃れようと
する社長との押し問答でした。出口が見つからないまま、後味の悪さを
残して、そのセッションは終わりました。セッション後、コーチング
導入の窓口をしてくださった執行役員に電話をかけました。そして、
社長がどんなバックグラウンドを経て、今日に至ったのかを聞きました。
社長の直属の部下だったこともある執行役員は昔を懐かしむかのように
話してくれました。かつて社内の不正が公けのものとなったときに、
社長は当時部長でありながら自ら矢面にたって、事件の解決に
あたったこと。社内のどろどろとした派閥争いを、一役員として
大変な想いをして収めたこと。会社が買収されそうになったときに、
一人で奔走し、何とか防波堤でその動きを食い止めたこと。
孤軍奮闘する社長の姿がありありと目の前に浮かびました。
2回目のセッション。全て聞く。何をどう社長が言っても、全て聞く。
社長のこれまでの「戦い」に敬意を表して全て聞く。
そう決めてセッションに臨みました。社長は1回目と同じように、
社員に対する不満を話し始めました。10分、20分、30分、
予定の終了時刻を過ぎても、全く意に介さないといった風に、
社長は話し続けました。40分、50分、、私の方が、セッションを
終えないと、次のアポイントに間に合わないという時間になりました。
273投稿者:「一部上場企業社長の不満」  投稿日:2005/03/23(水)21:06:57
しかしここは止めるわけにはいきません。許可をいただき一瞬退出し、
次のアポイントをキャンセルしました。結局2時間、社長は社員に
対する不平不満をぶちまけ続けました。そして、最後の最後に一言
こういいました。少し照れたような表情で。「やっぱり、悪いのは俺かな。」
それから、この社長とは10回以上のセッションを行っていますが、
ただの一度も社員の悪口を言っているのを聞いたことがありません。
一部上場企業のトップは、常に批判の矢面に立っています。先ごろの
退任された某電器メーカーの会長をはじめ。とことん彼らの側の
言い分を聞いてくれる人がそばにいたら、ひょっとしたら日経平均
株価はあと100円ぐらいは上がるのかもしれません。
274投稿者:「レッテルをはがす」  投稿日:2005/03/31(木)16:41:17
以前、ここで、ハーレン・アンダーソン(ナラティブセラピー
の第一人者)について紹介したことがあります。
彼女の口癖は「あなたってどんな人?」誰にでもこれを聞きます。
また、同じ人に何度でも聞きます。「あなたってどんな人?」
そう聞かれると、とりあえず通り一遍の答えをします。しかし、
また聞かれると用意がないのでちょっと苦しい感じがあります。
それでも、また次の日に「あなたってどんな人?」そう聞かれると、
自分がどんな人間なのか、思いをめぐらせてみたい気持ちになります。
また、「あなたってどんな人?」そう聞かれるたびに、自分に対する
興味を向けられている、関心をもってもらっていることが、嬉しく
思えるようになります。もうすぐ4月。新学期が始まります。
新入生、そして、クラス替え。クラス替えがあると、クラスの
新しい仲間はどんな人たちなのか、最初はみんな、様子見をします。
やがて、すこしずつ言葉を交わすようになり、やがてお互いが
どんなタイプの人間なのかを学習します。この友だちは「こういう人」
あの友だちは「こういう人」いくつかのレッテルを貼って、次からは
それを基に対応するようになります。そして、そのレッテルを基に、
お互いの距離を測るようになります。会社においても同じです。
275投稿者:「レッテルをはがす」  投稿日:2005/03/31(木)16:41:47
仕事ができる、できない。気が利く、利かない。お互いに、
さまざまなレッテルを貼ります。上司も部下に、部下も上司に
レッテルを貼ります。不思議な話ですが、一度レッテルを貼って
しまうと、事実よりもレッテルの方が、価値ある情報になって
しまいます。また、私たちは時間が経っても、同じレッテルを
貼り続けるものです。レッテルを貼るということは、その人に
ついて「わかっている」ことを意味します。つまり、一度
レッテルを貼ってしまえば、それ以上知る理由がないのです。
ですから、すでに知っている範囲で対応するでしょうし、すでに
「わかっている」のですから、改めてコミュニケーションを交わし、
自分の部下がどんな人なのかを知る必要がありません。それは、
人に対する興味を失わせ、相手の知るための努力やコミュニケーションを
低下させることになります。確かに頭では、部下についてすべて知って
いるわけではないと理解しながらも、人に対する興味は失せていく
のです。エグゼクティブやマネージャーとのコーチングセッションで、
部下について何を知っているか質問をすることがよくあります。
276投稿者:「レッテルをはがす」  投稿日:2005/03/31(木)16:43:39
また、次のような宿題を出すこともあります。部下の、

・強みはなんですか
・どんな価値観を持っていますか
・コミュニケーション能力はどうですか
・健康状態はどうですか
・睡眠は足りていますか
・今どんな気がかりをもっていますか
・どんなビジョンをもっていますか
・どんなときに嬉しいと感じるのでしょうか
・会社では発揮する機会はないが、
 他で発揮している能力はありませんか
etc
これらの質問に答えていく過程で、彼らは部下とコミュニケーション
を交わし、部下について具体的に知る機会を得ます。
277投稿者:「レッテルをはがす」  投稿日:2005/03/31(木)16:43:53
レッテルではなく、生身の部下は、どのようなことを考え、感じ、
行動しているのかを知り、人に対する興味を喚起するのです。
コミュニケーションとは、その場、その場で創り上げるものですが、
同時に、コミュニケーションは、それを交わす以前に、どのような
質問を自分の内側に持つかによって決定されるものでもあります。
頭の中にデータベースをもち、そこに新鮮な部下のデータを入れる。
そして、入れ替える。この作業が、人に対する興味、そして、
コミュニケーションの原動力となります。最初は、何を
知っていていて、何を知らないのかも知らないわけです。
職場だけではなく、家族や友人関係でも同じです。ぜひあなたも、
まわりの人について上に書いた質問に答えることから始めてみてください。
278投稿者:「今日一日が楽しみだ!」  投稿日:2005/04/12(火)13:51:50
「今日一日が楽しみだ!」毎朝そう感じられるような人生を
送りたいと思っています。確かに子どもの頃はやりたいことが
たくさんあって、毎日わくわく過ごしていたように思います。
ところが、いつ頃からか、その感覚はどんどん薄れていった感じがする。
今や、一日が楽しみに思えるのは、ゴルフに行くときだけ。
ところが行ってみたら行ってみたで、ラウンドしながらも
たくさんのやらなければいけないことが頭をかすめてしまうわけで、
人生のご機嫌度がどんどん低下しているよう感じてなりません。
先日、このコラムを一緒に書いている鈴木義幸さんと久しぶりに
話す機会がありました。「調子はどう?」「最高!」私たちの
会話はいつもこんなふうに始まります。「桜井さんの調子はどう?」
「最低!」「どうしたの?」「いやー。将来のビジョンがはっきり
もてないんだよね。鈴木さん、クイックコーチしてくれない?!」
「OK! じゃあね、桜井さん、とってもコーチっぽい質問しても
いいですか?」「もちろん!」「一切制限がないとして、桜井さんが
今もっているリソースを自由につかえるとしたら、何をしたいですか?
どんなことしたいですか?」その質問から始まったコーチングは
時間にすればたったの5分でしたが、私の霧を吹き飛ばすには十分でした。
279投稿者:「今日一日が楽しみだ!」  投稿日:2005/04/12(火)13:52:34
考えてみれば、コーチ・トゥエンティワンを立ち上げた当初は、
やりたいことがたくさんありました。当時は、日本にコーチングという
概念そのものがありませんでしたから、私たちの最初のミッションは、
コーチングそのものを多くの人に知ってもらうことでした。
「コーチ・トゥエンティワンの桜井です。コーチングについてご紹介
させてください」「コーチの桜井さんですね。それでは○日の○時に
お待ちしています」実際に会ってみると、担当者が「高知の桜井さん」
というメモを持っていたこともありましたし、バッグメーカーの
COACHに間違えられることもしょっちゅうでした。しかし、
そのたびに思うのです。次はこうしてみよう、ああしてみよう。
こんな人に会ってみたい。毎日がチャレンジの連続でした。
それから7年。現在、コーチ・トレーニング・プログラムの参加者は
4000人に近づいています。日産自動車や警視庁などの多くの企業、
公官庁がコーチングを取り入れています。コーチングは明らかに次の
段階に進もうとしています。ところが、この1、2年の私自身に
ついて振り返ってみると、一言でいえば守りに入っていたように
思います。つまり、「やりたいこと」ではなくたくさんの
「やらなければならないこと」に埋もれてしまっていたわけで、
ご機嫌なはずがありません。もう一度原点に立ち返って、日本に
コーチングを広めたい。マネージャーや経営者はもちろんのこと、
もっと多くの人にコーチングを知って欲しい。私には中学2年生と
小学校2年生の二人の娘がいますが、娘の担任の先生はコーチングを
知っていて欲しい。私が通っている、かかりつけのお医者さんにも
コーチングを知って欲しい。まだまだこれからです。マネジメント
だけではなく、教育にも、医療にもコーチングを広めたい。
コーチングとは相手の目標を達成させる、つまり相手をうまくいかせる
コミュニケーションのあり方です。どうも最近、自分さえよければよい
という風潮が日本社会の首を絞めているような気がしてなりません。
相手をうまくいかせるという考え方がベースにあるコーチングは
日本を変える可能性を持っていると思うのです。コーチングで日本を
変えたい。さて、今日は誰に話しに行こうかな。
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