コーチングの勉強
1投稿者:まりや  投稿日:2003/03/09(日)23:09:31
コーチへの道
388投稿者:『ドッジボールvsキャッチボール』  投稿日:2006/06/16(金)01:09:18
私は高校時代、ラグビーをやっていました。ほぼ30年前
のことです。毎日毎日、10人以上のOBが指導に訪れ、
練習は本当に厳しかった。3年生になり、受験のために引退
という最後の練習のときに、初めてOBから、「ナイスダッシュ!」
と誉められて、それがうれしくて涙ぐむ。というような、典型的な
体育会でした。たたき上げる。しごく。どうも私たちの世代は、
そのように育てられたのではないかと思います。だから、この年
になって、部下を育てる側にまわっても自分たちがされたやり方で、
指導する傾向があるように思います。わかっていても、それは
なかなか変えられない。3年前、ある食品メーカーの事業部長が、
コーチング研修に参加しました。コミュニケーションをキャッチ
ボールに例えたデモンストレーションを行ったときのことです。
「桜井さん、僕は部下とキャッチボールはしていないな」
「キャッチボールをしていない?」「うん。していない。毎日が
ドッジボールだよ!」部下をもつようになって20年。
部下めがけて剛速球を一方的に投げまくっている。
部下を育てることに関しては、本当に一生懸命やってきた。
389投稿者:『ドッジボールvsキャッチボール』  投稿日:2006/06/16(金)01:17:15
部下をたたき上げるという信念で、心を鬼にして厳しいボールを
投げてきた。そのやり方で、何人も優秀な部下を育てた自負もある。
と言うのです。そして、「でもね、桜井さん。相手によっては、
強いボールが受け取れず、結果的に自分から離れていった奴も
いるんだよ。これからは、一方的にガンガン部下に言うだけでなく、
部下の話も聞いてみたい、部下とキャッチボールもしてみたいって
思ってるんだよ」彼は、コーチ・トレーニング・プログラム
(CTP)に参加することを決めました。多忙なスケジュールを調整し、
週に2回の電話会議によるトレーニングを開始したのです。
彼は、毎週のトレーニングごとに楽しそうに言っていました。
「コーチの勉強はおもしろいね。すぐに全部はできないけど、
部下とのキャッチボールだけは毎日自分に言い聞かせて、実践する
ようにしてるよ」3ヶ月ほどして、彼から相談を受けました。
390投稿者:『ドッジボールvsキャッチボール』  投稿日:2006/06/16(金)01:17:43
「桜井さん、このところ、部下の間で噂になってるんだ」
「どんな噂ですか?」「最近、部長のようすが変だ。気持ちが悪い
って言うんだよ。どうしたらいいんだろう?」「原因は何だと
思いますか?」「なにしろ部下の話を聞くようにしてるからじゃ
ないかな?」「それはすごい。自分のコミュニケーションを
変えるのはとても勇気がいること。気持ちが悪いと言われるなんて、
それは尊敬に値します。僕も見習いたい。それで、部下の動きに
変化はありますか?」「以前は、月次のレポートを出すように口を
すっぱくして言ってもなかなか出揃わなかったものが、先月は何も
言わなかったのに期日どおりに全部揃った。部下からの提案も
増えている。以前より部下の動きは確実によくなっていると思う。
今は、気持ちが悪いと言っているけど、そのうち慣れるのかな」
彼は現在、CTPのプログラムをすべて終了し、認定コーチの資格を
とって、社内コーチとして活躍しています。自分の
コミュニケーションを変えるためには、継続したトレーニングに
参加すること。そして、少しだけ「勇気」が必要なのだと思います。
391投稿者:『新しい壁』  投稿日:2006/07/04(火)04:28:18
先日、家の近所にある「打ちっぱなし」で、レッスンプロから
こんな話を聞きました。「最近の若いプロゴルファーはみんな
コーチをつけてますよ。でもね、ある程度できるようになると、
自分一人でやろうとする人が多いんだな。もう大丈夫って感じで。
ところが、ゴルフって上達すればしたで、必ず新しい壁がそこに
立ち現れる。そうなったときに、いち早く、改めてコーチの門を
叩けば、短い時間でその壁を乗り越えられるんだけどね。
一度できるようになった選手はなかなかそうしない。
もったいないよね。だけど“本当に”優秀な選手はそこで
コーチを求めるんだな。」この話を聞くと、やはり、
タイガー・ウッズは“本当に”優秀な選手なんだなと思います。
 タイガーはもともと、ブッチー・ハーモンというコーチに
ついていました。しかし強くなり連戦連勝するようになって、
彼は、ブッチーと歩むことを一旦は止めました。しかし、
その後、試合にまったく勝てなくなった時期があり、タイガーは
そこで再びブッチーの門を叩きます。それが再び、彼に
勝利をもたらす大きな足がかりになったと言われています。
企業のエグゼクティブも同じで、役職が上がれば、常に
新しい壁が立ち現れます。部長から執行役員になれば、
当然、これまでとは違う壁を乗り越える必要があります。
392投稿者:『新しい壁』  投稿日:2006/07/04(火)04:29:04
部長の延長線で執行役員をやることは難しい。常務、専務、
副社長、社長。一つポジションが上がれば当然違う課題が
目の前に現れます。本当はそこで、タイガーのように
誰かのサポートを経て、変化を遂げることを目指せば
いいのですが、なかなかそうはいきません。なぜなら、
エグゼクティブというのは基本的に、自分は「成功者」だと
思っているからです。「成功者」は一般的に、おいそれとは
自分の行動を変容させません。今日の自分に導いてくれたやり方が、
明日の自分を保障するはずだと思うからです。その一方で、
米長さんという棋士は、自分の成功体験を脇に置き、行動を
変化させた人として有名です。彼は6回名人戦に挑戦し、
一度も勝つことができなかった。次に負けたらもう名人に
なれないだろうと言われはじめたときに、米長さんは、
自分のそれまでの戦法を一旦全て投げ打ち、若手に弟子入りして、
最先端の将棋戦法を4年かけて学びなおしました。そして、
50歳の時にはじめて名人位を獲得するに至るのです。
(『決断力』羽生善治著より)成功体験をもっている人は、
ややもすると、新しいことにチャレンジして、失敗して
アイデンティティを失うくらいなら、同じやリ方で失敗して、
周囲のせいにした方がいいとさえ思います。
393投稿者:『新しい壁』  投稿日:2006/07/04(火)04:29:23
アイデンティティの喪失というリスクを乗り越えて、
新しい壁超えを目指すには、どうもコーチのような、異なる
視点を投げかけてくれて、励まし、共に歩んでくれる人が
側にいた方が早いようです。先日、コーチングをしている
ある企業の副社長が社長になりました。彼いわく、
「社長になったら、見る世界がまったく変わったよ。十分
力を身につけてきたと思ったけど、想像するのと、実際に
なってみるのとでは、雲泥の差だね。もうしばらく鈴木さんの
サポートが必要だな。」新しい壁を一緒に乗り越えるというのは
なかなかやりがいのある仕事です。
394投稿者:『聞く能力』  投稿日:2006/07/05(水)23:52:11
先週末は、ハーレーン・アンダーソン
(『会話、言語、そして可能性』の著者)のコーチング
を受けました。いつも新鮮なのは、彼女の聞く姿勢です。
私に興味をもち、私を理解し、私を学ぼうとするあり方が
伝わってきます。質問の数はあまり多くありません。
しかし、いくつかの質問は、私の視野を変え、深く考える
機会を与えてくれました。その中のひとつに、
「あなたは、自分の部下が、部下自身の創造性やリソースに
アクセスできるようにするために、何をしていますか?」
というものがありました。結論から言えば、計画的に
やっていることは何もなく、部下が自分の創造性とアクセス
できるようになるために、自分は何ができるんだろうと、
考え込んでしまいました。普段私たちは「知らないことを、
知らない」わけですから、知らないことを知りようも
ないところにいます。よく言われる「わかったつもり」
になっています。しかし、自分は知らないという事実に
遭遇すると、初めて、知ろうとする姿勢、聞いてみよう
という姿勢がうまれるように思います。ハーレーンの質問に
その場では答えられなかったのですが、その後、
スタッフに聞きました。
395投稿者:『聞く能力』  投稿日:2006/07/05(水)23:53:30
「君はどんなときに創造的だと思う?」「どんな条件が揃うと、
創造的になれる?」一つひとつの答えは新鮮で、そして何よりも、
その人への興味が喚起されることに驚きました。人はとりあえず、
自分のわかっている範囲で判断し行動します。しかし、
ときどき自分がわかったつもりになっていることを見直す機会
がないと、現実に不適応を起こしてしまいます。
その最初の兆候は、話を聞いていて「つまらない」と
思うこと、興味がもてないこと。そして、その原因は
相手の話がつまらないからだと決めつけてしまうこと。
そういう一面も確かにあります。しかし、見方、聞き方が
パターン化している自分を意識する機会がないのは、
残念なことだと思います。「わかったつもり」に
なっていましたが、聞き方についてはもう一度、
練習しようと思いました。
396投稿者:『聞く能力』  投稿日:2006/07/05(水)23:54:47
 1.待つこと
 自分の話をするために、部下の話が終わるのを待つのではなく、
 部下が十分に考えて、そして話せるように、待つ。

 2.自分の話はしない
 部下の関心を自分にむけさせない。
 私たちは、自分について話すとき、そのほとんどは、自慢話です。
 部下について知ることが目的であることを、忘れない。

 3.否定的な反応をしない
  聞くのには忍耐がいります。
 「でも」「だけど」「そうはいうけれど」「そうかなー」
 「しかし」、これを使われると、話すのがいやになります。

このところ、わかった気になって、たかをくくって、
痛い目を見ました。わかっていることは確かに大切なこと
ですが、同時に、わかったような気になっていると、
老化が進むと思いました。
397投稿者:『もしも社内にコーチがいたら』  投稿日:2006/07/13(木)22:53:14
もし、あなたの会社に社内コーチがいたらどのような
ビジネスインパクトを生み出すと思いますか?社内コーチとは、
社内にいて必要に応じていつでもコーチングを行う人です。
たとえば、
・営業に出る前に、どのように話すか、何がポイントなのかを
    はっきりさせる
・目標面談を行う前に、話のポイントは何か、部下のタイプは何か、
    落としどころは何かについてはっきりさせる
・たくさん抱えてしまった仕事を整理する
 などなど、、、

実際に、社内コーチの存在は、風土改革はもとより、売上げの向上、
利益率アップ、離職率の低下など、さまざまなビジネス
インパクトを生み出しています。都内で整体マッサージを
チェーン展開している企業が社内コーチを取り入れました。
その店長・Aさんの事例をご紹介します。
398投稿者:『もしも社内にコーチがいたら』  投稿日:2006/07/13(木)22:56:44
Aさんは、10名の部下をもつプレイングマネジャー。
もちろん、個人の売上げはダントツ。その実績をかわれて
店長に抜擢され、約1年が経ちました。
Aさんはこの4月から、店舗の売上げを上げることをテーマに
社内コーチを受けています。
社内コーチ:「お店の売上げを上げるためには
        何が必要だと思いますか?」
Aさん    :「スタッフが、私と同じかそれ以上の
        売上げを上げることですね」
社内コーチ:「それを実現させていくポイントは何ですか?」
Aさん    :「スタッフにもっと自発的に動いてほしいんですよ。
         それがポイントだと思います」
社内コーチ:「なるほど、なぜ自発的に動いてくれないんだろう?」
Aさん    :「若い子たちは、やり方がわからないのかも
        知れません。やる気はあるんです。
        少し教えてあげると、ぜんぜん違いますから」
社内コーチ:「ということは、Aさんがもう少し指導する時間を
          増やせばいいということですか?」
399投稿者:『もしも社内にコーチがいたら』  投稿日:2006/07/13(木)22:56:59
Aさん    :「そういうことになりますね。今話していて、
          自分はお客さんを減らして、若い子を指導する
         時間を増やした方がいいのかなと思いました。
        もっともっと自分の売上げを伸ばさなければいけないと
        思っていたんですが、それよりも若い子を伸ばした方が
       いいに決まってますよね」
社内コーチ:「そのために、Aさんに具体的にできることは何ですか?」
Aさん    :「自分の指名はこれ以上増やさず部下を
         指導する時間を増やすことにします。
       それから、気になっている新人がいるので、
       今日のお昼に誘って話してみます」

Aさんは、1週間に2〜3回、朝5分間の社内コーチを
受け続けています。2ヵ月後、2人のスタッフがAさんの
売上げを上回りました。
お店全体の売上げも約20%アップしています。
もし、あなたの会社に社内コーチがいたら、どのような
ビジネスインパクトをもたらすでしょうか?
400投稿者: 投稿日:
401投稿者:『指揮者、リーダーシップ、そしてコーチ』  投稿日:2006/08/03(木)11:22:53
7月30日に、ベンジャミン・ザンダー氏を招いての講演を
開催しました。ボストン・フィルハーモニーの指揮者である
ザンダー氏は、近年、リーダーシップについての講演をしています。
彼がリーダーシップについての講演を始めたのは、数百人の経営者に
対する講演を依頼されたことがきっかけでした。そのとき、彼は、
自分は音楽が専門でビジネスとは無縁だから、話すことがないと
一度は断ったのですが、「どうしても」ということで、結局その
講演を引き受けました。ところが、彼の講演は思いのほか
好評でした。彼は、何人もの経営者に、自分の会社に来て
講演してほしいという依頼を受けたのです。それ以来、彼は、
指揮者として、リーダーシップの講演者として、そして、
コーチとして活躍するようになりました。
マッキンゼー、フェデックスなど、いろいろな企業で
講演をしています。彼は67歳で、とても快活です。
3時間半の講演の間、スキップをし、声高らかに歌い、
ピアノを弾き、カルテットをコーチします。彼は講演のなかで、
音楽をふんだんに使います。それは、彼の言葉を裏づけて
いきます。ステージの上で演奏するカルテットをコーチし、
その場で、音と表現を変えていきます。それは、単に音楽の
コーチとしてトレーニングしているのではなく、カルテットの
メンバー一人ひとりを、「可能性」のステージへと導く。
402投稿者:『指揮者、リーダーシップ、そしてコーチ』  投稿日:2006/08/03(木)11:23:36
つまり「正しく演奏しよう」、「間違わないように」、
「誰かよりもうまく」、「悪い評価を受けないように」
といった、不自由な世界からシフトして、「可能性」の
世界へと連れて行くのです。一方が、「have to」「need」
「must」だとすると、もう一方は、「want to 〜してみたい」、
または、「他にできること」というスタンスです。
彼は、カルテットをその世界に移動させていきます。
彼はそのことを、「可能性への物語を創る」、その入り口まで
運ぶこと、といいます。そのためには、単に頭で理解するだけ
では充分ではありません。彼は、からだの動き、表情、全部に
働きかけます。それは、人のあり方そのものに働きかける、
コーチ本来のあり方なのでしょう。今回のイベントには
1300人の方々が参加しました。そのうち500人は、
コーチ、または、コーチングを学んでいる人たちでした。
コーチングについては、いろいろな説が出てきています。
私は2年前に、彼の講演をきいたとき、ぜひ日本で、彼に
直接コーチに話してもらいたいと思いました。
403投稿者:『指揮者、リーダーシップ、そしてコーチ』  投稿日:2006/08/03(木)11:24:05
なぜ今コーチングなのか?コーチングとは何か?そして、
コーチとは?コーチそのものの彼に、
話してもらいたいと思いました。そのメッセージは充分に
伝わったように思います。音楽を通して、コーチングが
実証されていくプロセスは、圧巻です。ところで今回、
彼と対談の機会をもちました。その中での彼との会話で
印象に残ったことがあります。私が「時差ぼけはありませんか?」
と聞いたところ、彼は、自分に時差ぼけはないと言い切ります。
そこで、「今日は何時に起きましたか?」と聞くと、「午前2時」
と答えます。「それは立派な時差ぼけじゃないですか」
「どうしてだ。その時間に目が覚めて、そこから仕事をしたり、
音楽を聴いたり、とても素敵な時間を過ごした。
どこが時差ぼけなんだ」「だって、普通は午前2時には
起きないでしょう。僕が時差ぼけでつらいのは、午前2時に
目が覚めてしまうことなんだ」すると、彼は言いました。
「いや、午前2時に目が覚めてしまうことが問題なのではなく、
2時に目が覚めて、その後、焦ることが問題なんだ。時差ぼけで
問題なのは、その焦りだけだ」そう言われてみれば、
そうなのかもしれません。万事彼は、そういうスタンスです。
また、彼はすべての人にコーチが必要だと言います。
音楽の世界で、コーチのいない演奏家はいないと言います。
たとえば声楽家は、自分の声があまりにも自分自身に
近いところから出てくるので、自分で自分の音を
捉えられないときがあります。だから、コーチが必要だと。
また、スポーツ選手、たとえば、アガシ、タイガー・ウッズなど
一流の選手の名前を挙げて「あんなに一流の人たちが
コーチをつけているのに、自分たちのような凡人にコーチが
不必要なわけがない」と言うのです。そして、彼は自分の
コーチについて話し始めました。6時間以上の対談は、
とてもエキサイティングでした。それでいて、まるで疲れを覚えない。
6時間ずっと、疲れないあり方についてコーチされたような、
そんな体験でした。ベンジャミン・ザンダー氏との対談の内容
については、追って、ウェブ上で紹介していきたいと思います。
404投稿者:『何を聞いていいかわからない』  投稿日:2006/08/09(水)20:34:13
先日、社内コーチ育成プログラムを行っていたときのことです。
参加者のAさんは45歳の男性。父は建設業の経営者。
彼は、2代目として将来事業を承継することが決まっています。
今回は6回目のトレーニングでした。テーマは「よい聞き手になる」
日ごろの様子をAさんに聞いてみると、部下とのコミュニケーションは
指示命令型で、かなり一方通行になっているとのこと。
部下の話を聞こうと思っても、何を聞いていいかわからない。
間がもたないといいます。そこで、私の話をAさんが聞く、という
ロールプレイを行うことにしました。題材は趣味。
 Aさん:「桜井さんの趣味は何ですか?」
 桜井 :「ゴルフです」
 Aさん:「ハンデは?」
 桜井 :「正式なものは持ってないんです」
 Aさん:「どのくらいのスコアでまわるんですか?」
 桜井 :「この前は97でした」
 Aさん:「どこのゴルフ場ですか?」
 桜井 :「成田です」
 Aさん:「誰と行くのですか?」
 桜井 :「友達」
405投稿者:『何を聞いていいかわからない』  投稿日:2006/08/09(水)20:39:42
 Aさん:「いつから始めたんですか?」
 桜井 :「10年ぐらい前かな」

 Aさん:「桜井さん、質問のネタがなくなりました。
       何を聞いたらいいかわかりません」
 桜井 :「あれ、もう終わりですか?」
 Aさん:「部下ともこんな感じになっちゃうんですよ」
 桜井 :「Aさんは何に意識を向けて聞こうとしていたんですか?」
 Aさん:「桜井さんの趣味、ゴルフについて聞くことに
       集中していたつもりなんですけど、、、」
 桜井 :「なるほど、ゴルフそのもののことを聞いていくと
       自分の知っている範囲のことしか質問できないから、
       すぐにネタがつきてしまいますよね」

コーチになるための最初のトレーニングは「よい聞き手」に
なることです。ところが、実際にロールプレイを行ってみると、
このようなことがよく起こります。「何を聞いていいかわからない」
もし、見えている行動だけではなく、その人自身に興味をもつことが
できたらどうでしょうか。ゴルフそのものではなくて、ゴルフを
切り口にしてその人自身のことについて興味をもつ。
406投稿者:『何を聞いていいかわからない』  投稿日:2006/08/09(水)20:42:05
ゴルフの何に魅力を感じているか?ゴルフをやっていて一番
エキサイトする瞬間はいつか?もっとゴルフを楽しむための
ポイントは何か?どのようなことを考えたり感じながら
ラウンドしているのか?その人自身が感じていることや
考えていること。その人そのものに興味をもつ。部下に対しても
まったく同じです。仕事そのものの話ももちろん大切です。
それに加えて、仕事をやっているその人自身に興味をもつ。
仕事にどのくらい満足しているのか?
仕事の何に楽しさを感じるのか?
やりたいことは何か?
困っていることは何か?
どのような将来を考えているのか?
目の前にいるその人そのものに興味をもつこと 。これが
よい聞き手になるための最初のステップなのだと思います。
407投稿者:『遂行矛盾』  投稿日:2006/08/09(水)20:56:50
コーチとして相手を見るときに、大切な「軸」の一つは、
相手が自責で物事を捉えているか、それとも他責で物事を
捉えているかです。自責も他責も、その人が周りの環境に対して、
どのようなスタンスを有しているかを表現しています。
自責とは、環境がどうであれ、自分から環境に働きかけて
いこうという心の状態です。一方、他責とは、環境から
「働きかけられる」のみで、自分では環境に影響を与えられない
と半ば諦めてしまった心の状態です。コーチはいろいろと
クライアントに質問をしていきますが、最終的には、「で、
どうしますか?」と聞くわけです。つまり、あなたが環境に
働きかけない限り何も変わりませんよ、と。自責で捉えない
限り状況は好転しませんよ、と。さて、あなたは自責、他責
どちらで物事を捉えているでしょうか?コーチングの研修で
受講者の方にこの質問をすると、8割以上の人が自責で捉えて
いると手を挙げます。さすが管理職! 意識が高い、と
思うわけですが、後で、その人たちからこんな意見を聞く
ことが多々あります。「部下が全く自責で捉えられなくて
困っているんですよ。会議の発言を聞いていても、
悪いのは全部周りで、自分は何一つ変える必要がないんですから。
どうして自責で捉えられないんでしょうね。嫌になりますよ」
408投稿者:『遂行矛盾』  投稿日:2006/08/09(水)21:01:07
そんなときはニコニコしながら、思わず聞いてしまいます。
「ということは、その部下が自責で捉えられないことを、
Aさん自身は自責ではなく、他責にしているんですね?
つまり、Aさん自身には変えられないことだ、と」
Aさんは一瞬、何を言われたのかわからないといった風に、
キョトンとした顔になります。Aさんだけでなく、私たちが
一般的にはまりやすいことです。「あの部下は他責でしょうがない」
と言った瞬間に、部下の状態に対して他責になります。ちょうど、
「廊下では大声出すな!」と言った瞬間に大声を出した
当事者になるように。このように、ある一方を否定すると、
自分にその否定自体が戻ってきてしまうことを
「遂行矛盾」と呼びます。
「なんでもっと売上げをあげられないんだ!」
「どうしてもっと自分で考えて自発的に仕事ができないんだ!」
「なんで会議でもっと積極的に発言をしないんだ!」
こう言った瞬間に、その言葉はブーメランのように自分に戻ってきて
「遂行矛盾」を引き起こすわけです。「売上げを上げさせることの
できない上司」「部下の自発性を高められない上司」
「積極的に発言させられない上司」一度「遂行矛盾」を
自分がしてないか、チェックしてみるのもいいかもしれません。
409投稿者:『遂行矛盾』  投稿日:2006/08/09(水)21:02:32
どのぐらい本当に自分次第で周りの環境を変えられると思っているか。
□私は部下に影響を与えられると思っているか
□私は上司に影響を与えられると思っているか
□私は会社に影響を与えられると思っているか
自分次第と思う度合いが高ければ高いほど、きっと人生は楽しいですから。
410投稿者:『リフレーズ』  投稿日:2006/08/31(木)13:10:58
先日、久しぶりにアメリカ人のコーチングを受けました。
東京からテキサスに電話をかけてのセッションです。
そのコーチングで、何よりも良かったのは、私が話すたびに、
彼女が必ず“リフレーズ(言い換え)”してくれたことです。
こちらが言ったことを同じように繰り返すのではなく、
少し言い方を変えて、「こういうことを言いたいのですか?」
と返してくる。(しかも毎回!)また、それが絶妙で、
こちらが「それそれ!」と言いたくなるような表現で
返してくれます。例えば、「身近な人とより強い関係を作りたい」
と言うと、「周りの人はあなたから良い刺激を受けるし、
あなたも周りの人から良い刺激を受ける、そんな関係が築きたい
ということですか?」と断定するのではなく、純粋に
確認をしたいというトーンで問いかけてきます。
英語で受ける久しぶりのコーチングに、最初は少し緊張
して早口になっていましたが、だんだんと
「じっくり考えて、ゆっくり答えて大丈夫だ、それでも
彼女は聞いていてくれる」そんな安心感が自分の中に
広がっていきました。
セッションの終わり、彼女に聞きました。
411投稿者:『リフレーズ』  投稿日:2006/08/31(木)13:17:35
「こういうリフレーズを誰に対しても毎回しているんですか?」
彼女曰く、「私はただ、自分が相手の世界を正確に理解
できているかどうかを確認したいと思っているのよ。だから、
頻繁に、『この理解の仕方で合っている?』と聞くように
しているわ。」リフレーズをされると、自分が言ったことは
間違いなく、相手の「生体」を通過したのだと思うことができます。
相手は確かに一度、こちらの言葉を体の中に取り込んで、
理解しようとしたのだ、というのが伝わってきます。
たとえ、「あっ、それはちょっと違う」という表現が返ってきた
としても、「理解しようとしている」というのは強く
伝わりますから、こちらとしてはさらに話したくなるわけです。
自分の考えが明快で、迷いなく何かを伝えたときには、そのまま
同じ言葉で繰り返されるのもいいものです。自分が選んだ言葉に
後押しを受けるような感じがありますから。しかし、
少し迷いをもって言葉を伝えたときには、同じ言葉で返される
よりも、リフレーズされた方が、自分の内的世界を理解しよう、
サポートしよう、としてくれている相手が感じられて、
より強い好感がもてると感じました。
412投稿者:『リフレーズ』  投稿日:2006/08/31(木)13:17:54
このセッションの翌日の夜、
高校時代の友人と食事をする機会がありました。彼は、自分から
話のイニシアチブをとるタイプではありません。
しかも、じっくり考えてぼそぼそと話します。ですから、沈黙は
たびたび訪れます。最初の沈黙がやってきたとき、
普段の自分であれば、新しい話題を提供するところですが、 
この日は、リフレーズにかけました。「今言ったことは、
こういうことなんだよね?」相手は、かすかな笑みを浮かべて、
相変わらずぼそぼそとですが、また話し始めました。   
次に沈黙がやってきたときも、またリフレーズ。
彼は、一度大きく頷いて、さらに話を続けました。
こうなるともう、リフレーズ、リフレーズ、リフレーズ。
結局一緒にいた2時間、話したのはほとんど彼でした。
おそるべし、リフレーズ。
413投稿者:『コーチの今の状態が伝わる』  投稿日:2006/09/07(木)23:51:11
100歳以上の人(センテナリアン)を対象にインタビューをした
ラジオプロデューサーが書いた本に、こんな話がありました。
人間の脳には、大脳辺縁系という感情を司る部分があり、その回路は
外側に向かって開かれている。つまり、周囲の人の感情は、
大脳辺縁系を通じて自分の感情に影響を与えている。そして、
周囲の人の大脳辺縁系と自分の大脳辺縁系がお互いに響きあい、
共鳴し、感情を共有することを「大脳辺縁系共鳴」といいます。
著者は、センテナリアンのインタビューを繰り返す中で、あるとき、
不思議な安心感や幸福感を感じるという経験をします。それが
何であるか、はじめは理解できなかったのですが、その体験の
理由が知りたくなり、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の
トーマス・ルイス博士に会いに行きます。そこで、自分が体験した
不思議な感覚について彼に話します。それは、安心感を感じる瞬間
であると同時に、なにかコントロールを失うような、落ちていくような
感じを味わう体験であったことを話すと、博士は、それがまさに
「大脳辺緑系共鳴」が起こっている瞬間だったといいます。一緒にいて、
話を聞きながら、その感情を共有する。相手をコントロールしようという
気持ちを放棄したときに、こうした体験が起こるそうです。
このような「大脳辺縁系共鳴」は、哺乳類動物だけに見られる、と
博士はいいます。それは、相手の感情状態を察知する内なる能力です。
414投稿者:『コーチの今の状態が伝わる』  投稿日:2006/09/08(金)00:33:48
伝わるのは、安心感や幸福感といったポジティブな感情だけでは
ありません。怒りや不安といった感情ももちろん伝わります。
つまり、不安な人の側にいると、不安は伝わり、幸せな人の側に
いれば、幸せを体験することができます。犬が好きな人は、
犬にはわかり、子どもの好きな人は、子どもには分かるわけです。
私たちは、ストレスや不快な感情をできるだけ避けたいと思うものです。
したがって、どんな人と一緒にいるかはとても大事なポイントに
なります。怒りっぽい人や、悲観的な人、不機嫌な人、こういう人の
傍にいれば当然その影響を受けることになります。機嫌よく、
穏やかで、のびのびしている人の傍にいれば、その影響を受けることが
できます。以心伝心は本当にあり、それは証明されつつあるわけです。
415投稿者:『コーチの今の状態が伝わる』  投稿日:2006/09/08(金)00:34:06
こうしてみると、コーチは、スキルや何を言うかも大切ですが、
それ以上に、今どんな状態でいるかはもっと大切なのだとわかります。
自分自身が快適な状態なのか、安心しているか、ゆとりはあるか、
それらがクライアントに直接伝わってしまうのですから。コーチは
モデルである必要があります。それは人間ですから、多少の波は
ありますが、コーチになるということは、それなりに自分の状態に
責任を持とうとすることだと思います。コーチといると、または、
コーチと話すとそれだけで、いい感じになる。もし、可能であれば
それを目指したいと思います。また、マネジャーが仕事を楽しんで
いて、部下のことを思っていてくれれば、部下はそういう
マネジャーと一緒に仕事をしたいと思うものです。それには、
説明はいりません。以心伝心。説明する前に伝わっているからです。
416投稿者:『すばやい実行を可能にするためのコーチング』  投稿日:2006/10/05(木)01:41:48
コーチの仕事は、クライアントのコントロール力を引き出し、
それを使えるようにすることにあります。コントロールとは、
ものごとをスタートし、チェンジし、そしてストップすることを
意味します。「リーダーシップ」の能力も、それに近いものだと
思います。さて、コーチは、クライアントが自ら行動を起こし、
行動を変え、行動を止められるようにコーチングをします。また、
行動を起こす、変える、止める、そのスピードも、コントロールの
対象となります。たとえば、組織において、さまざまな経営上の
決断をすばやく実行に移せるようになることはコーチングを
導入する確かな目的のひとつになります。新しい戦略の導入や
企業合併の際には、組織全体の改革が必要となります。
多重の構造、システム、文化を、「ひとつ」の統一された構造、
システム、文化に変えなければなりません。それも速やかに。
組織は、そのためにコーチングを導入します。ゆっくりした動きは、
成功の可能性を低くします。老化した組織は、企画、計画に膨大な
時間とコストをかけて、タイミングを逸します。また、
プロジェクトの実施がスタートしてしばらくすると、抵抗勢力が生まれ、
ゆっくり動いていくうちに、その抵抗勢力の力が増し、
サボタージュが始まります。そのことによって予期せぬ事態が
引き起こされ、関わる人たちの熱意が失われます。
417投稿者:『すばやい実行を可能にするためのコーチング』  投稿日:2006/10/05(木)01:49:48
その間、コストは膨らみ、実行のための努力は無に帰すのです。
一方、すばやい実行には、以下のようなメリットがあります。
  ・実行する際に立てた仮説が古くなりすぎることはない
  ・予期せぬ事態が起こりにくい
  ・社内/社外からの抵抗勢力を未然に防ぐことができる
  ・パフォーマンスの溝が早く明らかになるため、
早い修正が可能である
  ・早く動くことによって、ポジティブなフィードバックの
サイクルがつくられる
  ・組織の代謝がよくなる
  ・望ましい業績が増長する
コーチは、スピードをコーチします。すばやく実行に移せるように
なるために必要なツールやシステムをクライアントに備えさせます。
早いことが全ていいわけではありませんが、コーチはクライアントに
可能な限りすばやい実行を要求します。スピードがなければ
実現できないことは、決して少なくありません。また、スピードを
上げるために具体的にやれることもあります。たとえば、
言葉を統一して使うようにしたり、ナレッジを共有するための
システムを導入するなど。それらをベースにしながらコーチングを
することで、さらに効果があがると考えられます。
418投稿者:『あなたが変われば会社が変わる』  投稿日:2006/10/11(水)14:41:06
Tさんは、40歳。10年前に会社を創業しました。現在の社員は
200名、年商15億。会社は順調に業績を伸ばしています。
先日、Tさんがコーチングを受ける場面に同席させていただく
機会がありました。Tさんの了解を得て、そのようすを
ご紹介します。
コーチ:ここまでコーチングをやってきてどのような
変化がありますか?
Tさん:ISOを取得したり、コンプライアンス、
商標権についてなど、多くのものが具体的に進みました。
コーチ:それは素晴らしいですね。では、ここまでやってきて、
    どのような課題を感じていますか?
Tさん:もっと会社を大きくしていくことを考えると、
   自分自身に限界を感じています。今のままではこれ以上
会社は伸びない。自分が変わらないと会社の成長もないと
思うんです。これまでのコーチングでは、マネジャーの育成、
  社内制度の完備、顧客サービスの向上など、さまざまな領域が
テーマとして扱われてきましたが、今回のテーマは社長として
のTさん自身に絞られていきました。会社は社長次第。社長が
変われば会社が変わる。Tさん自身が何かを変えなければ、
会社のこれ以上の成長はない。
419投稿者:『あなたが変われば会社が変わる』  投稿日:2006/10/11(水)15:20:01
コーチ:自分自身のリーダーシップについてどう思いますか?
Tさん:ここまでは、自分が先頭に立って行動することで社員を
引っ張ってきたと思います。ですが、ここにきて感じるのは、
自分のビジョンをうまく伝えられない。
    こうしろああしろと言うのは得意ですが、
    社員からうまく引き出せない。
コーチ:自分の何かを変えるとしたら何を変えますか?
Tさん:漠然と何かを変えなければいけないとは思うのですが、
     具体的にならない。そこがよくわからないんです。
コーチ:そうですか。それでは、しばらくの間、何を変えるのかを
テーマにコーチングを進めましょう。変えるのは一つでOK。
一つが変わればすべてが変わります。すぐには見つからない
かもしれないけど、次回までに考えてきてください。
420投稿者:『あなたが変われば会社が変わる』  投稿日:2006/10/11(水)15:21:20
その3日後、Tさんとゴルフに行きました。Tさんは、いつも吸っている
タバコを一本も吸いません。不思議に思ってそのことを尋ねると
「やめることにしました。まずはタバコです。自分にとっては、
これができれば何でもできる。あとは、130キロある体重を
100キロまで落とすことを決めました。桜井さん、僕が
タバコをやめて、体重が30キロ落ちたら別人になると
思いませんか?人生が変わると思いませんか?」
「それはすごいことだ」「社員にだって僕の変化がはっきり
わかるじゃないですか!そしたら会社も絶対変わりますよ」
コーチングのテーマからは少しずれているような気もしますが、
彼の変わろうとする決意は固いようです。Tさんがタバコをやめて、
しかもスリムになったら、何かが絶対に変わるだろうという
迫力は十分伝わってきます。ゴルフ場から帰る車を運転しながら、
私はいつの間にか、“自分自身が変わるとしたら、まず何を変えるか”
“そしてそれは、会社にどのような影響を与えるだろうか”
ということを考え始めていました、、、
421投稿者:『WIIFM〜コミットメントから情熱へ』  投稿日:2006/11/30(木)03:24:53
かつて私のコーチであったダグはよく言いました。
「どんなときにでも、WIIFM が大事だ」WIIFM とは、
「What's in it for me?」 の頭文字をとった言葉です。
ダグは、言います。「本当のゴールは、一見、目標と思えるようなもの、
その先にある。それを見誤ってはならない。部下と面談すると、彼らは
たいてい会社や組織の求める目標を、まるで自分の意志であるかのように
口にする傾向がある。しかし、その目標は達成されないか、
または、達成されても実感の薄いものになりやすい。必要なのは、
部下個人の目標を見つけさせることなんだ」マネージャーたちは、
そのことを頭において、部下の目標設定をコーチすることが必要です。
さらに、彼らひとりひとりの目標が会社の目標とつながっているか
どうかを確認します。そのためには、部下の一人ひとりに、自分の
目標は何であるかを考えさせることが必要です。そのときに大事なのが、
『WIIFM』。つまり、『これをすることで、私が手にするものは
何か?』ということを部下自身が考えることが求められるのです。
大事なのは、一方的に会社の目標を与えるだけでは、
目標にはなかなか至らないということ。目標を達成するには、
会社の目標を達成することで『WIIFM、自分は何を手に
するのか?』を明確にすることが必要です。
422投稿者:『WIIFM〜コミットメントから情熱へ』  投稿日:2006/11/30(木)03:28:37
目標設定のプロセスに『WIIFM』は不可欠なものだ。ダグはその
ことを強調しました。「『WIIFM』をスキップして、アクション
プランやスケジュールを決めたとしても、目標には至らない。
また、彼らに目標に対するコミットメントを求めることはできたと
しても、彼らが、目標に向けて情熱を持ち込むことはない。
そうすれば、目標は遠いものになってしまうだろう。重要なのは、
スタッフが、頭で考えること(コミットメント)をやめて、心(情熱)
で動くようになることなんだ。それが、目標達成に向けた真の原動力
だからなんだ」ダグは、カナダやアメリカのローイング(ボート)の
オリンピック強化選手のコーチで、何人かの金メダリストを育てました。
現在は金融関係のエグゼクティブコーチとして活躍しています。
彼に聞いたことがあります。「オリンピックの選手にも、やっぱり
『WIIFM』は必要ですか?」「Absolutely! もちろんだよ。
金メダルをとることで、自分が本当に何を手にするのか、何を手に
したいと思っているか、それのはっきりしていない選手で、金メダル
をとった選手はいない。金メダルを取るということは、
『WIIFM』をはっきりさせるプロセスでもあるんだ」
「『WIIFM』のはっきりした選手は、練習に対する姿勢も、
練習の質も変わる。そして、意識が変わる。金メダルをとって当然だ、
というところへシフトする」コーチングは、行動に働きかけます。
同時に、あり方にも働きかけているのです。
423投稿者:『夢を聞く』  投稿日:2006/12/09(土)02:28:56
コーチ・トレーニング・プログラムを開始して、来年で
10周年を迎えます。これまでに、5000人以上の方が
このプログラムに参加されました。先日、福岡で行ったコーチング・
プログラム説明会の中で、参加者のNさんから成果の事例を
お聞きしました。その事例がとても印象的だったので、ご紹介
したいと思います。 Nさんは、熊本県在住の40代の女性。
地方銀行で融資の営業を担当しています。「私にとって営業の
数字をあげることは、それほど難しいことではありません」
Nさんは、コーチ・トレーニング・プログラムに参加し始めてから
現在までの2年間、営業担当地域で成績トップの座を守り続けて
いるといいます。 Nさんに、コーチングをどのように活かして
いるのかを聞きました。
桜井「コーチングを学ぶ前と後では、どのような違いがありますか」
Nさん「コーチングを学ぶ以前は、数字を上げることばかり考えていて、
ストレスが高かったですね。今は、数字のプレッシャーを
感じることはほとんどありません。毎月、楽してトップを
   とっているという感じです」
424投稿者:『夢を聞く』  投稿日:2006/12/09(土)02:38:38
桜井 「具体的に何が違うのですか」
Nさん「一言で言えば、相手の話を聞けるようになりました。
     私の仕事は、担当地域に出向いて融資を取ることです。
     お客様のほとんどは中小企業の社長。以前は、自分の
     担当している商品を売ることで頭がいっぱいでした。
     いかにして自分が話し始めるかばかり考えてましたから、
     相手の話なんかぜんぜん聞いていないわけです。
     今は、社長さんの夢を聞いている。
     毎日、社長さんに会って、その人の夢を聞く。
     話している社長さんもとても楽しそうですし、
     聞いている自分も楽しい。
     夢を聞いているだけで、営業の数字が上がります」
そんなに簡単にいくとは思えません。私は思わず聞きました。
桜井 「本当ですか?夢を聞くだけで、なぜ、数字が上がるのですか」
Nさん「私の担当は住宅ローンなのですが、銀行には人生のあらゆる
    場面に対する商品があります。教育ローンもあるし、
    自動車ローン、個人年金の ローンもある。たくさんの社長の
    夢を聞いていると、どこかでそれが当てはまる。だから
    自然と数字が 上がっていきます。実際に、この2年間、
    コンスタントに数字が上がり続けているんです」
425投稿者:『夢を聞く』  投稿日:2006/12/09(土)02:38:57
桜井 「なるほど、それは素晴らしいですね。コーチングの
    トレーニングが、どのように機能したのか教えてください」
Nさん「聞くスキルを身につけられたこと。何よりも、多くの人との
    ロールプレイを行ったことで、徐々に人の話を聞けるように
    なったのだと思います」
現在、マネジメントだけではなく、教育や医療など、さまざまな
場面でコミュニケーション能力の重要性が問われています。
コミュニケーション能力が仕事の出来を左右するといっても
よいでしょう。そして、コミュニケーション能力を向上させる
もっとも効果的な方法は、ひたすらトレーニングを積むことです。
コーチ・トレーニング・プログラムは、まさにコミュニケーションの
トレーニングを実践する場なのです。
426投稿者:『誰のために質問をするか?』  投稿日:2006/12/09(土)02:51:54
ある新聞社で研修を実施した弊社のスタッフから聞いた話です。
質問についてのセッションをしていたときに、かつては
記者として勤め、現在は管理部門のスタッフをしているという
参加者の方が、レクチャーに突然割って入りました。 そして、
少し挑みかかるように問いを発せられた。 「新聞記者として、
どのように政治家や企業人に質問するか、これまでもいろいろと
考えてきました。あなたがいうオープン・クエスチョンも
クローズド・クエスチョンももちろん知っています。
記者がする質問とコーチがする質問は一体何が違うんですか?」
「新鮮な情報など何もない」「そのことは既に知っている」
そんなことを言いたげなようすが伝わってきたそうです。
スタッフは次のように答えました。「おそらく、記者さんは
『自分のために』質問をしますよね。記事を書くために情報が
欲しいですから当然です。一方コーチは自分のためではなく、
『相手のために』質問をします。それが一番の違いですね」
相手は一瞬目を見開いた後、深く頷いて、そして言ったそうです。
「途中で止めてすみませんでした。次をお願いします」と。
一般的に、人は自分のために相手に質問をする傾向があります。
427投稿者:『誰のために質問をするか?』  投稿日:2006/12/09(土)02:52:36
例えば、学校から帰ってきた小学生の子どもに、「宿題はあるの?」
「今日は先生から連絡何かない?」「手は洗った?」
「テストの点数はよかった?」 これらは、子どものためというよりは、
自分の情報不足を補って自分が安心するための質問です。
では、もし、子どものために質問をしようと思えばどうなるか?
「学校のことで何かお母さんに手伝えることある?」
「今日学校で一番楽しかったことは何?」「宿題を楽しくやるには、
どんな工夫ができると思う?」全く違った質問が生まれる
可能性があります。上司も同じですね。営業報告をしにきた部下に、
「本当に取れそうなのか?」「いつ先方の決済が下りるんだ?」
「見積もりに間違いはないか?」と立て板に水のごとく質問するのは、
上司の不安の解消が主目的となっています。もし部下のために
質問をするというスタンスをとれば、「確実に取るために
僕からサポートできることはあるか?」
「きっと多くの苦労があっただろう。 どんな風にしてここまで
もってきたんだ?」 「最後の詰めで欠かせないことは何だと思う?」
「今回の成功で何を学んだ?」 こんな質問が生まれるかもしれません。
「相手のために質問をしよう」
そう思っただけで、質問は「コーチ色」に染まります。
428投稿者:『11のコンピテンシー』  投稿日:2006/12/14(木)00:57:07
コーチには、次の11のコンピテンシーが求められています。
それぞれ初級者レベルから上級者レベルまでありますが、
今回は、マスターコーチと呼ばれる上級者レベルの特徴を
ご紹介します。

1.プロとしての倫理規定と基準を満たしている
   →コーチの倫理規定について明確に言語化できる

2.コーチングのセッションについてクライアントと同意を作り出す
   →コーチングセッションに、クライアントが何を求め、
     どんな成果を手に入れ、それをどのように測定するかについて
    クライアントとの同意を作り出すことができる

3.クライアントと親密な関係を築いている
   →ただ親しいのではなく、クライアントとパートナーシップを
    組み、クライアントの未知の部分を一緒に探求できる

4.コーチとしてのプレゼンスがある
   →オープンで柔軟で自信に満ちた態度を持つ
429投稿者:『11のコンピテンシー』  投稿日:2006/12/14(木)00:58:12
5.アクティブリスニングができる
   →クライアントが話していることと、言語外にあることの両方に
    耳を傾けており、クライアントが自己表現できるよう援助する

6.強力な質問ができる
   →クライアントに考えさせ、自己開示できる情報を引き出す
    質問をすることができる

7.直接的なコミュニケーションができる
   →クライアントにとって、最もポジティブな影響を与える
    コミュニケーションを起こすことができる
430投稿者:『11のコンピテンシー』  投稿日:2006/12/14(木)00:58:41
8.気づきを促す
   →クライアントが求める成果を達成するために、
    クライアントから得た情報を正確に統合することができる

9.行動を促す
   →クライアントにとっての学習の機会を
    ともにデザインすることができる

10.計画と目標設定
    →クライアントとともに、効果的なコーチングのプランを
     作ることができる

11.進行状況を管理し、責任を持たせる
    →クライアントにとって何が大事かを明確にし、
     行動を起こさせるための責任を自ら取らせることができる
431投稿者:『あなたのタイプは?』  投稿日:2007/02/07(水)14:16:27
「何か美味しいものを食べに行こうか」と私。
 「いいよ。行く、行く!」と答えるのは中学3年の長女。
 「どこに行くの? 何を食べるの?」と質問してくるのは
 小学3年の次女。

 人をタイプに分ける方法はたくさんあります。
 中でも、コミュニケーションのスタイルに焦点を当てたものが、
 コーチングで使う、4つのタイプ分けです。

 自分が「決断」することを重視するコントローラー、
 人に「影響」を与えることに喜びを感じるプロモーター、
 人との「合意」や「協調」を重視するサポーター、
 ものごとの「正確さ」を大切にするアナライザー。

 私からの楽しげな誘いにノリで応じる長女は、たぶんプロモーター。
 店や料理の内容などの具体的な情報求める次女は、
 おそらくアナライザーです。
432投稿者:『あなたのタイプは?』  投稿日:2007/02/07(水)14:19:59
 昨年の夏、東京のお台場で冷凍マンモスの展示をしていました。
 地球温暖化の影響で地表に現れたという、
 愛・地球博で話題になった、あのマンモスです。
 8月のある日、私は、
「お台場にマンモスを見に行こうよ」
 と次女を誘いました。
 ところが次女は、すぐに「うん」とは言いません。
 「そこに何があるの?」
 「どんなところなの?」
 と、次々に質問をし始めます。
 「マンモスってなに?」
 「それ気持悪くないの?」
 などなど。
 私は、娘をどうやって乗せようかと頭を捻り、
 「きっと夏休みの自由研究の材料になるよ」
 と答えました。すると
 「ふーん、じゃあ行こうかな」と彼女は納得。
 実際にマンモス展の会場に足を運ぶと、彼女は驚くほど熱心に
 メモを取り、学芸員からの説明を真剣な眼差しで聞いていました。
 アナライザーが重視するのは「正確さ」や「失敗しないこと」です。
 ですから、何よりも、具体性やデータなどの納得できる根拠を
 求めるのです。
433投稿者:『あなたのタイプは?』  投稿日:2007/02/07(水)14:20:38
 アナライザーの、考えながら何度も理由をたずねたりする態度は、
 ときに「細かすぎる」「いちいちうるさい」と映ることも
 あるかもしれません。
 アナライザーには、「とにかくやってみよう」などと
 ノリで誘うのではなく、具体的で納得できるような言葉を添えると
 比較的スムーズにコミュニケーションが進みます。
 ところで、私は、次女のことを、アナライザーだけではなく、
 自分の判断を大切にするコントローラーの傾向も
 かなり強いと見ています。
 ただ、ゆっくり正確に伝えようとする話し方や、
 上記の例のような決断までのプロセスから、
 ときおりアナライザー的な要素が垣間見えるのです。
 つまり、次女はコントローラー・アナライザー。
 ちなみに、私自身はプロモーター・コントローラー。
 人に影響を与えることに喜びを感じ、
 かつ自分で決断することを好むというわけです。

 コーチングの三原則の一つである「テーラーメイド(個別対応)」。
 その基本は、相手のタイプに合わせてコミュニケーションを
 交わすことです。
 そのためには、まずは自分自身のタイプを知ること、
 そして、タイプ分けの考え方に対する理解を深めること。
 ぜひ、タイプ分けのテストを試してみてください。
434投稿者:「逆上がりとコーチングスキル」  投稿日:2007/08/08(水)19:33:11
小学4年生の次女はあまり運動が得意ではありません。
昨年の春から、週に1回、体育の個人レッスンを受けています。
跳び箱は1ヶ月で跳べるようになりました。次の1ヶ月で
縄跳びの二重跳びもできるようになりました。
しかし、鉄棒の逆上がりがなかなかできない。少しずつ、
確かに進歩はしているのですが、なかなかできるように
ならないのです。それでも娘は根気よく練習にはげみ、
1年後にやっとできるようになりました。不思議なもので、
できてしまうとできなかったことがうそのように、くるくると
回っています。
 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
先日、ある企業でコーチングの研修を行いました。
研修をはじめて1時間ほどしたとき、参加者の一人が、
「あれ、この研修を受けたことがあるような気がする!」と言うのです。
よく聞いてみると、その参加者は1年前に今の会社に転職したのですが、
3年ほど前に、前職でコーチングの研修に参加したというのです。
ところが、その研修の内容をほとんど覚えていない。とてもいい研修
だったという印象は残っているが、日常には活かされていないのです。
435投稿者:「逆上がりとコーチングスキル」  投稿日:2007/08/08(水)19:34:08
・ 相手の話をさえぎらず最後まで聞く
・ 相手の良いところを探してほめる
・ 相手に考えさせたり、相手から引き出すような問いかけをする
・ 相手が受け取りやすいような提案や要望をする
・ 相手の個性やタイプに合わせた関わり方をする

このような代表的なコーチングスキルはマネジャーにとって
必須のものだと考えられます。マネジャーが、この中の一つの
スキルをほんのわずかでも向上させるだけで、職場の雰囲気や、
部下の動き、生産性に大きな影響を与えます。ところが、1日や2日の
研修でコーチングスキルを向上させることは難しい。もちろん、
研修によって得られるコーチングに関する知識や経験は貴重なものです。
しかし、残念ながらコーチングスキルを使いこなせるようになるとは
言えない。コーチングについてはわかるけれど、実践したり
定着するところまではなかなかいかないのが現実です。これは
短期集中型研修の持つ限界なのだと思います。コーチングスキルを
身につけるためには継続的なトレーニングが必要不可欠です。
スキルを学び、学んだスキルを日常の生活で実践する。その成果や
改善点などを振り返り、また実践する。この繰り返しこそが
トレーニングです。そして、コーチングスキルはトレーニングを
すれば必ず上達するのです。ある大手生命保険会社のエリアマネジャーに
対して、3ヶ月間のコーチング・スキル・トレーニングを実施しました。
436投稿者:「逆上がりとコーチングスキル」  投稿日:2007/08/08(水)19:34:36
トレーニング後の売上を前年と比較すると約20%増。このように、
コーチング・スキル・トレーニングの結果として、業績が上がるなどの
成果が多数報告されるようになってきています。コーチングスキルを
持っている人の生産性が高い、という、私たちが経験的に感じていた
仮説は実証されつつあるように思います。小学生は、3年生になったら
逆上がりの練習をする。ビジネスマンは、
マネジャーになったらコーチングの練習をする。
437投稿者:8gゆき  投稿日:2012/01/01(日)15:53:10
歌手人気で勉強をします
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