- 1投稿者:まりや 投稿日:2003/03/09(日)23:09:31
- コーチへの道
- 251投稿者:「気分よく、ご機嫌に、快適に」 投稿日:2005/01/13(木)02:28:50
- 愚痴をいいながらも毎日を楽しそうに生活しているその姿はどこか心
魅かれるものがあるのです。父と叔父との差はいったい何なのだろうか?
気分よく、ご機嫌に、快適に生きるためには何が必要なのか?
これまで私は、義理の父のような生活にずっとあこがれていました。
ところが父の不機嫌さを目の当たりにして、自分にとってはいったい
何が大切なのかを考えさせられる年末年始となったのです。義理の父は
完全にリタイアしています。叔父は細々ながらも仕事を続けている。
どうもこの辺がポイントのような気がしてなりません。私は今年で
47歳になります。あっという間に、自分の老後がちらちらと頭を
かすめるような歳になりました。コーチ・トレーニング・プログラムの
参加者の中には、リタイア後の第二、第三の仕事としてコーチという
仕事を選び、活躍している方が大勢います。これまでのキャリアや
人生経験をそのまま活かすことができる。自分のペースで仕事をする
ことができる。頭が働いて会話ができれば何歳になってもできる。
人に対して貢献できる。というような特徴を持つコーチという仕事は、
リタイア後の仕事としてうってつけです。私には、義理の父のような
綿密な人生設計はありませんし、叔父のような特殊技能を持っている
わけでもありません。しかし、幸いにして私はコーチという仕事を
選んでいます。自分の将来を考えたとき、コーチという仕事にいち早く
出会えたことは、本当に恵まれていることだ思うのです。
- 252投稿者:「どこにでも飛び込んでくるコーチたち」 投稿日:2005/01/24(月)01:31:50
- 昨年、ケベックで行われた国際コーチ連盟の大会に来ているコーチたちを
部屋に呼び、プロモーションビデオの撮影をしたことをお伝えしましたが、
いよいよその「ゲストコーチシリーズ」が2月からスタートします。
このプロジェクトを進めるにあたって、パム・リシャードさん(国際
コーチ連盟の2005年度の副代表)が大いに力を貸してくれました。
パムは、アメリカコーチ・ユニバーシティの設立時からのメンバーで
副社長も務めた人です。彼女に「来年ゲストコーチとして、日本の
コーチたちに75分間のオンラインクラスをやってくれる人を
集めてほしい」と伝えたところ、ヒラヒラとドレープのある服を
なびかせながら会場を巡り、(彼女はそういう服が好きなのです)、
次の日には5人集めて、撮影会場に連れてきてくれました。
また、大会が終わった後も声をかけ続けてくれ、8人のコーチによる
プログラムが決定しました。(今後も増える予定です)
彼らと仕事するととても面白いのは、メールの使い方。このような
プロジェクトができると、彼女はお互い知ってる人も知らない人も
かまわず、一緒に同報メールで情報を送ってしまうのです。
- 253投稿者:「どこにでも飛び込んでくるコーチたち」 投稿日:2005/01/24(月)01:32:14
- 「日本で、こういう感じのトピックで75分の内容でやりたいのですが、
協力してください。詳しくはKeikoに聞いて!」こういうノリです。
もちろん、パムに対する信頼度が高い、という前提があるのでしょうが、
こちらからアプローチすると、一人一人実に誠実に対応してくれます。
私としては、会ったこともない人たちなのですが、最初から「Hi,Keiko!」
とまるで、古くからの知り合いのよう。クラス運営に必要な資料や写真
などを送ってくれるようにリクエストすると、すばやく送ってくれます。
この経験は、7年前の、コーチ・トゥエンティワンの設立時のことを
思い出させます。ご存知、デービッド・ゴールドスミス氏と弊社の社長の
伊藤守が「コーチングって何?」とメールでやりとりをしたとき、
お互いのことをほとんど知らないにもかかわらず、「日本に来て
コーチングの研修をやってくれないか」とリクエストしたところ、
すぐに「飛行機の切符をとりました」という返事をもらって、仰天
したことを思い出します。使い古されている言葉ですが、「パイオニア
精神」というものを感じます。彼らは、いつでも自分が必要とされれば
飛び込んでいく。それが絶大なる信頼感を得るのだな、ということを
実感します。
- 254投稿者:「2つの育成手法」 投稿日:2005/01/29(土)01:05:16
- 育成手法の一つの大別の仕方は、それが「弱み克服型」であるか
「強み伸長型」であるかです。企業の管理職にコーチングの研修を
していると、受ける質問のほとんどは、「うちの部下が○○ができない
んだけれどもどうしたらいいでしょうか?」という類の質問です。
彼、彼女の弱みを克服させたいということですね。
「うちの部下は○○がいいところなんですが、 どうやったら
もっと伸ばしてあげられるでしょう?」という質問を受けることは
滅多にありません。どちらの手法が優れているということでは
ありませんが、日本では、学校でも、職場でも、家庭でも、
弱み克服型のスタンスが取られることが多いようです。
先日、私の知人と話していたときのことです。彼の家では、
アメリカ東部の中学校に息子さんを入れることにし、家族でそこに
移り住むことにしました。どんな学校なのかと聞くと、なんでも
好きなこと得意なことしかやらせない学校だと言います。
カリキュラムも一切なくて、子どもがやりたいと言ったことだけを
支援し、教育する。やりたいことこそがその子の強みであり、
それしかやらせない。それを謳う学校は多いけれど、そこはそれが
徹底しているんだ、と。彼は高揚した面持ちで続けました。
「実は先月、親の面接があってアメリカまで行ったんだけど、聞かれた
質問はひとつだけなんだよ。『息子さんのことを信頼してますか?』
- 255投稿者:「2つの育成手法」 投稿日:2005/01/29(土)01:05:35
- って聞くんだ。『もちろん!』って答えたら、今度は『あなたは完全に
息子さんを信頼していますか?』って聞くわけ。『完全にっていうのは
どういうことだ?』って尋ねたら、こんな話をしてくれたんだ」
・・・・・あるとき、一人の生徒がいた。彼は釣りが好きで、釣り
ばっかりやっていた。入学して1年、毎日釣りをやり続けた。
それでも両親は子どもを信頼しようと、何も言わなかった。
2年目になっても、相変わらず釣りしかしない。さすがに両親も
心配になって、学校の先生に尋ねた。「うちの子は大丈夫でしょうか?」
先生は答えた。「完全に信頼しているって言いましたよね」3年目。
やはり来る日も来る日も釣りは続いた。両親はもう彼の教育については、
半ば諦めていた。4年目に入ったある日、その子は何の前触れもなく
ぱたっと釣りをやめた。そして写真に興味を持ち始めた。学校は彼のために
予算を取って、立派な暗室を校内につくった。さらに、写真を本当に
極めるには数学の知識が必要になるため、学校は彼に数学の個人
チューターをつけた。数年後、彼は大変著名な写真家として、世界を
股に駆けて活動するようになった。・・・・・
この学校は、スポーツ、芸術、ビジネス、医療、各界に著名人を
輩出しているとのことです。一概に全ての場合に、こうした手法が
いいと言えるわけではないと思いますが、弱み克服型の育成スタンス
に慣れた日本人にはなかなか刺激的な話でした。
- 256投稿者:「銀色のコーチ」 投稿日:2005/02/04(金)06:31:53
- カナダのトロントに住んでいる、私のコーチの年齢は73歳。
彼はとてもエネルギッシュで、コーチングに情熱を傾けています。
私とのコーチングセッションで、毎回のように「君と話すのは
とても楽しい」と言ってくれます。彼に一度、コーチとしての
資質についてたずねたことがあります。彼は即座に「経験」と
答えました。彼は最初ボートのローイングのコーチをしていました。
そして、次に企業のマネージャークラスのコーチになりました。
彼は、マネージャークラスへのコーチングと、エグゼクティブへの
コーチングはまるで違うと言います。マネージャーに対しては
コーチが教育する部分が多くある。しかしエグゼクティブになると、
エグゼクティブ自身の話す時間が多くなる。どちらもコーチングでは
ありますがやはりエグゼクティブのコーチをするようになるためには
充分な知識、経験が必要だと言います。彼はすでにビジネスコーチ
として20年近いキャリアをもっています。充分な経験を持ちながら
も、知識欲は旺盛で、私のコーチングについても興味をもって
いろいろ質問をしてきます。また、読書量も豊富で、毎回のように、
私にも本を紹介してくれます。彼から紹介された本を読むのも、
コーチングを受ける楽しみのひとつです。
- 257投稿者:「銀色のコーチ」 投稿日:2005/02/04(金)06:33:06
- さて、私は今、シルバーエイジ(何歳からそう呼ぶのか定かでは
ありません。たぶん50歳以上)の方にコーチングを学んでもらう
プロジェクトに着手しています。これまで蓄積された経験や知識を
整理し、それを後進の成長に役立てる。後進をコーチする能力を
身につけ、若い人たちの成長に役立ちたいと思っている人たちに
向けてのプログラムをつくっている最中です。彼らがもっている
知識や経験が埋もれてしまうのはとても惜しいことです。ともすると
若い人たちはシルバーエイジの方々を敬遠しがちですが、それは、
コミュニケーションの機会がうまくもてないだけなのではない
でしょうか。コーチ・トゥエンティワンのコーチ・トレーニング・
プログラムには、50歳以上の方の参加が毎年増えており、この
機会に、彼らと一緒に、どうしたら後進に対して貢献できるか?
ということについて、研究したいと考えています。また、シルバー
エイジのコーチのネットワークを広げて、それそのものも楽しみたい。
貢献できる場や機会があることは、素敵なことだと思います
- 258投稿者:「花を咲かせる」 投稿日:2005/02/10(木)03:44:41
- 私はお酒が大好きで、20才を過ぎて父親と晩酌をするように
なってからこの歳までの20数年間、殆ど毎日お酒を飲んでいます。
10年ほど前から、定期的に人間ドックに行くようになりました。
そのたびにお医者さんから言われることは決まっています。
「太りすぎ、脂肪肝、血圧高め」「体重を落としなさい」
「休肝日をもうけなさい」その場では神妙に、はいはい、
わかりました、とは答えます。内心は今のままではまずいとは
わかっているのですが、かといって実際にダイエットするとか、
禁酒するとかいうように実際の行動に移したことはありませんでした。
昨年末の人間ドックでも血圧が高いことを指摘され、看護師さんから
詳しい説明を受けました。看護師さんは50歳半ばぐらいのきびきび
した女性です。私は机と椅子二つがやっと入るくらいの小さな個室に
通されました。「毎日日本酒を2合、10年間飲み続けると、血圧が
上昇することは医学的に証明されています。もしこのまま飲み続けると
高血圧の治療が必要になるのは確実だし、脳溢血や心筋梗塞などの
リスクも高まります。体重を落として、お酒は減らしましょう。」
ふんふんそうですか、わかってます。私は心の中で思いました。
そのセリフは毎回言われてますから。看護師さんは一息ついて、
それまで下を向いて話していた顔を上げて、今度は私の目を見ながら、
ぐっとこちらに迫ってくくるようなトーンで話しはじめました。
- 259投稿者:「花を咲かせる」 投稿日:2005/02/10(木)03:45:15
- 「桜井さん、これからじゃないですか。いままでも十分活躍してきたと
おもうけれど、40歳後半から50代。仕事がおもしろくなって本当に
活躍するのはこれからですよ。やりがいはこれからですよ。いままでは
種まき。やっとこれから桜井さんにとって本当の花が咲いて実になる
んじゃないですか。これからが楽しいんですよ。だから最高の
健康状態をつくって、毎日気分よく働かなきゃ!」今まで、
お医者さんや看護師さんから、このまま行くといかにひどい目に
あうか、という話は嫌というほど聞きましたが、楽しい未来に
ついて言われたのは初めてのことだったと思います。多少お説教
じみて聞こえはしましたが、看護師さんとの短いやりとりの間に、
いきいきと楽しそうに人生を過ごしている自分自身の映像が
目の前にパーッと広がりました。そのビジョンは、私の行動を
確実に変えました。今年に入ってから、体重と血圧のコントロールに
励んでいます。やっていることは、起床時、就寝時に体重と血圧を
計って記録すること。そして、20年以上続けていた晩酌をやめました。
体重は1ヶ月で約4キロ、血圧は5〜10mhg近く下がってきています。
どうも、私にとっての行動の源は、ネガティブな脅迫ではなく、
明るいビジョンの広がりにあるようです。
- 260投稿者:「ケイコーゥ、プリーズ」 投稿日:2005/02/18(金)12:44:12
- 昨年から今年にかけて、コーチ・トゥエンティワンのオフィスでよく、
こんな風にスタッフから声かけられます。「平野さーん、”ケイコーゥ、
プリーズ”という電話が来ています。代わっていいですかー」と。
この1年間で顕著な傾向として、外国の人からの問合せが増えたことが
上げられます。先日は、私が理事を務めていた国際コーチ連盟(ICF)の
副理事クリスティーンの紹介で、という男性から電話を受けました。
その人は関西に在住し、コーチとコンサルタントをやっているとのこと。
コーチ・トゥエンティワンとコラボレートして仕事ができないかという
オファーでした。その後、丁寧に英語と日本語で書かれた事業計画書が
送られてきました。次の日は外国に本部がある教育機関の人が尋ねて
きました。コーチングについてのカリキュラムについて相談。
コーチングを学ぶ場を広げたいので、コーチングのパイオニアと組んで
何かできないか模索したいというものでした。また、アメリカ商工会議所
が出している刊行書のライターから、コーチングのトレーニングスクールに
関する取材も受けました。個人からの問合せでも、コンサルタントの
ご主人と一緒に来日した人(本人も元コンサルタント)が、コーチングを
本格的に勉強したい、日本で英語によるコーチングの教育機関はないか、
と訪ねてきました。
- 261投稿者:「ケイコーゥ、プリーズ」 投稿日:2005/02/18(金)12:44:47
- 紹介で私のことを聞いてくる人は別として、いったいどこで、
私の名前を知ったのかと聞くと、国際コーチ連盟(ICF)の
コーチ照会サービスを利用しているとのこと。これは、国際コーチ連盟の
メンバーになると登録することができ、私は8年前から利用していますが、
こんなにも多くの人の問合せを受けるのは、最近になってからです。
ICFでは、何年も前から「グローバル化」というキーワードを掲げつつ
もこれまでは、実のところアメリカ国内のコーチたちの集団でした。
しかし最近、本当の意味でのグローバル化が進んでいるのだ
ということを実感します。今年もサンホセで第10回目の国際コーチ連盟
の大会(11/9〜11/12)が行なわれます。どうやら今年は歴史的に最大級の
ものになる予感。2000人集まることが予測されており、今から
盛り上がっています。さて、今朝もまた外国から電話が一本。
それも、朝ミーティングを予定していたイローナからです。「ケイコー、
ごめんなさい。今日の電話ミーティングはキャンセルさせてください。
今カナダは大雪で、サーバが全部ダウンしたの。この電話もかろうじて
つながっているの・・・ブツッ」昨年のトルネードのケース
(2004.10.6配信号)でもそうでしたが、海外がぐっと身近に感じられる
毎日です。
- 262投稿者:「敗戦の将」 投稿日:2005/02/23(水)20:37:16
- 企業の営業会議のオブザーブをさせていただくことがあります。
肯定的な雰囲気、活発な議論、迅速な決定、、より生産的な
会議にするためにどんな点が改善できるのかを知るためです。
オブザーブをしていて気がつくのは、明らかに2つのタイプの
営業会議があるということです。ひとつはそこに参加している
メンバーが萎縮し、発言を控え、互いにあまり関心を示さない会議。
もうひとつは、メンバーがリラックスしていて、果敢に意見を言い、
お互いをサポー トしあっている会議。営業会議に関していうと、
中間というのをあまり見たことがありません。どちらかです。
何がこの違いを生み出しているのか。幾つか要因はありますが、
最近ある企業の会議を見ていて、「ああこういうことか」と思った
ことがあります。要するに「盛り上がらない営業会議」というのは
「敗戦の将」を責めているわけです。「大阪は今月なんでこんな
数字だったんだ!」「なんで言われた通りにキャンペーンを実施
できなかったんだ!」参加者の目線は下へ下へと落ちていく。
それに対して「盛り上がる営業会議」では、「敗戦の将」を決して
責めずに、新たな目標設定を、その場で促している。
「3月のキャンペーン、どんな風に成功させようと思っている?」
「いつまでに、どれくらい新人のスキルを伸ばそうと考えている?」
- 263投稿者:「敗戦の将」 投稿日:2005/02/23(水)20:37:33
- これはこれで厳しいアプローチだと思いますが、参加者は決して
下を向きません。「盛り上がる営業会議」をリードしていたある
複写機メーカーの支社長に、いつもこんな風に会議を運営している
のかと聞きました。支社長曰く「過去は変えられませんけど、
未来は変えられますから。だから部下に聞くのは徹底してこれから
どうするのかということだけです。過去は数字を見ればわかるわけ
ですし。」「仮に誰かをつるしあげたとしますよね。その人間は
必ず営業所に帰って自分の部下をつるし上げます。つるし上げの
連鎖が起こるわけです。そうすればあっという間に支社の雰囲気は
悪くなります。」この支社は現在全国9支社の中で、断トツで
トップの成績を上げています。塩野七生さんの「ローマ人の物語」
(新潮文庫)によると、ローマ帝国が比類なき大帝国を築き上げ
られたひとつの理由は、戦いに敗れた指揮官を決して責めなかった
ことにあるようです。責めれば軍が萎縮する。萎縮は自由な発想と
勇気を戦士たちから奪う。あなたの会社では「敗戦の将」を
どのように扱っているでしょうか?
- 264投稿者:「マッチさせる。そして似合う」 投稿日:2005/03/03(木)13:04:41
- ご存知のようにアメリカの経営者は業種をまたいで就任します。
昨日まで、清涼飲料水の社長だった人が、次の日には
コンピューター会社の社長になる。コンサルタントが、
家電メーカーの社長になる。こうしてみると、社長には
社長として求められるコンピタンシーのあることがわかります。
在籍する会社における経験や業績によって決定されるわけではなく
社長としての能力で、評価され、判断されます。それは、
マネージャーも同じです。経験、業績と、マネジメントの
能力はまた別のものです。コーチの仕事の一つは、
社長やマネージャーのコンピタンシーを明らかにし、
その役割にいち早くマッチさせることにあります。
また、個々の特性を明確にし、役割を身につけるプロセスを
見つける、つまり、オーダーメードで役割を身につけられる
ようにします。たとえ、そこにコンピタンシーリストがあっても、
生身の人間が袖を通し、フィットさせることができなければ意味が
ありません。最終的には、オーダーメードの役割を着て、それが
似合う必要があります。
- 265投稿者:「マッチさせる。そして似合う」 投稿日:2005/03/03(木)13:05:33
- コーチングは、クライアントと共にリストを作り、それを身に
つけたときの状態をビジュアライズし、それによってもたらされる
もの、失うかもしれないものを予測します。また、身につけた後、
その機能性について、振り返る時間ももちます。最終的に、役割を
装着自由な状態にして、コーチングセッションは終わります。通常、
ひとつの役割、たとえばマネージャーの役割をこなせるようになるのに
1年半以上かかると報告されています。(ハーバード大学における調査)
それを短縮させること。また、役割をより自由にこなすことが
できるようにすること。これらはコーチングのテーマとして、
しばしば扱われるものです。
- 266投稿者:「コーチング・アップ」 投稿日:2005/03/14(月)05:02:58
- 10年近く前のことです。私は今とは別の会社で横浜支社長という
立場で働いていました。あるとき、東京の本社から25歳の女性
スタッフが転勤してきました。彼女は明るく前向きでとても優秀、
一緒に仕事をするのが楽しみになるようなすばらしいスタッフでした。
私は彼女を多くのプロジェクトに参加させました。彼女もその期待に
応えてのびのびと仕事をこなしているように見えました。一緒に
働くようになって3ヶ月程経ったころ、夕方のオフィスで、彼女から
唐突に声をかけられました。
「桜井さん、話したいことがあるんですが、ちょっといいですか?」
二人きりで話すために、オフィスからエレベーターホールに出ました。
立ったままで向かい合うと、彼女はぽつぽつと話し始めました。
「桜井さんは、最初は一緒に盛り上げてくれるけど、あとは
ほったらかしで冷たい。最後は全部私に押し付けて、ずるいです。」
私にとっては、うまくいっていると思っていた部下から
思いもかけぬ話をされて、その瞬間はショックで何を言われている
のかよくわかりませんでした。しかし、それがきっかけとなって、
私と彼女とのコミュニケーションの量は飛躍的に増えていきました。
私たちは、お互いが理解するまでとことん話すようになり、
それとともに彼女はより多くの仕事をこなすようになっていったのです。
- 267投稿者:「コーチング・アップ」 投稿日:2005/03/14(月)05:03:55
- 彼女は、自ら私に働きかけることで、自分の働きやすい環境を
作り出したのです。後日、部下から上司に対するこのような働きかけを
コーチング・アップと呼ぶことを知りました。キャリア・アップして
いく人は、少なからずコーチング・アップを行っているものです。
能力の高い人は、仕事ができるだけではなく、コーチングアップも
うまいのだと思うのです。つい先日のことです。部下の一人から、
メールが来ました。メールのタイトルは、「今思っていること」
なんだろうと思って、少しどきどきしながら、メールを開きました。
そのメールには、私の仕事の指示の仕方などについての
フィードバックとリクエストが書かれていました。メールの最後は
次のような言葉で締めくくられていました。「私は、桜井さんに
適当にぞんざいに扱われている感じがします。」ガーン!
- 268投稿者:「コーチング・アップ」 投稿日:2005/03/14(月)05:04:20
- 10年前以上のショックです。部下の顔が思い浮かびました。
どんな気持ちでこのメールを書いたのだろうか?毎日どんな
気持ちで仕事をしているのだろうか?自分にとっては、
最も良い関係で働いていると思っている部下だったのですが、
あらためて、これまでのコミュニケーションについて
見なおすことになりました。頭の中で考えがぐるぐると回り、
その夜はあまり眠れませんでした。翌朝にかけて、私は二つの
ことを決めていました。まずは、時間を取ってこの部下と
とことん話すこと。部下が気持ちよく、より高い生産性を
あげられるような状態を作り出そうと思いました。そして、
自分のトレーニングのために「マネジメント・プログラム」の
コーチを受けること。私は、昔も今も、コーチング・アップの
うまい部下に囲まれているようです。
- 269投稿者:「リタイアメント・コーチ」 投稿日:2005/03/17(木)11:35:36
- 毎年、コーチングの仕事で来日する旧友コーチの家を訪問するため、
今サンタフェに来ているのですが、アメリカに来る飛行機の機内誌に
コーチについての興味深い記事が載っていたので
今回はそれを紹介します。
アメリカでは、「リタイアメント(退職)」というものは、
日本における定年退職とはまた一味違った「お祝い」「新しい
人生の出発点」として、特別な意味合いを持っています。
特に裕福な層にとっては夫婦で旅行三昧、ヨットで世界一周など
まさにこれからがハッピーな人生の始まりというニュアンスで
語られることも多いのです。しかし、バリバリのビジネスピープル
にとって、仕事を離れるのは、今までの地位、仕事、同僚、友達、
アイデンティティ、日常的な慣習のすべてを後に残し、新たな出発を
するということ。リタイアメント後、ぽっかり空いた穴を埋めるのは、
そう簡単なことではないようです。そこで、今「リタイアメント・
コーチ」の存在が注目されています。リタイアメント・コーチは別名
「アダルト・メンター」と呼ばれ、これからの人生を再デザインする
メンターとして捉えられているようです。
- 270投稿者:「リタイアメント・コーチ」 投稿日:2005/03/17(木)11:36:18
- 記事の中には、自分が経営
していたIT企業を大手に売り、バラ色のリタイアメントを送る
つもりが、四苦八苦・・・というケースで次のようなコメントが
紹介されていました。「コーチは、様々な課題を提供してくれる
ことで私がもともと持っていた情熱を再認識し、人生を再プラン
する際の大きな手助けになった。コーチはボランティア活動、家族
との新たなかかわり、趣味など私のゴールを明確にし、それに沿った
活動をデザインさせたのです。また、ビジネスの経験を活かし、
かつての同僚のメンターとしての仕事も始めることもできました。
自分ひとりでも同じことはできたと思いますが、おそらく3年
かかったと思います。コーチのおかげで半年でこれを実現する
ことができました。」
現在、日本でも退職後に仕事や人生の先輩として、「コーチ」
として活躍している人は増えていますが退職後の人をコーチする
というマーケットも、今後日本で大きく発展するだろうということを
期待させられる記事でした。リタイアメントコーチ・・・まさに、
人生再出発のスピードアップに大きな役割を果たすだろうと思います。
- 271投稿者:「一部上場企業社長の不満」 投稿日:2005/03/23(水)21:04:16
- ある一部上場企業の社長のコーチングを始めました。一部上場企業の
社長のコーチングをするのは私にとって初めての経験です。いつもと
違った気負いを自分に感じながら最初のセッションに臨みました。
社長は話し始めました。「とにかくさ、うちの社員は人に感謝しよう
という気持ちが足りないんだよ!管理職も部下を育成しようと
気概に欠けるし!」50半ばのその社長は、社員に対する不満を
突然ぶちまけ始めました。正直に言って、これには面食らいました。
一流私立大学卒の一部上場企業の社長。知的な雰囲気を漂わせる
その面持ち。タイムマネジメント、ビジョンの構築といった
「前向きなテーマ」がまず口をつくのだろうと予想していたからです。
しばらく社長の話を聞いた後、切りかえしました。「でも、会社で
起こることの全ての責任は、なんだかんだいって社長にありますよね。
もし、あえて、全ては自分が引き起こした、という立場に立てば
どんな風に考えられますか?」一般的にインテリの社長はこの類の
質問を受けると、ふと我に返り冷静に状況を分析し始める、、、
はずでした。ところが、「俺のせいじゃなでしょ!だめなやつは
だめなんだよ!やるだけやってだめならいい人間を他から連れてくる。
それだけだよ!違う?」こちらも思わず反応してしまいました。
- 272投稿者:「一部上場企業社長の不満」 投稿日:2005/03/23(水)21:06:24
- 「よく、そんなことで上場企業の社長やってられますね!」それからの
30分は、なんとか「自責」にしようとする私と、「他責」に逃れようと
する社長との押し問答でした。出口が見つからないまま、後味の悪さを
残して、そのセッションは終わりました。セッション後、コーチング
導入の窓口をしてくださった執行役員に電話をかけました。そして、
社長がどんなバックグラウンドを経て、今日に至ったのかを聞きました。
社長の直属の部下だったこともある執行役員は昔を懐かしむかのように
話してくれました。かつて社内の不正が公けのものとなったときに、
社長は当時部長でありながら自ら矢面にたって、事件の解決に
あたったこと。社内のどろどろとした派閥争いを、一役員として
大変な想いをして収めたこと。会社が買収されそうになったときに、
一人で奔走し、何とか防波堤でその動きを食い止めたこと。
孤軍奮闘する社長の姿がありありと目の前に浮かびました。
2回目のセッション。全て聞く。何をどう社長が言っても、全て聞く。
社長のこれまでの「戦い」に敬意を表して全て聞く。
そう決めてセッションに臨みました。社長は1回目と同じように、
社員に対する不満を話し始めました。10分、20分、30分、
予定の終了時刻を過ぎても、全く意に介さないといった風に、
社長は話し続けました。40分、50分、、私の方が、セッションを
終えないと、次のアポイントに間に合わないという時間になりました。
- 273投稿者:「一部上場企業社長の不満」 投稿日:2005/03/23(水)21:06:57
- しかしここは止めるわけにはいきません。許可をいただき一瞬退出し、
次のアポイントをキャンセルしました。結局2時間、社長は社員に
対する不平不満をぶちまけ続けました。そして、最後の最後に一言
こういいました。少し照れたような表情で。「やっぱり、悪いのは俺かな。」
それから、この社長とは10回以上のセッションを行っていますが、
ただの一度も社員の悪口を言っているのを聞いたことがありません。
一部上場企業のトップは、常に批判の矢面に立っています。先ごろの
退任された某電器メーカーの会長をはじめ。とことん彼らの側の
言い分を聞いてくれる人がそばにいたら、ひょっとしたら日経平均
株価はあと100円ぐらいは上がるのかもしれません。
- 274投稿者:「レッテルをはがす」 投稿日:2005/03/31(木)16:41:17
- 以前、ここで、ハーレン・アンダーソン(ナラティブセラピー
の第一人者)について紹介したことがあります。
彼女の口癖は「あなたってどんな人?」誰にでもこれを聞きます。
また、同じ人に何度でも聞きます。「あなたってどんな人?」
そう聞かれると、とりあえず通り一遍の答えをします。しかし、
また聞かれると用意がないのでちょっと苦しい感じがあります。
それでも、また次の日に「あなたってどんな人?」そう聞かれると、
自分がどんな人間なのか、思いをめぐらせてみたい気持ちになります。
また、「あなたってどんな人?」そう聞かれるたびに、自分に対する
興味を向けられている、関心をもってもらっていることが、嬉しく
思えるようになります。もうすぐ4月。新学期が始まります。
新入生、そして、クラス替え。クラス替えがあると、クラスの
新しい仲間はどんな人たちなのか、最初はみんな、様子見をします。
やがて、すこしずつ言葉を交わすようになり、やがてお互いが
どんなタイプの人間なのかを学習します。この友だちは「こういう人」
あの友だちは「こういう人」いくつかのレッテルを貼って、次からは
それを基に対応するようになります。そして、そのレッテルを基に、
お互いの距離を測るようになります。会社においても同じです。
- 275投稿者:「レッテルをはがす」 投稿日:2005/03/31(木)16:41:47
- 仕事ができる、できない。気が利く、利かない。お互いに、
さまざまなレッテルを貼ります。上司も部下に、部下も上司に
レッテルを貼ります。不思議な話ですが、一度レッテルを貼って
しまうと、事実よりもレッテルの方が、価値ある情報になって
しまいます。また、私たちは時間が経っても、同じレッテルを
貼り続けるものです。レッテルを貼るということは、その人に
ついて「わかっている」ことを意味します。つまり、一度
レッテルを貼ってしまえば、それ以上知る理由がないのです。
ですから、すでに知っている範囲で対応するでしょうし、すでに
「わかっている」のですから、改めてコミュニケーションを交わし、
自分の部下がどんな人なのかを知る必要がありません。それは、
人に対する興味を失わせ、相手の知るための努力やコミュニケーションを
低下させることになります。確かに頭では、部下についてすべて知って
いるわけではないと理解しながらも、人に対する興味は失せていく
のです。エグゼクティブやマネージャーとのコーチングセッションで、
部下について何を知っているか質問をすることがよくあります。
- 276投稿者:「レッテルをはがす」 投稿日:2005/03/31(木)16:43:39
- また、次のような宿題を出すこともあります。部下の、
・強みはなんですか
・どんな価値観を持っていますか
・コミュニケーション能力はどうですか
・健康状態はどうですか
・睡眠は足りていますか
・今どんな気がかりをもっていますか
・どんなビジョンをもっていますか
・どんなときに嬉しいと感じるのでしょうか
・会社では発揮する機会はないが、
他で発揮している能力はありませんか
etc
これらの質問に答えていく過程で、彼らは部下とコミュニケーション
を交わし、部下について具体的に知る機会を得ます。
- 277投稿者:「レッテルをはがす」 投稿日:2005/03/31(木)16:43:53
- レッテルではなく、生身の部下は、どのようなことを考え、感じ、
行動しているのかを知り、人に対する興味を喚起するのです。
コミュニケーションとは、その場、その場で創り上げるものですが、
同時に、コミュニケーションは、それを交わす以前に、どのような
質問を自分の内側に持つかによって決定されるものでもあります。
頭の中にデータベースをもち、そこに新鮮な部下のデータを入れる。
そして、入れ替える。この作業が、人に対する興味、そして、
コミュニケーションの原動力となります。最初は、何を
知っていていて、何を知らないのかも知らないわけです。
職場だけではなく、家族や友人関係でも同じです。ぜひあなたも、
まわりの人について上に書いた質問に答えることから始めてみてください。
- 278投稿者:「今日一日が楽しみだ!」 投稿日:2005/04/12(火)13:51:50
- 「今日一日が楽しみだ!」毎朝そう感じられるような人生を
送りたいと思っています。確かに子どもの頃はやりたいことが
たくさんあって、毎日わくわく過ごしていたように思います。
ところが、いつ頃からか、その感覚はどんどん薄れていった感じがする。
今や、一日が楽しみに思えるのは、ゴルフに行くときだけ。
ところが行ってみたら行ってみたで、ラウンドしながらも
たくさんのやらなければいけないことが頭をかすめてしまうわけで、
人生のご機嫌度がどんどん低下しているよう感じてなりません。
先日、このコラムを一緒に書いている鈴木義幸さんと久しぶりに
話す機会がありました。「調子はどう?」「最高!」私たちの
会話はいつもこんなふうに始まります。「桜井さんの調子はどう?」
「最低!」「どうしたの?」「いやー。将来のビジョンがはっきり
もてないんだよね。鈴木さん、クイックコーチしてくれない?!」
「OK! じゃあね、桜井さん、とってもコーチっぽい質問しても
いいですか?」「もちろん!」「一切制限がないとして、桜井さんが
今もっているリソースを自由につかえるとしたら、何をしたいですか?
どんなことしたいですか?」その質問から始まったコーチングは
時間にすればたったの5分でしたが、私の霧を吹き飛ばすには十分でした。
- 279投稿者:「今日一日が楽しみだ!」 投稿日:2005/04/12(火)13:52:34
- 考えてみれば、コーチ・トゥエンティワンを立ち上げた当初は、
やりたいことがたくさんありました。当時は、日本にコーチングという
概念そのものがありませんでしたから、私たちの最初のミッションは、
コーチングそのものを多くの人に知ってもらうことでした。
「コーチ・トゥエンティワンの桜井です。コーチングについてご紹介
させてください」「コーチの桜井さんですね。それでは○日の○時に
お待ちしています」実際に会ってみると、担当者が「高知の桜井さん」
というメモを持っていたこともありましたし、バッグメーカーの
COACHに間違えられることもしょっちゅうでした。しかし、
そのたびに思うのです。次はこうしてみよう、ああしてみよう。
こんな人に会ってみたい。毎日がチャレンジの連続でした。
それから7年。現在、コーチ・トレーニング・プログラムの参加者は
4000人に近づいています。日産自動車や警視庁などの多くの企業、
公官庁がコーチングを取り入れています。コーチングは明らかに次の
段階に進もうとしています。ところが、この1、2年の私自身に
ついて振り返ってみると、一言でいえば守りに入っていたように
思います。つまり、「やりたいこと」ではなくたくさんの
「やらなければならないこと」に埋もれてしまっていたわけで、
ご機嫌なはずがありません。もう一度原点に立ち返って、日本に
コーチングを広めたい。マネージャーや経営者はもちろんのこと、
もっと多くの人にコーチングを知って欲しい。私には中学2年生と
小学校2年生の二人の娘がいますが、娘の担任の先生はコーチングを
知っていて欲しい。私が通っている、かかりつけのお医者さんにも
コーチングを知って欲しい。まだまだこれからです。マネジメント
だけではなく、教育にも、医療にもコーチングを広めたい。
コーチングとは相手の目標を達成させる、つまり相手をうまくいかせる
コミュニケーションのあり方です。どうも最近、自分さえよければよい
という風潮が日本社会の首を絞めているような気がしてなりません。
相手をうまくいかせるという考え方がベースにあるコーチングは
日本を変える可能性を持っていると思うのです。コーチングで日本を
変えたい。さて、今日は誰に話しに行こうかな。
- 280投稿者:「コーチは言葉のプロフェッショナル」 投稿日:2005/04/19(火)14:45:27
- 今から8年前、アメリカのコーチ養成講座のテキストの翻訳に
携わったとき、圧倒されたものがあります。それは、
「コーチング用語辞典(人生をより豊かにするための言葉集)」
というものでした。そこには、約350種類もの言葉の使い分けの
リストがあり、例えば、
「達成vs.結果」
達成は自分が生み出したことの結果。結果は単に行ったことの顛末。
「マネジメントするvs.コントロールする」
マネジメントの対象は人の行動や資質です。
コントロールの対象は相手そのものです。
というように、似た言葉の使い分け方についての記述が、
59ページも続き、驚いたものです。その年の12月にアメリカで
行われたコーチ養成のプログラムに参加したとき、初めてプロの
コーチと組んでコーチングを行う演習がありました。
- 281投稿者:「コーチは言葉のプロフェッショナル」 投稿日:2005/04/19(火)14:48:18
- 彼女と組んだときも、その言葉づかいの適切さに関心しました。
「あなたは困っているというけど、それは、
解決する方法を知らなくて、それを探しているのか、
知っていてそれを実行することができないのか、どっち?」
日本に特有の「気持ちでなんとなく通じる」というのに妥協せず、
会話を通じて明確にさせる。「コーチは言葉のプロフェッショナル
なんだなぁ」と実感したのを覚えています。さて、アメリカでは、
いまだにコーチとセラピストとの違いは何か、という議論があります。
先月国際コーチ連盟から、「コーチの仕事は、医療ではなく
ビジネスであることを理解してもらうために、次の言葉を使いましょう」
というガイドラインが発表されました。これもまた長いリストに
なっています。コーチングについての理解を深めるために、
「使う言葉」という切り口を使うのは、多言語のアメリカらしい
ところですが、非常に具体的で、すぐにでも活用できるという面では、
とても参考になります。コーチとして活動する上において、
言語化することは非常に重要なプロセスだと思います。
- 282投稿者:次の言葉を使いましょう 投稿日:2005/04/19(火)14:50:38
- 「コーチの仕事は、医療ではなくビジネスであることを
理解してもらうために、次の言葉を使いましょう」
1: コーチの仕事を説明するときは、次のような言い方をすること
× コーチは、あなたを援助、サポートする
○ コーチは、自己成長を促すための行動プランを共に作り出す
2:コーチングの成果について
× コーチングを受けると、充実した人生を送れるようになる
○ コーチングを受けることにより前進し実際に行動できるようになる
3:クライアントが主導であることを伝える
〔セラピスト〕表面化させる 治療する 直面 調整する
援助する 分析する 問題を解決
〔コーチ〕 集中する 優先順位をつける リクエスト 学ぶ
完了する 責任を持つ 選択する 可能性
- 283投稿者:「体を張る」 投稿日:2005/04/21(木)02:44:13
- 先日、ものすごく久しぶりに、テレビを見ていて涙が流れました。
韓国ドラマを見ていたわけではありません。プロ野球の中継です。
巨人対ヤクルト。試合も後半になって、巨人は代打に清水選手を
送りました。清水選手は昨年はレギュラーメンバーとしてチーム一の
173という安打を放っています。(セリーグ全体でも2位)
しかし、今年はキャプラーという高額で獲得したメジャーリーガーの
控えに回り、ここまで6回代打に立っていますが、まだヒットは
一本も出ていません。解説者も、「清水もつらいでしょうね。
試合に出たいでしょうね。でもきっとその内、また彼が先発復帰
できる日が来ますよ。」しきりに清水選手の心情を察したような
発言をしています。その打席、清水はあわやセンターに抜けようか
という強いゴロを放ちました。しかしかろうじてセカンドが追いつき
ファーストに送球。きわどいタイミングでしたが、見た目には
明らかにセーフでした。しかし判定はアウト。解説者でさえ、
「今のは絶対セーフですよ!」と言い切っています。判定を受けて
一塁のコーチャーズボックスにいた広田さんというコーチが、
烈火の勢いで審判に挑みかかりました。大柄な野球選手に混ざって、
小柄な、本当にどこにでもいるようなおじさんに見える広田コーチが
「親の敵!」といわんばかりの激しい形相で激しく審判に抗議を始め
ました。
- 284投稿者:「体を張る」 投稿日:2005/04/21(木)02:48:05
- 解説者が「いや〜珍しいですね。あの温厚な広田さんが
怒っているのはじめてみましたよ。抗議して判定が覆る
ことがないのは広田さんが一番わかってるでしょう。
でも敢えてああやって抗議する。清水は救われますよ。」
下から突き刺すように審判を見上げ、大きく腕を上下させ、
大きな声をあげながら広田コーチは繰り返し繰り返し審判に
向かっていきます。周りの選手たちに制止されても、
彼はそれをふりほどいて、審判に食って掛かって行きます。
とめられてもとめられても、彼は抗議を止めません。
画面からは何を言っているのかはわかりませんでしたが、
「お前、今の一本が清水にとってどれだけ大切なものか
わかっているのか!」「一本のヒットがどれだけ清水を楽に
するのかわからないのか!!」「清水がどんな想いでこの間
すごしてきたのか知ってるのか!!」そんな言葉が口をついて
いるように見えました。怒鳴り続ける広田コーチと、その姿を
横で見ている清水選手を見ていたら、自然と涙が出てきました。
- 285投稿者:「体を張る」 投稿日:2005/04/21(木)02:48:22
- その日はある企業での、1泊2日のコーチングトレーニングの
1日目でした。トレーニングが終わって施設の部屋に戻って、
たまたまつけたテレビに映し出されたのが巨人ヤクルト戦
だったのです。次の日、朝トレーニングルームに行って、
受講者に聞いてみました。昨日の広田コーチの抗議を見ません
でしたかと。三分の一ぐらいの人がそのシーンを見ていました。
一人の部長がいいました。「部下と信頼関係を築くのに大事
なのは小難しい理論じゃないんだよね。いざというときに
部下のためにどれだけ体を張ってやれるかっていうのが
やっぱり大事なんだろうな。」もう一人の部長がいいました。
「うちの役員にも見て欲しかったな。本当に、よくはしご外す
からな、あの人たち。」本気とも冗談ともつかないその発言に
会場はどっと笑いました。部下のために、子どものために、
クライアントのために、どれだけいざという時に体を張る
準備ができているか。私もふと想いを馳せました。
- 286投稿者:「イメージスコア」 投稿日:2005/04/27(水)21:07:22
- 『イメージスコアによる間接的相互依存の進化』
(※執筆者については下記を参照)という論文があります。
人間関係を損得だけで考えるなら、いつでも誰からも協力
してもらうだけの人が一番得をするはずです。しかし、
実際の人間関係は、単に1対1の関係で成り立っている
わけではありません。周囲には常に、その1対1の関係を
観察している第三者がいるわけです。その人たちは、人に
対して協力を惜しまない人を見て、心の中でそのポイント
を下げます。そのポイントを「イメージスコア」というのです。
彼らは、協力だけしてもらう人、または、誰かに協力を
しない人を見ると、心の中でそのポイントを下げてしまいます。
つまり「マイナスのイメージスコア」をつけているという
わけです。上記の論文は、コンピューターを100台以上つなげて
擬似の人間関係をつくりだす実験を行い、その結果をもとに
書かれたものです。会社の中、友達との関係、地域の
コミュニティーにおいて、自分のイメージスコアのポイントが
いくつくらいかを考えることは、なかなか興味深いものです。
もちろん、イメージスコアがすべてを叶えてくれるわけでは
ありません。当然、自ら他の人からの協力を仰ぐことも必要です。
また、自分の利益を優先させるべき状況もあります。
- 287投稿者:「イメージスコア」 投稿日:2005/04/27(水)21:17:06
- ただ、その瞬間に自分のイメージスコアが下がることも
自覚していなければなりません。マイナスになったのであれば、
どこかでプラスにしておく必要もあるわけです。以前、
ソーシャルキャピタルについて、この WEEKLY COACH
で書いたことがあります。高い「ソーシャルキャピタル」は、
高い「イメージスコア」によって維持されます。また、
リーダーやマネージャーとしての資格に「イメージスコア」は
大切な要因になります。イメージスコアという概念がなかった
ときは、イメージスコアの低い人を、「利己的、自分勝手」と
いう言葉で非難してきましたが、イメージスコアという概念を
持ち込めば、イメージスコアの高低で評価することができます。
最後に大切なことは、たとえ今イメージスコアの値が低くても、
高くしていくことが可能だということです。
【 要約 】『 イメージスコアによる間接的相互依存の進化 』
執筆者:マーティン・A.・ノワク(イギリス、
オックスフォード大学、動物学科)
カリ・シグムンド(オーストリア、ヴィエナ大学、数学科)
協力行為は、大抵、自分に協力してくれた人に協力をお返しする
という直接的相互依存で成り立っている。しかしここでは、
間接的相互依存という協力体制についての考察を述べる。
- 288投稿者:「イメージスコア」 投稿日:2005/04/27(水)21:17:38
- 間接的相互依存とは、「見返りを期待しないで、ある人に協力を
しておくと、それを見ていた第三者に、後ほど協力をしてもらえる」
という構造である。つまり人は、「他人に対して協力した実績を
持つ人に対して協力する」という性質がある。人は、自分のイメージ
や地位を、人に協力することによって上げていくという政治活動を
行っており、そのイメージスコアは人間関係を築いていくうえで
非常に重要なものである。その間接的相互依存のメカニズムを
理解するために、単純化したモデルを使用したコンピューター
シミュレーションの結果を数パターン紹介する。基本形は、協力を
提供する提供者と、協力を受ける受け手がランダムに
ピックアップされ、協力行為のやり取りがされるというものである。
パターンによって、「決して協力をしない拒否者」と、
「人を見て判断する、つまり前回協力してイメージスコアが
1ポイントアップした人にだけ協力する偏見者」、「誰にでも
無条件に協力する者」に分けることができる。また、ピックアップ
された提供者と受け手のやり取りを観察して、提供者のイメージ
スコアを独自にもつ観察者を導入することによって、より現実社会
と近い状態にしてのシミュレーションも行われている。
間接的相互依存を基盤にした協力行為では、提供者になる者は、
他人を助けるために、ある特定のコストを受け入れるか、その
コストを避けるのかを、選ぶことができる。簡単に言うと、
コストを避けることは、高い見返りを避けることにもなる。
一方、利他的行為は提供者のイメージスコアを上げ、それゆえ
将来的に受け手になったときに出会った人から利益をこうむる
チャンスが増える。また、イメージスコアの低いプレイヤーを
蔑視して助けない偏見者は、自身のスコアを減点するという
報いを受けている。人間社会との関連性でいえば、第三者に
ついての情報は、直接的やり取りを必要としていないが、その人
を観察する、あるいは別の人と話すことにより、間接的に取り
入れることができる。そんな情報伝達という意味での人類の言語の
進化は、間接的相互依存を基盤とした協力行為の発生にとって
確かな助けとなった。
- 289投稿者:ファシリテーター 投稿日:2005/05/02(月)15:18:28
- 事前準備を万全にして会議に臨む。会議が始まってからは、
ファシリテーターが参加者全員の時間を預かることになる。
先ず、時間通りに始まり、時間通りに終了すること。
開始が5分遅れたら、参加者数×5分の時間が無駄になる。
終了の遅れは、次の仕事に影響し、遅れることが日常化すると、
大切な仕事を会議の後に設定することが出来なくなる。
決められた時間を効率よく使うために、ファシリテーターが
注意することは『ゴールを明確にする』『発言内容を要約して
伝える』の二点である。『ゴール』・・会議の初めに今日の目的
議題、決定する事項を参加者全員で確認する。この狙いは、
全員の意識をゴール達成の方向に向かせることである。
『要約』・・参加者は時として二つ以上の事柄を一度に、
また、主張したいことがまとまらないまま発言することがある。
ファシリテーターは「ご意見は○○ということですね」など、
発言を短くまとめて確認する。他の意見を聞く時も「Aさんの
○○という意見についてどう考えますか」と要約し質問する。
- 290投稿者:ファシリテーター 投稿日:2005/05/02(月)15:18:51
- 今日のGOALから外れた発言には「○○は、議題から
外れているように考えますが如何ですか」と軌道修正の
必要性を確認する。ファシリテーターは、討議が分散
しないように絶えず発言内容を吟味し、会議を進行していく。
会議の終盤には、今日の成果を全員で確認し、次回会議までに
参加者が実行する宿題を確認して、定時前に終了する。
要約する力もコーチングの中で養うことができるので
参考にして頂きたい。
- 291投稿者:「母と補聴器」 投稿日:2005/05/12(木)10:26:09
- 私には今年で82歳になる母親がいます。いまだに日本舞踊を教え、
習字を習い、毎月のように温泉旅行に出かけて行きます。
その矍鑠(かくしゃく)とした姿はうれしい限りなのですが、
さすがに老いには勝てずこの数年で耳が遠くなりました。
特にこの1,2年は顕著で、最近では耳元で大きな声で話さないと
確実には伝わらないという状態になってきています。
ところが、本人は、「大丈夫。聞こえは悪くなってはいるけど、
言っていることはわかるから」と言うのです。ときどき取り違えて
聞いていることがあるのですが、気丈な母はそれをなかなか認めません。
しかし、家族が感じているのですから、踊りを教えているときも、
友達との間でも、多少のすれ違いが起こっていることは想像に難く
ないわけです。補聴器をつけるという提案を母はしぶしぶ受け入れ
ました。「試してみて、よかったらつける」ということになり、
この連休中に補聴器を扱っているお店を回ることになりました。
最初に行った補聴器専門店。対応してくれたスタッフは、ご自身も
難聴で補聴器をつけています。「耳の聞こえない人の気持ちはよく
わかるんです」という言葉から始まった説明は、さすがに説得力が
ありました。検査の結果で母の聴力は、実際の音声の40%程度
しか聞こえておらず、聞こえていない部分は想像で補っていること
がわかりました。
- 292投稿者:「母と補聴器」 投稿日:2005/05/12(木)10:28:37
- そのスタッフは「おかあさん、本当は聞こえていないんですよ。
想像で補って聞こえたつもりにしてしまう癖がついているんです。
だからときどき取り違えてしまうんです」隣で聞いていた私は
心の中で思わず拍手喝さいです。そのとおり。よくぞ代わりに
言ってくれました。これできっと母も補聴器をつける決断を
するだろう。説明は続きます。「この補聴器をつければ、
音そのものが80%ぐらいまで聞こえるようになりますから、
音そのものを聞くようにがんばってください。」その説明を
聞いた母は強い調子で言い返しました。「私は、いつも聞く
ように頑張ってます。」思わず、横に座っている母の顔を見ると、
うっすら涙を浮かべています。すべての説明が終わって店から
出た母は言いました。「この店では買わない、もうこの店には
こないからね」次の日に行ったのも補聴器の専門店でした。
スタッフは30歳前後の男性でした。補聴器はつけて
いません。前日のお店と同じような検査をし、出た結果も
同じでした。そのスタッフは結果のシートを前にして事務的な
調子で数値の解説をすませたあと、母にこんな話をしたのです。
- 293投稿者:「母と補聴器」 投稿日:2005/05/12(木)10:28:56
- 「とても81歳には見えませんね。しかも、現役で踊りを教えている
なんてほんとに素晴らしいです。僕も桜井さんのように歳をとりたいな。
この補聴器をつけると80%ぐらいまで実際の音が聞こえるように
なります。でも、会話が聞き取れるようになる人とならない人がいる
んです。会話の必要性がない人はなかなか聞き取れるようになりません。
その点、桜井さんは今でも踊りを教えたりお習字を習いに行ったり
していますから、必ず会話が聞き取れるようになりますよ。」母は、
このお店で補聴器を買うことに決めました。一方では、良かれと
思ってした激励が母のリセプターを閉じさせ、一方では、
さりげない承認とフューチャーペーシングが母のリセプターを
開きました。どちらのお店の説明もそれは確かに正論です。
しかし、人は正論だけでは動きません。まずは、相手のリセプター
を開くことが何よりも大切なのだと思います。
- 294投稿者:「課題にはまるか、コンピを上げるか」 投稿日:2005/05/29(日)23:37:09
- 成果を上げるには2つの方法があります。その課題の中にいきなり
入り込んで解決を図るか、それともその課題を解決するための
コンピテンシー(簡単に言えば必要能力ですね)をまず身につけよう
とするか。例えば、部下があまり業務改善の提案をしてくれない
という課題があるとします。どんな手を打てば部下は提案をして
くれるだろうかと考えるのが前者のスタンスです。一方、自分が
どんなスキルや知識が身につければ、つまり自分がどのように
パワーアップすれば、部下の行動が変わるだろうかと見るのが
後者のスタンスです。どちらも必要なアプローチだとは思うのですが、
採用されがちなのは前者のスタンスのようです。おそらくいち早く
課題をクリアにしたいからですね。後者は遠回りに見えるようです。
しかし、時には後者のアプローチを取る方がより早く成果を手にする
ことにつながることもあります。いや実はその方が多いかも
しれません。野球選手がシーズンオフのキャンプを経て、
大ブレークすることがままあります。昨年首位打者を取った広島の
嶋選手などはその典型です。それまでは鳴かず飛ばずのバッター
だったのが、いきなり「赤ゴジラ」と呼ばれ他球団に恐れられる
までのバッターに変貌する。その一方でシーズン中にいきなり
ブレークする人というのは極めて稀です。悪いシーズンは、最後まで
ずっと悪いシーズンのまま行ってしまうというのが多いようです。
- 295投稿者:「課題にはまるか、コンピを上げるか」 投稿日:2005/05/29(日)23:48:35
- 少し前に、社会人野球で鳴らした友人がこう語ってくれました。
「シーズン中は、なんとか打ちたいと思うからね。スランプから
抜け出すのはすごく難しいんだよ。目の前のピッチャーのボール
どうやったら打てるかって考えちゃうからね。そこいくと、オフは
いいわけよ。自分の足りないところを冷静に俯瞰するから。」
エグゼクティブの頭の中はある意味でいつもシーズン中です。
投げられたボールをどう打つかということに意識がいっていて、
自分のどこを伸ばせばボールが打てるかという考えを持つことが
実はなかなかできません。忙しいですし。そこで、コーチの私は
エグゼクティブに尋ねるわけです。「課題に飛び込みたくなるのは
わかります。が、今はエベレストのように見えるその課題が
筑波山ぐらいに見えるようになるためには、まずどんな能力を身に
つける必要があると思いますか?」と。先日、ある会社の社長さんの
コーチングをスタートしました。年齢は80歳を超えられていますが
まだまだ現役です。1000人を超える社員の前で、毎週訓示を
伝えられていると聞きます。彼にどんなテーマでコーチングをすると
いいですかと尋ねたところ次のように答えてくれました。
- 296投稿者:「課題にはまるか、コンピを上げるか」 投稿日:2005/05/29(日)23:49:13
- 「社員に毎日楽しんで仕事をしてほしいと思ってるんです。
それには、私がまず自分のことをもっと良く知らないといけないですね。
どういう時にいらいらするのかとか、どういう時に調子がいいのかとか。
少し怖いですが、自分発見をしたいと思いますよ。」優れたリーダーは
幾つになってもコンピタンシーを高めることに意識があるものだなと
思った次第です。みなさんは目の前の課題に飛び込みますか?
それとも課題を乗り越える能力を身につけることをまず考えますか?
- 297投稿者:「パーソナルゴール」 投稿日:2005/06/02(木)11:10:33
- 私たちの関心事とは、自分に関わることであり、それ故、自分に
関わりの薄いものに対する関心は、おのずと薄くなります。
企業の経営者が、会社の目標や目的をどんなに力説しても、
社員の関心事は「それで、私はどうなるの?」にあります。
会社のことをないがしろにしているわけではありません。
しかし、社員の関心事は「私の行く末」なのです。有能な
マネジャーは、そのことをよく心得ています。ですから、
目標を設定するときも、決して会社の意向を前面に押し出す
のではなく、本人の意思を確かめます。「今月の売上目標は?」
「300万円」平均的なマネジャーは、ここで「よし、
がんばれよ」で終わります。しかし、いいマネジャーは続けて
質問します。「それを達成すると、君にとってどんないいことが
ある?」それから「その目標を達成した、その先には何がある?」
いいマネジャーは、最初に部下の「私はどうなるの?」に応えます。
それをハッキリさせるために時間をつかうのです。組織には組織の
ゴールがあります。そして、組織に働く人にはすべてパーソナルな
ゴールがあります。100人の社員がいれば、100のゴールが、
1000人の社員がいれば、1000のゴールがあるのです。
- 298投稿者:「パーソナルゴール」 投稿日:2005/06/02(木)11:10:54
- 組織のゴールは、社員ひとりひとりのパーソナルゴールが達成
されることで初めて達成が可能になります。だからこそ、組織の
マネジャーやトップは、社員ひとりひとりのパーソナルゴールを
理解し、その達成をサポートすることを求められます。
トロント在住の私のコーチは、ある日、大企業の社長との
コーチングセッションのとき、彼の秘書を部屋に呼んでもらい、
彼に聞きました「彼女がどんなゴールをもっているか知って
いますか?」クライアントは、「知らない」と答えました。
そこで彼は、クライアントに対して、「彼女が自分のパーソナル
ゴールを達成することをあなたがサポートしなければ、彼女が
あなたの本当のゴールを理解し、その達成をサポートしてくれる
ことはない」そう伝えたそうです。それがどんな目標であっても、
それを達成する必要を個人が感じ取らなければなりません。
単にコミットメントを要求するだけでは充分ではありません。
その目標が、まさに自分の目標であり、それを達成するために、
個人が情熱を傾けようとしなければ、より高い目標を達成する
ことはできないのです。マネジャーやトップに求められる能力とは、
単にコミットメントを上げるだけではなく、個人の情熱を引き出す力
なのかもしれません。
- 299投稿者:システムエンジニアNさん 投稿日:2005/06/02(木)11:14:07
- 私の周りにネイティブコーチかな?という友人がいます。
休日にその友人とサッカーをすることがあるのですが、
私は結構下手なので、彼がよくアドバイスをくれます。
そのアドバイスの仕方が、コーチ的だな、と最近気づきました。
プレー中に、うろうろしている私に、いろんな人が、こうした
ほうがいい、ああしたほうがいいと指示をくれます。
たとえば、私がボールをもらおうとうろうろしていると、
よく他の選手と同じ位置に行ってしまいます。
そんなときに、「かぶっちゃだめ、もっとうまく動け!」と
言われても、なんとも困ってしまいます。
はじめからうまく動こうと思ってその場所にいるわけですから。
一方、その友人はそんなときに、こんな風に聞いてくれるのです。
- 300投稿者:
投稿日: