- 1投稿者:まりや 投稿日:2003/03/09(日)23:09:31
- コーチへの道
- 201投稿者:『イメージの力』 投稿日:2004/08/10(火)00:03:01
- 「パリコレ」に出るようなスーパーモデルは、ショーが近づくと
イメージの力で体型を整えるといわれています。
長嶋さんは現役時代、後楽園入りする前に、
田園調布の自宅で対戦投手のボールを打つところを
何度も何度もイメージしたそうです。スピードスケートの
清水選手は、長野五輪で滑走前に、自分が金メダルを取った
ところを想像して思わず涙がこぼれたとのことです。
要するにイメージした通りに体は反応し、動くようです。
一人でもできるのでしょうが、コーチがついた方がイメージを
創るのはずっと楽ですね。経験からそう思います。
アテネ五輪も近づいていることですし、誰かにサポートしてもらって
「イメージの力」を試してみてはどうでしょうか?
- 202投稿者:『プロのコーチ』 投稿日:2004/08/19(木)23:52:44
- コーチをつけるとき、どんなコーチを選んだらよいかという
質問を受けることがよくあります。いくつかの条件が
考えられますが、まず第一に、コーチ自身がコーチを
つけていること。そしてもうひとつは、コーチとしての
経験といえると思います。ここで「経験」と言うのは、
単に年数としての経験ではなく、どのような人たちを対象に
コーチをしてきたかということも、実は大切なポイントです。
これまで多くのコーチに出会いました。やはり、力のある
コーチは、コーチとしての経験が豊富です。そして、さまざまな
レベルの人たちにコーチしてきたという実績をもっています。
コーチングは、その対象となるクライアントがビジネス上で
どのような領域にあるかによっておよそ次の4つのレベルに
分けることができます。
レベル1 パーソナル
レベル2 マネージャー
レベル3 ジュニアエグゼクティブ
レベル4 シニアエグゼクティブ
- 203投稿者:『プロのコーチ』 投稿日:2004/08/20(金)00:41:46
- マネージャーに対するコーチングと、シニアエグゼクティブに
対するコーチングとでは、コーチングの内容に違いがあります。
テーマや取り扱う内容が違うといったことはではなく、
実はコーチングのスタイルそのものがまったく異なるのです。
どのレベルのクライアントに対しても同じスタイルでコーチング
をしていては、すべてのクライアントの成功に貢献できるわけでは
ないということです。どんなレベルのクライアントに対しても貢献
できるようになるには、さまざまなレベルのクライアントをコーチ
する経験を積み重ねていくことが必要です。そうして初めてコーチ
としての成長があるわけです。プロのコーチは、常にクライアント
を持ち、クライアントの成功に貢献しています。また、それを
通して、日々コーチとしての研鑽を積んでいます。プロのコーチは
コーチングを極めようとしているのです。学習を通して、そして、
日々のコーチングを通して。
- 204投稿者:『プロのコーチ』 投稿日:2004/08/20(金)00:43:24
- プロのコーチとして、何よりも大切なことは、コーチ自身が
コーチングから刺激を受け、コーチングの価値を実体験として
もっていること。そしてクライアントが本当に成果を生み出して
いるかということを含め、自分のコーチングに対するフィード
バックを真摯に受け止めることだと思います。
今、私には、ローイング(ボート)の元オリンピックの強化選手を
コーチしていたコーチがついています。長きにわたるスポーツ
コーチの経験を経て、彼は現在、特にファイナンス関係の
エグゼクティブを対象にコーチをしています。
彼は私によく言います。「君の金メダルを取ろう」。彼と
話していると、彼からコーチとして誇り、そして、強いプロ意識
を感じます。
- 205投稿者:NLP 投稿日:2004/08/21(土)17:49:24
- NLPは心理学的な理論でコーチングのスキルの多くは
もともとNLPで使われている手法からとり入れられたものです。
最近ではNLPコーチングなどとNLPとコーチングをミックスした
コーチングと行っている団体や個人の方も複数存在しているようです。
またコーチングのためのNLP講座なども多数開かれているようです。
実際私がNLPを学ぶ時の同級生にもコーチの方がいらっしゃいました。
さてNLPは奥が深く、一言で言い表すのは難しいのですが
コーチングをする際に、コーチングスキルの理論的根拠を得る
ことができ様々なタイプのクライアントの方とラポールを築いたり、
気づきを得やすいような質問ができるようになるのではないかと思います。
また、NLPは上記のような基本的な、思考の構造や言葉のモデルなどを
もととして、トラウマやPTSD、恐怖症などの治療にも用いられている
流れが系統だったスキルもあります。(コーチングと共通するような
目標の明確化や、恐怖症の治療など…)またそれが1時間などの
短時間で行えることも特徴と言われています。コーチングと同様に
NLPは、人それぞれ感じ方(現実の認識の仕方)が違うという
基本原則がありますが、その方の認識の仕方を鋭敏に感じて
柔軟に対応することで、カリスマといわれるセラピストでなくても、
その体系だった流れにそって恐怖症などを扱うことができると
いわれています。
- 206投稿者:NLP 投稿日:2004/08/21(土)18:24:28
- 目線の他にもNLPでは相手の言葉以外の様々な変化に
敏感になるようにと訓練します。
相手が好きなもの嫌いなものどちらを想像しているのかを、
見た目(顔色や筋肉の緊張など)だけとか、その相手の声だけで
見極めるような練習もします。
そして、自分の価値判断が入っているかどうかなど、言葉にも
敏感になることで、より相手と深いコミュニケーションが
可能になってくるのかなと思っています。
そしてそのように、相手を敏感に観察(キャリブレーション)
できるようになってこそ、効果的な一連のプログラム
(恐怖症を治すとかやめたくてもやめられないものをやめるなど…)
を、成功させるかにかかってくるのでしょう。
NLPの言葉の分類(メタ・プログラム)の中で、
全体とパーツをどちらを大切にする人かを見極めることを
したりする分野があります。
(他にはものごとに対して前向きか、後ろ向きかなど…)
- 207投稿者:『100%味方になる』 投稿日:2004/08/26(木)00:20:03
- オリンピックも残すところあとわずかとなりました。今年の
オリンピックは、柔道、水泳、体操の男子団体、女子マラソン
など、近年にない日本選手の活躍もあり、私も何度か深夜まで
テレビに釘付けになっています。今回のオリンピックで、
日本選手の活躍や成績という興味以外で最も人目を引いているのが
アニマル浜口さん。ご存知の通り女子レスリングの浜口京子さんの
お父さんです。アテネに出発するときの成田空港での派手な
パフォーマンスをはじめ、しばしばその人目かまわぬ大仰な
応援振りが報道されています。特に23日に行われた準々決勝の
応援は一段とパワーアップしているように見えました。観覧席から
身を乗り出し、絶叫するアニマル浜口さんを会場の係員が下から
制止している姿が国際映像で繰り返し放映されていました。
「京子ー!」「気合だー!」
やりすぎ。父親のくせに出すぎだ。見ていられない。というような
声もききます。一年生になる私の娘も、子どもながらにも恥ずかしい
ようで、こんなお父さん嫌だと言っていました。しかし、ここまで
徹底的にやられると、これはこれですごいことだなと思うのです。
自分がまわりからどう思われるかとか、どう見られるかという気持ち
を脇におかなければこれだけの応援をすることはできないと思うのです。
- 208投稿者:『100%味方になる』 投稿日:2004/08/26(木)00:20:54
- 「相手の100%味方になる」
これは、コーチングの基本原則のひとつです。
好き、嫌いは別として、アニマル浜口さんの応援は
「100%味方になる」ことをまさに体現しているように思うのです。
絶叫はしないまでも、もしコーチがこのような迫力で
クライアントに対して応援の気持ちを伝えることができたら、
クライアントはそれだけで、ゴールに向けて動き出すに違いありません。
- 209投稿者:海外コーチング事情『電話で海外留学』 投稿日:2004/09/01(水)23:58:45
- 1997年に、コーチ・トゥエンティワンが最初のコーチ・
トレーニング・プログラム(CTP)を開始したときに画期的
だったのは、「ブリッジ(電話会議システム)」の存在でした。
CTPはブリッジを使って行われます。最初にアメリカと
ライセンス契約を結んだとき、ひとりのコーチが来日したのですが
その際に、私たちスタッフ3人でその人を取り囲むようにして
聞いた最初の質問が、「いったいブリッジって何?」でした。
ブリッジを使うのは簡単で、普通の電話と同じように、
ある電話番号に電話するだけ。しかし、普通と違うのは、そこに
電話すると、大勢の人(2人から100人まで)が同時に話せる
ということです。アメリカでコーチングを教えているスクールの
ウェブサイトを見ると、「ブリッジを使ってやります」と表記
しているところが多く、驚かされます。コーチ向けのポータル
サイトコーチヴィルの創設者であったトマス・レナードは、この
システム利用に最大限の創造性を発揮していました。電話会議の
スクールを開設したり、ただひたすら、30分のコーチングの
セッションをたくさん聞かせたり(数十人の参加者はそれを
聞いているだけ)、ラジオのようにトップコーチにインタビューを
行って聞かせたりしていました。(これも、参加者は聞いているだけ)。
- 210投稿者:海外コーチング事情『電話で海外留学』 投稿日:2004/09/02(木)00:00:14
- コーチ・トゥエンティワンでも何回か、アメリカのコーチを迎えて
「ゲストコーチ・ブリッジ」というのを行いました。講師は、
アメリカから参加、受講者は日本から参加です。電話での講義を
体験するのは、とてもエキサイティングなものです。1時間、
そのコーチから専門的な知識を学ぶ。日本にいながら、海外留学
しているようなもの。それも電話料金は国内料金のみ・・・。
このプログラムは人気が高く、すぐに定員に達します。今年も
9月末から始まります。今までは、CTPの受講生に参加を
限っていましたが、今回からは一般の方にも参加をオープンに
していますので、ぜひ、体験していただきたいと思います。
CTPが始まって7年経ちます。ブリッジは私たちにとって、
日常的なツールとなりましたが、先日、あるシステム会社の方と
ブリッジの話になり、「それは、テレビ会議のようなものですか?」
と聞かれました。日本では電話会議を使って勉強する構造が浸透
するのに、もう少し時間が必要なのだなとしみじみ思うとともに、
その素晴らしさについてお伝えする機会をもっと多く提供したいと、
燃えるこのごろです。
- 211投稿者:『相手をプロとして扱う』 投稿日:2004/09/17(金)01:19:25
- ストか否かで注目を集めているプロ野球ですが、
このままいけば後十数試合でペナントレースも幕を閉じます。
セ・リーグは今のゲーム差を考えると、おそらく覇者は
中日ドラゴンズとなるでしょう。そこで注目したいのが
落合監督のマネジメント手法です。
お気づきの方も多いと思いますが、新聞紙上から伝わる
彼の発言には、一切選手を否定するものがありません。
投手の起用等で失敗したとしても、「責任は監督である
自分にあります。」それで終わり。つい先だっては
「選手を叱ることはしませんよ。彼らはプロなんだから、
叱ったら失礼でしょ。」選手のセルフ・エスティーム(自尊心)を
徹底して守っています。企業研修で、この落合監督の話をすると、
参加者の方が決まっていいます。「そりゃあ、彼らはプロ
なんだから。僕の部下とは違いますよ。」でも、スポーツの世界
だけではなく、ビジネスの世界でも部下を徹底してプロとして
扱う人はいます。私がエグゼクティブコーチングをしている
大手複写機会社の営業本部長さんがそうです。彼はこれまで
行く営業所、行く支店、どこに行っても業績を飛躍的に伸ばされ、
若くして、本部長に抜擢された方です。
- 212投稿者:『相手をプロとして扱う』 投稿日:2004/09/17(金)01:21:16
- 彼曰く、「僕は絶対に部下を叱りません。業績が悪いときは向こうが
反省していますから。彼らもセールスのプロなわけですから。」
彼に尋ねました。「でも業績がなかなか上がらないときは
どうするんですか?」彼は間髪入れずに答えました。
「待ちます。待てるかどうかが管理職として試される瞬間だと
思ってますから。」「その間、私は自分の上司からどやされる
可能性があるわけですが、その叱責は部下に伝えず、
私のところでとどめます。私が感じているストレスをそのまま
部下に吐き出してしまっては部下がついてきませんから。」
ニューヨークヤンキースのトーリ監督も選手を叱らないようです。
不振の時に、どんなにあの強烈なオーナーのスタインブレーナー氏に
厳しい言葉を投げつけられようとも。全ての責任を自分で引き受けて、
選手を、部下をとことん自立したプロとして扱う。チームを勝たせる
一つの秘訣かもしれません。
- 213投稿者:『華のある人』 投稿日:2004/09/24(金)12:23:58
- 1996年、コーチングを始めるにあたって、経営者向けに
どのようなコーチング・プログラムを提供したらいいか、
自分のコーチにたずねたことがあります。彼は私に、直接、
経営者にどんなプログラムを求めているかについて聞くのが
早道だと言いました。それから、私は知人の経営者およそ
100人に声をかけました。そして、協力を約束してくれた
経営者100人を15〜20人のクラスに分けて、
ブリッジ(電話会議システム)を使ってセッションをもちました。
いま、経営者は何を求めているか?いい経営者とは?
悪い経営者とは?経営者の資質とは?これらの質問に対して、
参加してくれた経営者、一人ひとりに答えてもらいました。
その中で記憶に残るストーリーがあります。
- 214投稿者:『華のある人』 投稿日:2004/09/24(金)12:24:21
- それはある放送局のプロデューサーを経てコンサルタントを
始めた方で、彼は経営者の資質についてこう言いました。
「華のある人」
「それはどんな人ですか?」「俳優であれば、主役を演じたことの
ある人」「何か違いがありますか?」「ええ、違います。ですから、
華があるんです」「なるほど、ところで、ビジネスの世界では
どうでしょうか?」「それは、やっぱり責任を取ってきた人。
いま責任をとっている人でしょう。そういう人には華があります。」
頭のいい人、仕事のできる人、人に好かれる人はいます。
しかし、華のある人にはなかなか出会えません。できれば自分自身も、
またクライアントにも、華のある人になって欲しいという願望が
あります。そのためにも、私自身、すすんで責任を取っていこうと
思います。また、クライアントにもいま以上に
大きな責任を担って欲しいと思っています。
- 215投稿者:じゃろです 投稿日:じゃろです
- じゃろです
- 216投稿者:目標を明確にすること 投稿日:2004/09/25(土)15:22:06
- 目標を明確にすることで現状とのギャップを知り、
そのギャップを埋めるために行動する。
これが、コーチングが機能する構造の一つ。
私達は、押しつけられた目標でも、自分で立てた目標でも最終的に
行動する判断は自分で下している。では、人から押しつけられた目標と、
自分で立てた目標とどちらが効果を発揮するだろうか。
押しつけられた目標の場合には「自分が本当にやりたいことではない」
というブレーキが無意識のうちに働いてしまう。アクセルを踏み込む
逆の足で、ブレーキを踏んでいるのでなかなか前に進むことができない。
目標に向うエネルギーを効率的に行動につなげるためには、
目標が『自分で立てた価値のあるものであること』がとても大切。
これは、企業が採用する目標管理制度についても当てはまる。
コーチとして目標管理制度を提案する時、
企業自身(=自分)で立てた、企業にとっても社員にとっても
価値のある制度が完成するように注意している。
提案のスタートでは、会社としてどんな社員を望んでいるのかを
じっくり聞く。
次の段階でどんな目標管理制度が望む社員を育てるかを考える。
決して始めからこちらが用意した案を押しつけることはない。
- 217投稿者:目標を明確にすること 投稿日:2004/09/25(土)15:24:57
- 制度を作り上げていく段階で、最低限注意していることが3つある。
1.対象となる社員の立場にたって検討すること。
2.会社独特の個性を大切にすること。
3.目標管理制度で失う可能性があるものを明確にすると。
細かいことはまだまだあるが、この3点は必ず押さえている。
1.2.についてはわかりやすいと思う。
社員一人ひとりの個性、部署の立場、役職などの個人の立場を
できるだけ収集し理解し、会社の理念や今までの歴史や風土を
考慮しながら制度を作りあげる。
3.については、分かっているようで案外見落とされていることが多い。
時間や経費などは目に見えるため判断はしやすいが、
目に見えないマインドの部分は見落としやすい。
しかし、ここがとても重要なポジションをしめている。
コーチとして、制度を作る側に絶えず問いかける。
『その項目を加えることにで、なにか失うものはありませんか。
社員が行動を止めてしまうものはありませんか。会社として
大切なものを壊してしまうことはありませんか』。得るものと
失うものを絶えずイメージさせる。頭で考えるだけでなく、
口に出し、紙に書くことで明確にしていく。
- 218投稿者:『組織の雰囲気を変える』 投稿日:2004/09/30(木)14:39:53
- 先日、あるオーナー企業の社長からコーチングを依頼され、
お会いしてプレコーチングを行いました。コーチングの目的は
「会社の雰囲気を良くしたい」。古くから、組織の財産は、人、
物、金、であるといわれてきました。さらに知的財産という
考え方が加わって、すでに長い年月が経っています。
そして、この数年で新たにソーシャルキャピタルという考え方が
広まりつつあります。組織開発の分野においては社会関係資本
(人と組織の間にある見えざる資産)と直訳されているようですが、
誤解をおそれず簡単に言ってしまえば「組織の雰囲気の良さ」
「組織の風通しの良さ」は、その組織にとっての財産そのもの
なのだということなのです。「あそこの会社は雰囲気がいいですね」
「あのお店は感じが悪い」などという会話は今に始まったことでは
ありません。私たちは、雰囲気や感じの良い組織が、結果的に
生産性の高い組織なのだということをどこか直感で知ってるのです。
ひと時代前までは、組織の雰囲気をよくするための方法として、
社員旅行や飲みニケーションがよく行われたものです。ところが、
高度経済成長、バブル経済の崩壊、長引く不況を経て、
日本の組織風土は大きく変化しました。今や仕事とプライベートの
切り分けは当たり前になり、会社帰りに若い部下を飲みに誘うこと
さえ難しい職場もあると聞きます。
- 219投稿者:『組織の雰囲気を変える』 投稿日:2004/09/30(木)14:48:01
- 今までと同じやり方ではソーシャルキャピタルを上げることが難しく
なってしまったのです。多くの経営者やマネージャーがあらたな
コミュニケーションの手法を求めて頭を悩ませているといっていい
でしょう。さて、私はその社長に質問しました。「今はどのような
雰囲気なのですか?」「もっと元気な会社にしたい。今の社員は
おとなしすぎる」と社長は言います。私はさらに質問をしました。
「社長と部下とのコミュニケーションはどの程度ありますか?」
「コミュニケーションはたくさんありますよ。なるべく部下と話そう
と意識していますからね。」「それはすばらしいですね。では、
もうひとつ質問していいですか?社長と部下と何対何の割合で
話していますか?」その質問に社長は顔を赤らめながら答えました。
「8対2かな、いや9対1かな、いずれにしろ私が一方的に話してます。
だってね、桜井さん、しゃべりませんよ今の若いものは・・・」「社長。
コーチングの最も大切なポイントは双方向のコミュニケーションを
とることなんですよ。コミュニケーションはキャッチボール。もっと
部下にボールを投げさせないとね。そうすれば会社の雰囲気はかわる
んじゃないですか?」「それはそうだろうけど、実際にはどうすれば
いいのかな。桜井さんはどうしてるんですか?」「ふむ。確かに
難しいことですよねぇ・・・。」『若い者にしゃべらせるための
戦略を考えてくる』次のセッションまでの二人の宿題になりました。
- 220投稿者:トルネードの真っ只中でビジネス会議 投稿日:2004/10/08(金)14:53:34
- アメリカのコーチたちと仕事をする機会が最近多くなってきました。
その中で感じるのは、彼らのフットワークの軽さとツールの使い方の
うまさです。この連載でも、コーチングを教えるための電話会議
クラスについて、何回かご紹介しましたが、彼らにとって
コミュニケーションツールのシステムはなくてはならないもので
あるのを実感します。先日、朝早くに私がオフィスでメールを
書いていると、突然、インスタント・メッセンジャー(インターネット
で同時にログインしているもの同士が、お互いにチャットできるツール)
が飛び込んできました。「グッド・モーニング、今いい?」通常
あまりチャットすることのないコーチのデービッドからのお誘いでした。
「あなたがとっても興味を持つと思う人を紹介したいんだけど」
「今いいですよ。ちょうど時間あるし」と答えてる最中に電話が
かかってきました。「この間、君が興味を持っている分野についての
専門家を見つけたので、すぐにミーティングしない?金曜日の午前9時
なら空いているんだけど」「いいですよ。ではセッティング
お願いします。」さっそく、電話会議でのミーティングが
セッティングされました。相手は初対面のジョン。
ホストはデービッド。彼は当然私の関心ごとも、相手の魅力も
知り尽くしていますから、話はどんどん進み、協力関係を
結ぶことができる可能性を見出すところまでいきました。
- 221投稿者:トルネードの真っ只中でビジネス会議 投稿日:2004/10/08(金)14:55:25
- こういうとき、コーチが進行係を務めてくれると、本当に助かります。
コーチはこのようなビジネスの進行役にもまさに適任であると思います。
フロリダのデービッド、ジョージアのジョン、東京の私。いる場所は
違っても、話を進める機会を逃さない。システムを使って
貪欲にコミュニケーションを進める力強さを感じました。
この話にはおまけがあります。実は約束した時間にデービッドは
電話会議に入ってこなかったんです。初対面のジョンとふたりきりに
なっていました。少しギクシャクしながら、お互いに自己紹介。
それでも入ってこない。「じゃあ、仕事の話をしましょうか」と
話している最中に、大音響とともにデービッドが入ってきました。
「ごめーん、今トルネードの真っ只中で少し静かなところに場所を
移るから待っててね」と。そんな臨場感たっぷりの会話の後で、
ブツッと電話が切れ、私はジョンと思わず苦笑い。デービッドが再度
入ってきたころには、すっかり、場も和んでいて話も進んでいました。
国土の広いアメリカだからこそ発展しているこのシステム。
日本では、まだ直接話すことを大事にする文化ですが、システムを
もっと気軽に活用すれば、いろんな新しい可能性が開けると思っています。
- 222投稿者:
投稿日:
- 223投稿者:『同じ質問』 投稿日:2004/10/14(木)04:10:08
- この9月にコーチを変えました。新しいコーチが聞きました。
「鈴木さんならはじめてのクライアントにまずどんな質問を
します?」「単刀直入に『5年後は何を実現していたいですか?』
って聞きます。」「じゃあ、同じ質問をしていいですか?」自分の
クライアントには幾度となく繰り返してきた質問ですが、
改めて自分自身に向けられるとなんとも新鮮です。それまでの
コーチからは、主に「現在」についてコーチングを受けていたので、
久しぶりに正面から「未来」を聞かれて、心が躍りました。
次から次へ言葉が溢れ出ます。その一つ一つを丁寧に丁寧に
コーチがキャッチしてくれて。そうすると更にしゃべりが加速して。
考えてそれから言葉を外に出すというよりは、言葉それ自体が
意志を持っていて自在に外に飛び出していくような感じでした。
30分後、間違いなく30分前よりも5年後のビジョンはクリアに
なりました。1週間経って再びコーチングのセッション。
コーチが尋ねました。「鈴木さんが5年後に実現したいことは
なんですか?」「えっ、、、あっ、5年後ですね、、、」
同じ質問をされたことに正直驚きました。そして、なんと、
このコーチとはこれまで4回セッションを行いましたが、
毎回同じことを聞いてくるんです。「今日も5年後について
教えてください。」と。
- 224投稿者:『同じ質問』 投稿日:2004/10/14(木)04:12:52
- 自分の性格もあると思いますが、コーチをしていると、毎回
新しくて、クライアントをあっと言わせるようなセッションが
やりたくなります。常にクライアントの予想を裏切るような。
だから、5年後をテーマにしたら、次のセッションでは、突然
「で、今日の午後はどんな午後にするのか決めてます?」
というような意表をつく質問をすることが、クライアントの視野を
広めるために有効であると思いますし、同じ質問を繰り返していたら
クライアントに飽きられてしまうとも思います。でもこの
コーチは違った。同じことを聞いてくる。で、4回セッションを
受けて思いました。ずっと5年後について話していたいなと。
今週も来週も来月も来年も、ずっと5年後について話していたい。
毎週毎週5年後について問いかけられて、話をして、受け止められて、
また問いかけられて、それをずっと繰り返していったらどうなるだろう。
考えただけでわくわくします。同じ質問を投げかけられることの
力強さを実感している今日この頃です。
- 225投稿者:『コーチングとの出会い』 投稿日:2004/10/21(木)03:49:35
- 本日発売される『小さなチームは組織を変える』(講談社刊)を
記念して、伊藤守がコーチングと出会った経緯を柏原純が
インタビューしました。
─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・
1996年に初めて「コーチ」という名前を聞いたとき、ほとんど
同時にインターネットにアクセスして、アメリカのコーチ・
ユニヴァーシティに行き着きました。当時、インターネットの
プレゼンスプロバイダ事業を始めており、会社に専用線を引いて
いたこともあって、インターネットを通じて、
コーチ・ユニヴァーシティを始め、アメリカのコーチングに
関する情報を速いスピードで手に入れることができました。
私は1980年からコミュニケーションの研修事業を始めましたが、
1996年当時は、集合研修のほか、アクティブ・カウンセリングや
プレゼンスカウンセリングというネーミングで、ほとんど
One on Oneコーチングに近いことを始めていました。
ですから、すぐにコーチングの導入を決定し、実際に導入する
過程はとてもスムースなものでした。私にとって、もっとも
センセーショナルだったのは、「コーチ」というネーミングです。
私は「コーチ」、「コーチング」というネーミングそのものが、
教育におけるイノベーションであったと思っています。
- 226投稿者:『コーチングとの出会い』 投稿日:2004/10/21(木)03:50:25
- 「コーチ」という言葉によってもたらされる「明るくて活動的、
シンプル、可能性、目的志向、自由度が高い」などといったイメージが、
これまでの教育に対するイメージを一新したと思います。そして、
まず、私自身がコーチを受けてみたいと思いました。実際に、
1997年から今日に至るまで私はずっとコーチをつけています。
毎週のコーチングでは、コーチから本を紹介してもらったり、
資料を送ってもらったりしています。彼の持っているリソースは、
私自身のコーチングに使えるものを多く含んでいます。
また、常にコーチングに関する最新情報を入手するために
毎年アメリカで開催されるカンファレンスに出席しています。
自分自身が参加しないときでも、海外での勉強会やワークショップ
などに参加したスタッフを通して入手する情報は、現在の
マネジメントや教育に関する動向を知る上でとても勉強になります。
最近欠かさず読んでいるのは、英国のエメラルドという出版社の
発行する多数の学会誌に投稿された海外のコーチングや
マネジメントに関する学術論文です。現在コーチングについては
150以上、マネジメントについては、それ以上の論文が掲載
されています。コーチングの現状や、コーチングの将来を知る上で
欠くことのできない文献として、参考にしています。
- 227投稿者:『コーチングとの出会い』 投稿日:2004/10/21(木)03:50:44
- コーチになることで、勉強の機会が増えました。そのことに、
とても満足しています。勉強の機会が増えるのは、自分自身が
コーチをしていて、アウトプットの機会が増えていることや
また、Evidential Based(根拠に基づいた)な
コーチングを目指していることも関係していると思います。
クライアントと同じように、コーチもまた成長する。
コーチとして成長することは、クライアントに対して
より大きく貢献できる機会をもたらすと思います。
- 228投稿者:『1%の気づき』 投稿日:2004/10/27(水)23:11:41
- 先週発売された『小さなチームは組織を変える』(講談社刊)を
記念して、伊藤守のインタビューを3回連続でお届けします。
第2回は「コーチングを受けて一番よかったと思うこと」
「コーチにとって、何が一番必要だと思うか」という2点に
ついて聞きました。インタビューは柏原純が担当しました。
─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・
●コーチングを受けて一番よかったと思うことは?
経営者というのは、警戒心を強く持っているものです。私も
例外ではありません。そのために、自分の話すことに制限を
加えてしまう傾向があります。制限を加えてしまえば、当然、
アイディアも萎縮します。故にコーチングセッションで、
コーチとの信頼関係を築き、「良質のブレンストーミング」を
持つことができていることに、大きな価値を感じています。
思うがままに話すことで、価値ある気づきを手にしていると思います。
99%はとりとめもない内容です。しかし、残りの1%、その1%の
気づき、新しい解釈や視点は、経営に大きな違いをもたらしていると
思います。それには、一見無駄な99%のアウトプットが必要です。
99%のアウトプットを経て、1%の本音に行き着いているように
思います。本音は、他人にはなかなか明かしません。
同時に自分でも自分の本音に気がついていないことが多々あります。
- 229投稿者:『1%の気づき』 投稿日:2004/10/27(水)23:14:23
- 自分の本音を知ることは、会社を経営する上での戦略につながります。
良質のブレーンストーミングとは、自分の本音に気づくプロセスだと
考えています。
●コーチには、何が一番必要か?
コーチには経験が必要です。それは年数だけではありません。
マネージャー、エグゼクティブ、そして、経営者に至る、対象の
異なるコーチングの経験が求められます。ちなみに今の私のコーチは、
経営者だけに特化して10年以上のキャリアをもっています。
その経験からくる落ち着きや安心感は、コーチに対する信頼感を
もたらします。また、彼はいまでも勉強を欠かしません。おそらく
この10〜20年に発行された主だったビジネス書にはほとんど
すべてに目を通していると思います。また、コーチングの最中、
私の話を聞きながら、少しでも興味のある話になると、
「その情報源は?」と、旺盛な好奇心を見せます。彼には経験
だけではなく、コーチとして成長しようとする強い意志を感じます
実際彼はこの15年間計画的にキャリアを積んできたと言っています。
年齢の高いコーチは他にもたくさんいます。しかし彼の創りだして
いる違いは、豊かな経験を持ちながらも、その経験からものを
言わない点です。それが、私には心地よく感じられます。
- 230投稿者:『質の高いコーチング』 投稿日:2004/11/07(日)22:46:25
- ●質の高いコーチングを実現するために必要なものは何ですか?
〜プレコーチングの徹底〜
私はコーチングを始める前に、クライアントと十分なプレコーチングの
時間を持つようにしています。ほとんどの場合は面談で、1時間半から
2時間使います。時にはそれでは足りなくて電話でプレコーチングを
続けることもあります。コーチングとは何かを理解するために、
コーチングに何を期待しているかをハッキリさせるために十分な時間を
取ります。
〜アセスメントの使用〜
さらに、学習スタイル、タイプ分け、リーダーシップ、
コミュニケーションなどに関するアセスメントも使います。
最近では360度フィードバックのシステムを開発し、コミュニケーションや
リーダーシップについて、クライアントの上司や部下からフィードバックを
受け、それらをテーマにコミュニケーションを交わします。
コンピューターとインターネットを用いたシステムで、短期間に情報を
収集できるため、時間差のない、新鮮なフィードバックを受けることが
できます。私も自分で試しましたが、とても参考になりました。
- 231投稿者:『質の高いコーチング』 投稿日:2004/11/07(日)22:48:43
- 〜エバリュエーションプラン〜
コーチングによる成果を計るための基準をクライアントとコーチが
お互いに確認するようにもしています。コーチングや研修についての
ROI(Return On Investment)がよく話題に上がります。実際に投資に
見合うリターンが無ければ、コーチを雇う意味が無いわけです。
ですから、エバリュエーションプラン(Evaluation Plan)をつくって
コーチングに臨んでいます。
〜最後に〜
ともすると、コーチングは単にクライアントとのコミュニケーション
技術のように考えられています。しかし、実際には、アセスメント、
TIPS、リサーチ、360度フィードバック、ホームワーク、
エバリュエーションプランなどが用いられています。また、
クライアントがいつでも、コーチングのプロセスを振り返ることが
できるように、コーチとしてのセッションログも大事にしています。
質の高いコーチングを実現するためには、クライアントも何を実現
しようと思っているのか、何を変えようと思っているか、
それらについてできるだけ具体的にすることだと思います。
- 232投稿者:『最もシンプルで強力な質問』 投稿日:2004/11/11(木)11:04:57
- Aさんは東京近郊の総合病院で病理部長を務めています。Aさんは
部下との関係はすこぶる良好。しかし上司にあたる院長とうまが
合いません。コーチングの中でAさんからよく出てくる言葉は
「院長は話にならない」「あの院長がいる限りだめだ」「今の
プロジェクトがうまくいかなかったら院長を糾弾する」「院長の
せいで自分の仕事が思うように進まない」「他責」の言葉の
オンパレードなのです。私はAさんに質問しました。
「院長とどういう関係を作りたいのですか?」「ことあるごとに
ぶつかってしまうので、今のままでは自分の仕事も思うように進まない。
別に仲良くしたいとは思わないが、自分の仕事がもう少し自由に
出来るようになったらいいとは思います」「どうしたらそれが
実現できると思いますか?」「院長がいる限り難しいんじゃないかな?」
「もしAさんに出来ることがあるとしたらどんなことでしょうか?」
「こっちから歩み寄るということですかねー?」「Aさんから
歩み寄るってどういうことですか?」「こちらから話しかけるとか、
出張に行ったらお土産買ってくるとか・・・」「なるほど。それを
やったらどうなると思いますか?」「多少は違うんじゃないですかね。
でもそんなことをするのは媚びるようで僕のプライドが許さないな」
「プライドと仕事のしやすさとどちらをとりますか?
Aさんが今出来る最善の選択は何ですか?」
- 233投稿者:『最もシンプルで強力な質問』 投稿日:2004/11/11(木)11:05:56
- 「ふむ、難しい質問だ。少し考えさせてください」
1週間後、自分の仕事をうまくいかせるために、
いかに院長との関係を改善するか、
その戦略をつくることがAさんのコーチングのテーマになりました。
もちろん、プライドは脇に置いて。
コーチングは「自責」の立場に立って行われます。
「自責」とは今の状況は自分がつくりだしているという立場に立つことです。
自分が悪いという意味ではありません。
今の状況は自分がつくり出しているのだから、
その状況は自分で変えていくことが出来るという考え方です。
「あなたが今できる最善のことは何ですか?」
この質問は、どんな状況の相手に対しても、
最もシンプルで強力な質問だといえるでしょう。
- 234投稿者:「国際コーチ連盟2004年大会に参加して」 投稿日:2004/11/18(木)02:29:32
- 今年の国際コーチ連盟(ICF)の大会が11月3日から
6日にかけてカナダのケベックシティで行われました。
各国から参加者数が1100人。全米中で行われる各種カンファレンスの
参加者数が減っているといわれる中、これだけの人数が集まったことに
大会運営委員会は手放しの喜びようでした。これもひとえに、
「国際」コーチ連盟の名前どおり、世界各国からの参加者が増えた
こともいえるでしょう。ICFの大会のキーワードは
「コーチングのグローバル・フォーラム」。Internationalという
名前のとおり、国際的な集まりの場であるのですが、本当の意味での
ICFでのグローバリゼーションは始まったばかりだと感じます。
私がICFの大会に行き始めたのは、5年前。その頃のコーチたちと
いえば、アメリカ人、白人。それが唯一のコーチの姿でした。
3年前初めて参加したICFの理事のミーティングでは、私がいた
せいか、委員長のボベットが「これはインターナショナルメンバー
にとっても・・・」という言葉をよく口にしました。私はそのとき
思わず「あなたは、アメリカのコーチを念頭において話している。
日本のコーチには、必ずしも当てはまるわけではない」
と言ったことを覚えています。そのとき、一瞬会議の雰囲気が
シーンと凍りついたものです。そのことについて、今回集まった
ときにボベットはこう言いました。
- 235投稿者:「国際コーチ連盟2004年大会に参加して」 投稿日:2004/11/18(木)02:31:43
- 「3年前のケイコのあの言葉は私のターニングポイントになった。
私は自分の基準でしかものを見ていなかった」委員長を退いた
ボベットは、今、ICFのグローバルコミッティの主催者として
活躍しています。会場では「チョイス」というコーチ専門雑誌の
編集長とも話をしました。「記事にインターナショナルな内容も
組み込みたい・・・」と。そのときも、「あの、あの国ではこう、
この国ではこう、というストーリーはあまり興味ないの。
興味あるのは、どういうコーチがいて、どういうコーチングが
行われているのか、そのモデルの多様性なのよ」と伝えていました。
インターナショナルを意識するというのは、区別化することではなく、
多様性を発見することなんだなあ、と話しながらしみじみ感じました。
そんなことに気づくことができるのも、ICFという
プラットフォームにいるからと、来年のことを楽しみに思いました。
今年は、十数名の日本からの参加者がいらっしゃいました。
来年は、日本から発信するコーチングのモデルを紹介する年に
したいと思っています。来年の大会は11月9日〜12日に
カルフォルニア州サンホゼで開催されます。
カレンダーにチェックしてぜひ、参加しましょう。
- 236投稿者:「可能性を拓く」 投稿日:2004/11/25(木)01:53:20
- 11月の初旬にカナダのケベックで開催されたICFの大会で、
とても素晴らしい講演に出会いました。普段から様々な人の
講演を聴きますが、これまで聴いた中で間違いなくベスト3に
入る講演でした。講演者の名前はベン・ザンダー。
ボストンフィルハーモニーの指揮者です。テーマはリーダーシップ。
彼はフィルハーモニーの指揮者を務める傍ら、音楽学校も
経営しています。フィルハーモニーの演奏には、いつも50席程、
音楽学校の生徒を招けるように席を用意しています。ある時、
フィルハーモニーのコンサートにヨーロッパからゲストピアニストを
呼びました。前評判は非常に高く、チケットはあっという間に完売。
当日は演奏前から会場は大変な熱気に包まれていました。
いよいよこれから開始という時に、高揚した気持ちでザンダーが
観客席を見上げると、音楽学校の生徒がいるはずの席が半分ほどしか
埋まっていません。多少気になりながらもザンダーは指揮を始めました。
大成功で終わった演奏後、ザンダーはスタッフに聞きました。
「うちの生徒はどうしたんだ?」帰ってきた答えは
「どうもショッピングモールに遊びにいったらしいです。」
ザンダーは、頭に一気に血が駆け上るのを感じました。
チケットを手に入れたくても手に入れらない人がたくさんいる中で、
せっかく空けてあるシートを無駄にして、ショッピングセンター。
- 237投稿者:「可能性を拓(ひら)く」 投稿日:2004/11/25(木)01:58:30
- 彼は収まりきらない気持ちを抱えたまま家に帰りました。
家で奥さんにそのことを話すと、コーチでもある彼女は
言ったそうです。「リーダーには常に3つの選択肢があるのよ。
相手に妥協すること、相手にフラストレーションを感じて怒りを
投げつけること、そして相手の可能性を拓くこと。あなたは
どれを選択するの?」ザンダーは考えました。明日生徒に
何と言ったらいいのだろうかと。そして、次の日。
コンサートをすっぽかした生徒を前にして彼はいいました。
「君たちは昨日コンサートに来ずにショッピングモールに行く
ことを選んだ。でもそれは全くもって私の責任であって、
君たちの責任ではないんだ。今回のコンサートがいかに
君たちのキャリアにとって意義深く大事なことであるかを、
私は伝え切れなかったのだから。許してほしい。本当に
申し訳ないことをした。」それ以降、その生徒たちは、
かつてないほど熱心に音楽の習得に努めたということです。
もちろんコンサートをサボることは二度とありませんでした。
相手の可能性を拓くということの可能性について、
深く考えさせられた講演でした。
- 238投稿者:「もしも、ウサギにコーチがいたら」 投稿日:2004/12/01(水)22:29:20
- 『もしもウサギにコーチがいたら』という拙著に
こんなフレーズがあります。「もしも私がコーチなら、
ウサギ君の苦手な泳ぎを教えて、弱みの克復なんかさせない。
それよりは、彼の高速90度ターンに磨きをかける」。
ここは、自分でも好きなフレーズです。
今年のオリンピックの前に、オリンピック強化選手に
話を聞く機会がありました。そのとき、私が一番
知りたかったのは、オリンピックの選手と、県大会に
出る選手とでは何が一番違うのか、という点です。
それについて、一人の選手がこう話してくれました。。
「自分も、ついこの間までオリンピックなんて考えても
いませんでした。でも、チャンスがあって、ヨーロッパ遠征
に出かけたときに、世界クラスの選手と一緒に泳ぐ機会があって、
そのとき、『手が届くんだ』と思ったんです。オリンピックが
見えたんです。」県大会で活躍する選手も、オリンピックの選手も
実は、体格や体力にそう違いはないのかもしれません。
しかし「視点」が変わったとたん、練習の質も、目標も、
泳ぎの質も変わりました。世界を見るようになってから、
全部変わったと思います。
- 239投稿者:「もしも、ウサギにコーチがいたら」 投稿日:2004/12/01(水)22:29:52
- 今度、ウサギをコーチすることがあったら、世界に
視点を向けられるようなコーチングをしたいものです。
気をつけていなければならないのは、コーチが無意識に、
自分のサイズにクライアントを合わせてしまおうとする
ことだと思います。
- 240投稿者:1対1面談 投稿日:2004/12/05(日)13:03:51
- 目標管理制度の中で、上司と部下が一緒になって一年を見つめ直し、
来年の目標を立てる面談の時間はとても大切で次への成果も期待できる。
定期的に時間を作ることが難しい会社でも年に一度くらいは個人面談を
設定して欲しい。面談を設定し、上司と部下が向かう段階となった時、
どんなことに注意をしたらよいのか?今回は、そんな時のヒントを
紹介したい。
《場所の設定》
皆さんが個人面談を設定する時、どの場所を選ぶだろうか。
場所の設定は面談の成果に直結する大切な要素のひとつであり、
その選定は慎重に行って欲しい。社長室、上司の部屋、応接室、
会議室、休憩所や喫茶店などがその候補に上がる。先ず確認して欲しい。
設定した場所は、上司と部下とどちらのテリトリーとなっているだろうか。
もし、上司のテリトリーで面談を行うとしたら、部下がどこまで自分を
開放して話しをしてくれるか少々疑問が残る。上司のテリトリーに
一歩足を踏み入れた部下は、体が緊張し、敵陣に突入する部隊のように
防衛本能が働いた話しになる可能性が高い。来年の目標を話し会い、
社が前に進むため、上司と部下が膝を割って話し合うことができる様、
今年は部下のテリトリーに上司が出向いて面談して欲しい。
- 241投稿者:1対1面談 投稿日:2004/12/05(日)13:04:38
- 《座る位置》さあ、部下のテリトリーに上司が出向きました。そこは、
会議室か喫茶か、部下の机なのかもしれない。その時、上司である
あなたはどのような配置で座るのだろうか。正面に向かいあう、
斜め横に座る、同じ方向に向かって真横に座るなどが考えられる。
正面に向かい合う位置を『敵対位置』と呼んでいる。正面に相対して
話しをしている場面を想像すると労使交渉を思い出してしまう。
交渉、そう、自分の考えを相手に認めさせようとお互いが自分を
押し通している姿だ。これに対して、斜め横や真横の位置を
『友好位置』と呼んでいる。恋人同士がカウンターで話をしている姿、
横顔を見たり、視線を外に外したり、話の進み具合に応じて自然に
自由な動きができる。上司との会話には、斜め位置をお勧めしたい。
場所や位置だけをとっても面談の成果が左右されることがある。
- 242投稿者:『エニアグラム』 投稿日:2004/12/05(日)13:05:19
- エニアグラムの起源は、2千年前といわれています。エニアグラムは、
人が持つ「動機」よって9つのタイプに分ける性格類型論です。自分と
向き合い、自分を理解して、はじめて他人を理解することができます。
セミナーでは自分のタイプを知るとともに、タイプ別の特徴を理解します。
特徴を知ることで、他の方が起こす行動の源を理解し、より良い
コミュニケーションを実現するキッカケを提供致します。エニアグラムは、
企業の中で、研修・教育や採用に、コーチングや研修講師に、家庭や
社会などの様々な場面で役に立ちます。講師の言葉を借りると、
【自分の「無意識に表れる言動や動機」を知っていることで、より
ニュートラルでいらることに役立つ】【相手のもつ「価値観」や陥りがちな
「囚われ」を把握しやすい】【個人の特性というより、タイプの特性と
捉えることで、自分と異なる他人を受け入れやすくなる】など、学ぶ
ことのメリットがあります。
- 243投稿者:1対1の面談 投稿日:2004/12/05(日)23:19:33
- 今月も、一対一の面談のヒントをお届けしたい。
部下のテリトリーに出向いて、友好位置に座るところ
まではできたのだが・・それだけでは部下の本当の声を
聞きだすまでは至らない。上司から掛ける言葉によって
せっかくのセットアップも無に帰してしまう。
《なぜ》・・今年の成果を振り返るときに「なぜ」と
質問する上司がいる。「なぜ売り上げ目標の80%しか
届かなかったのか」「なぜ、○○社とのコンペに負けたのか」
一見質問のようだが、失敗を責められているように聞こえる。
質問の形をした詰問になっているところに注目して欲しい。
これでは、部下は前向きな発言をせず、ひたすら言い訳に走る
ことになる。その理由は、自分に向けられた責任を他に転嫁
したい、自分が犯人でないことを証明したいのだ。エネルギーを
言い訳作りに注ぐのを、上司のサポートで取り除いて欲しい。
《なに》・・エネルギーを前向きなものに注ぐためにも「なに」
ということばをお勧めする。「なにがあったら100%が達成
できたと思う」「コンペに勝つにはなにが必要だったのだろうか」
部下はいろいろなアイデアを話し始めるに違いない。部下が本当の
声を話すことから、新しい目標と行動が生まれてくる。「なに」が
使い難い場合「どうしたら」も同じ効果があるのでお試しいただきたい。
- 244投稿者:「3分間で話を伝えるエキスパートたち」 投稿日:2004/12/20(月)21:47:07
- 前回、ケベックシティで行われた国際コーチ連盟の大会の様子を
お伝えしましたが、今日はその続報です。1300人のコーチが
世界各国から集まる大会ですから、素晴らしいコーチに数多く
出会うまたとない機会です。私たちはいつも、宿泊するホテルの
部屋にコーチを招待し、ミニ・プログラムをしてもらったり、
情報交換のためのパーティを開催したります。
余談ですが、パーティで日本酒を振舞うと、とても喜ばれます。
さて、今年は、スィートルームを一室押さえました。そして、
日本からテレビクルーよろしくビデオカメラを担いで行きました。
実は、コーチ・トゥエンティワンでは毎年、電話会議システムを使って
海外のコーチによるプログラム「ゲスト・コーチシリーズ」を
行っています。「日本にいながら海外留学」ではないですが、
海外の一流コーチを電話会議に招待して、通訳つきで話を聞くのです。
豊富な経験を聞くのはとても刺激的です。2005年は、この
シリーズを毎月開催する予定で、その講師となる人たちの
「プロモーション・ビデオ」を撮影することを企画しました。
そして、会場で「何時何分に集合」と声をかけました。
この撮影にかかる時間はひとり3分ほどなのですが、向こうの
コーチたちの言葉を簡易にまとめる能力の高さには、脱帽します。
- 245投稿者:「3分間で話を伝えるエキスパートたち」 投稿日:2004/12/20(月)21:48:31
- ぶっつけ本番にもかかわらず、言いたいことをクリアに言い切る。
使う言葉も明快で、コミュニケーションのプロであることを
感じさせます。ほとんど1回でオーケーです。
・専門家をコーチする方法
・コーチの認定を取得するための戦略
・コーチとしての必要なスキル
をはじめ、シリーズとして来年スタートしますので、
楽しみにお待ちください。
さて、実はこの撮影にはあるエピソードがあります。
撮影用の照明を借りたいと、ホテルのコンシェルジュに
依頼しました。そのコンシェルジュは担当者にすぐ電話して
相談してくれたのですが、(フランス語で)何かもぞもぞ話して
いる模様。どうやら「そんなこと聞けないわよ」と言っている
ようです。ちょっと躊躇した後に、彼女は申し訳なさそうにこう
聞いてきました。「その撮影の目的は何ですか?」
後でわかったことですが、どうやら、ポルノグラフィーではない
ことを確認したかったとのこと。それは確かに言いにくいですよね。
- 246投稿者:「ピアノのコーチ」 投稿日:2004/12/23(木)05:32:37
- 11月に37歳になりました。誕生日を記念して、何か新しいことを
スタートしたいと思い、ピアノを始めることに決めました。
「コーチ」は弊社に契約社員として勤めているSさんに
お願いすることにしました。Sさんは音大卒で、普段は何人かの
生徒さんにピアノを教えながら、日中は弊社で働いてくれています。
どちらかと言えばもの静かに淡々と仕事をこなすタイプです。
ピアノの「コーチ」としてもきっとどこまでも清楚に可憐に教えて
くれるのだろうと思っていました。ところがレッスンを始めてすぐに
その予想が全く外れたことがわかりました。「コーチ」としての彼女は
どこまでもアクティブで、躍動感があって、そして楽しそうなのです。
教え方もまさに「コーチング」でした。第一回目のセッション。
彼女はまず、全てこちらに選ばせました。「何を弾きたいですか?」
「ねこふんじゃった」みたいな基本曲からやるのかと思っていた私は、
少し驚いて「何でもいいんですか?」「はい!弾きたいものを
おっしゃってください!」結局「冬のソナタ」の挿入曲「My Memory」
を選びました。譜面を見ていると、「どこから弾きたいですか?」
「えっ、最初からじゃないんですか?」「そんなことないですよ。
弾きたいところからやりましょう!」前奏ではなく、いきなり
さびの部分から始めました。まずはちょっと退屈な基礎、それから
応用と思っていたわけですが、いきなりクライマックスがやってきました。
- 247投稿者:「ピアノのコーチ」 投稿日:2004/12/23(木)05:37:32
- もう気分はペ・ヨンジュン。どんどん自分のモチベーションが高まって
いくのがわかります。譜面の読み方などでわからないところがあって
質問すると、本当に楽しそうに、にこにこしながら、「なんでそう
書いてあるんだと思いますか?」決して答えてはくれません。「ん〜。」
答えられないでいると、「じゃあ3択にしますね!」最後の最後まで
こちらに探り当てさせます。それがゲームをしているようでとても楽しい。
答えがあっていたり、ちょっとでも弾けると「素敵!」彼女のほめ言葉の
バリエーションはこれだけです。もう頻繁に「素敵!」本当に楽しそうに
全身を使って「素敵!」照れくさいような、嬉しいような。でも繰り返し
聞いていると、がんばってまたその言葉を聞きたいという気持ちが
自分の中に生まれてくるから不思議です。「これ難しい!」とこちらが
言えば、満面の笑みで間髪入れずに「簡単です!」「時間がかかるね
これ。」といえば「すぐですよ!」ネガティブな発言はことごとく
ポジティブな表現に変換されていきます。セッションが終わったときには、
「今日は楽しかったです!」を本当に楽しそうに連発してくれました。
それを聞くとこちらの楽しさもさらに増幅されます。30分間のピアノの
レッスンは本当にとても楽しいものでした。
- 248投稿者:「ピアノのコーチ」 投稿日:2004/12/23(木)05:38:08
- 私の年代の女性は小さい頃にピアノを習っていたという人がとても
多いわけですが、「ピアノ?小さい頃習ったけど辞めたわ。
友達もみんなそうだった。弾けないと怒るのよねピアノの先生。
楽しくないのよ。それでだいたいいやになってやめちゃうのよ。」
Sさんみたいな先生がもっとたくさんいたら、今頃日本には
ピアノの演奏者があふれていたかもしれません。
- 249投稿者:「信頼はトレーニング」 投稿日:2005/01/07(金)01:20:18
- 私が学生の頃は、よく忠犬ハチ公の前で人と待ち合わせをしました。
ほかには東京駅の銀の鈴とか、銀座のソニービルの前。待ち合わせと
いうのは今思えば結構ドキドキするものでした。私は時間にうるさい方
でしたから5分ぐらい前に行って待つ方なのですが、待っている間
というのは、いろいろなことを思うものです。時間になっても相手が
来なかったりすると5分ぐらいはいいのですが10分15分となると
いたたまれなくなります。やがて申し訳なさそうな顔をしてやってくる
友達をつい怒ってしまうのは、心配して心が固まったのがとけて甘えたい
ような気持ちだったんでしょうか?最近は待ち合わせに遅れたって大丈夫
です。携帯電話がありますから。「ごめんごめん、あと5分でつくからね」「今どこ?」「渋谷だよ」なんてね。携帯電話ができて、とても便利に
なりました。ほとんどの人が持っていて、今やメールまで使えるように
なりました。でもですね、携帯電話のせいかどうかはわかりませんが、
待ち合わせで相手は本当に来るんだろうかと気をもみながらも「きっと
来るに違いない」という相手を「信じる」気持ちは失われたように思います。
人を信用するのは能力です。相手が信用できる人間かどうかを見分けるのも
能力なら、来ると信じるのも能力なんです。だまされないことは大事ですが
信じるのも大事です。確かに期待を裏切られることが多く、夢も色あせる
毎日です。しかし、人を信じる練習をしなければ、人とチームを組んで
何かを実現するという醍醐味を味わうこともないでしょう。
- 250投稿者:「気分よく、ご機嫌に、快適に」 投稿日:2005/01/13(木)02:28:28
- 私の義理の父は、伊豆高原の永住型別荘地に一軒家を構え、夫婦二人で
悠々自適の生活を送っています。官庁勤めだった父は官舎に生活する
傍らで、貸し別荘として伊豆高原に家を建て、綿密な人生設計の基に
定年とともに移り住みました。芝生の庭、柴犬、家庭菜園、遠くに
海を見ることのできるお風呂はもちろん温泉、というすばらしい
セカンドライフをすごしています。父の送る生活は、私にとって、
とても分りやすい理想の老後でした。ところが、定住を始めてしばらく
のうちはよかったのですが、2年経ち、3年経ち・・・と時間の経過
とともに少しずつ気難しい感じが増しているのです。ちょっとした
ことで怒りだしたり、些細なことで不機嫌になってしまう。セカンド
ライフを楽しんでいるようにはあまり見えません。私の自宅の隣には
叔父が住んでいます。叔父と義理の父は二人とも66歳。同じ歳です。
叔父はプラスチックの精密接着という特殊技術を持ついわば職人です。
自宅に小さな工場を持ち、いまだに現役で働いています。収入はそれ程
多いわけではありません。その上、見た目には変化のあまりありそうに
ない精密接着という地味な仕事を中学卒業以来、50年間も続けている
のです。「仕事が好きなわけじゃないけど、お金が無いからやめられない」
「頼まれるからしかたない」と口では愚痴りながらも、にこにこしながら
溌剌と暮らしています。細かい作業やルーティンワークの苦手な私にとって
叔父の仕事やライフスタイルはとうていモデルとはいえません。しかし、